コラム:In beer there is Freedom

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アメリカ合衆国初代大統領ジョージ・ワシントンはカリスマ性がある軍人、政治家であったことで有名である。彼の価値観は、軍隊で鍛えられた屈強な精神であることは間違いないが、意外なことに農業にも熱心な考えがあった。出生が農場生まれであったことも大きいが、この農場はビールの生産と関係していたために、彼自身も生涯を通じて酒好きであったと言われている。さてワシントンが子供であった頃、コロニアルビールが植民地住民の間で流行をした。これは製造の過程で濾過作業を一切に行わないビールで、ビタミンBや他の栄養分をたっぷりに含んだ飲み物であった。植民地時代の農作業は過酷であったがために、こういった健康飲料は非常に重要で、言わばアメリカ生まれの英国風エールをワシントンも眺めていたのかもしれない。コロニアルビールは初期のアメリカを代表するエールであったが、ラガービールが現れると急速に衰退をしていき、19世紀末ごろには完全に駆逐をされてしまった。その後、1919年に禁酒法が制定されると、アメリカ国内のビール産業は次々と廃業、禁酒法の撤廃がされた1933年には完全に不毛の国家となり果てていた。それでも何とか美味しいビールを作ろうとする人々は少しづつ復帰をしてく。しかし古き良きアメリカ文化は、あまりに巨大化した大手会社によって再び酷く踏み荒らされると、実に下らない安売り低品質ガラクタがマーケットに堂々と陳列された。"爽快な炭酸の喉越しビールと脂肪たっぷりのピザを添えて”謳い文句が実現すると、アメリカのビール産業は3流以下の掃き溜めと化した。

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当ブログでも紹介をしたModern Timesは非常に美味しいアメリカビール

世界中のビールが均一化しかけていた。
そのことに一早く危機感を覚えた英国は、自国のエール文化を守るためにマイクロブルーワリー運動を始めた。英国はベルギー、ドイツ、チェコと同列のビール国家であり、ことエールに関しては天下無敵の自負がある。英国民はエール文化を保有し続けたが、この運動がアメリカに波及をした。1970年代後半、サンフランシスコでメイタグが絶滅種アンカー・スチームを復活させると、一気にアメリカ国内は新たな戦場となった。大手会社が熾烈な値下げ合戦を繰り広げているのに対し、彼らのような小さな醸造所は高品質なビール生産に勤しんでいた。1979年に自家醸造が合法化されたのも追い風となり、家族で趣味的にビールを作る者もいれば、巨大な夢と野望を胸に潜ませていた連中が本格参戦をした。特に2000年以降のアメリカ・クラフトビールのパワフルさには常に驚かされる。多様かつ個性が強く、しかも少数生産主義は大手会社を困らせた。安売り目的ではないビールがアメリカで認知され始めると、大手もクラフトビール擬きを発売し、市場の均一化を図ったが、何せ敵が多すぎる。世界中から優秀なビール生産者が自由に生産をしているのだ。情熱とアイデアを持ち込むと、多くの国民は彼らを支持した。クラフト・ビールは決して安くないが、確かに美味しいと。

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ユニークな最新ビールを求め続けるのであれば、アメリカに行き着く

アメリカのクラフトビール界隈は、かなり熾烈な競争が続いている。
ライバル全員がぶっ飛んで優秀なのだから、面白くない銘柄は直ぐに駆逐されてしまう。アメリカ・クラフトビールは一言で言い表すのなら、『無差別級』だろう。やりたい放題にも程がある。例えば、アメリカのIPA(インディアペールエール)は凄まじく強烈で、開発国の英国を超える製品も数多い。ただでさえ苦味が強いIPAをダブルやインペリアル化するなど、狂人じみた魔改造を繰り返しており、IBU(苦み数値)が100クラスは珍しくない。通常の日本ビールのIBUが10~15だということを考えれば、この数値がいかに規格外なのかはお分かりになると思う。ちなみに私は苦味に対する耐性は高いのだが、流石にIBU100は飲み込めなかった。ここまでくると、味の好き嫌いではなく、飲み手の能力に強く依存する部分が大きい。こういった銘柄は探せば探すほどに、アメリカに集中をしている。

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全米NO.1 クラフトビールであるBLUE MOONも、近いうちに紹介をする予定です

もしかしたら、私の敵が当ブログを見ているかもしれない。
だから、私が現在狙っている銘柄は教えられないよ。でも、恐らく貴方と私は同じビールを狙っている。そう、アメリカ人でなければ作りようがなかったハイパービールを入手しようとしているのだろう?日本国内のライバルは何としてもハイパービールを自分のコレクションにしようと躍起だ。このビール・ジャンルの特徴は何といっても高いアルコール度数に高いIBU値。アルコール25%を超えるようなビールは世界的に極めて少数で、かつIBUも50越えが当たり前。私がどの銘柄を狙って疾走をしているのかは秘密だが、その高価格には目眩がしてしまうほどだ。こういった光景は、1970年以前のアメリカ・ビール産業では考えられなかった。アメリカのビールと言えば、どれもこれも酷く低品質なのが常識だったからだ。しかし、現在のアメリカは凄まじい二極化戦争に突入をしている。安くて価値が無い、高品質で狂っている、勿論だが我々が狙うのは後者の方だ。

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私自身がアメリカに行く必要性もあるだろう

ここ最近のアメリカ・クラフトビールは『気狂いのホップ大量投入』から離れつつあるように見える。というよりも、連中はホップを限界まで投入をしすぎてIBU値の限界値に辿り着いてしまったため、別の道を模索しているというのが実情らしい。次に彼らが狂うプランは予想が難しい。女子が喜ぶような甘いフルーツビールも、ウィスコンシン州のNew Glarus Brewingの魔の手に落ち、チェリーの気狂い投入による超改造ビールとなって発売をした。また他方では、ケンタッキー・バーボン・バレル・エールのような誰向けが分からにような珍品も多い。(こいつは素晴らしいビールですが)
コロニアルビールが復活するとの知らせは聞いていない。もしかしたら、私が知らないだけで何処かのアメリカ人が復刻中かもしれない。おおよそ英国の古風ビールだと味が予想されるが、飲んでいない私は意見する事が出来ない。しかしながら"今のところは"、ということは確実だろう。ビールコラムでアメリカ産の銘柄が増えてきた背景は、こういった新構築のアメリカビール文化が世界的に注目をされているからなのです。ドイツや英国の高品質ビールを探すのは悪くは無いが、面白いビールを探すのであれば選択肢は一つしかない。アメリカのクラフト・ビールは強烈な勢いで増殖を続けている。

SUSgallery:TITANESS Tumbler Basic line Capri Blue レビュー

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ギリシャ神話に出てくる女神ガイアは大地の神であり、母なる女神としてギリシア各地で篤く崇拝された。夫は天空神ウラノスで、夫が雨を降らせ、妻が大地を形成した。世界を構築した2人は何人かの子供がいた。そのうちの1人が巨神族(ティタン)のクロノスである。天空神ウラノスに次ぐ全宇宙を統べた二番目の神々の王であったクロノスは、他の巨人族を従えてゼウスとの総力戦争を始めた。しかし、結果的には巨人族は大敗をしてしまい、戦争を生き残った巨人族も追放処分となった。そして他の神々が世界を治める構図が出来上がったという。
Titanium(原子番号:22,元素記号:Ti,呼名:チタニウム)はその特異な金属性質から巨人族タイタンに由来している。実際にも名前負けしていない強靭さがある。非常に硬く、かつ軽い事で知られた金属で、天然には土中に酸化チタンとして存在をしている。他にもチタン鉱石やルチルなどの鉱石にも含まれている。言ってしまえば、チタンそのものはさして珍しい金属ではない。しかし、チタン製のゴルフクラブが高価になるのは、チタンの精錬が難しいからだ。つまり原材料費が高価なのではなく、加工するのに手間や高度な技術を要するからに他ならない。そういった金属特性があるため、チタン製のカップは驚くほど高値で、しかも製品数が少ない。

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小鬼は別途用意して下さい。

貴方の所有するゴルフクラブが偽物のチタン製かどうかの判別は実に容易い。研磨盤の砥石を高速でゴルフクラブに当て続ければチタンかアルミ合金か直ぐに解る。本物のチタンは白い火花が散る上に、その頑丈さゆえに破損することはないだろう。偽物は直ぐにダメになってしまう。またチタンの強みは人体に対して、金属アレルギーを起こしにくい事も挙げられる。人工関節のパーツにチタンが用いられるのも、この特性があるためだ。軽い、錆びにくい、頑丈の3点を有するチタンは正に金属界の巨人と言える。さて、チタン製のマグカップは珍しいものの、決して入手が難しいというレベルではない。現にネット通販でも購入することができる時代において、このような嗜好品を見つけ出すのは10分、あるいは10秒以内にでも達成できる。問題となるのは品質である。私が所有している呑み道具は、総じて高品質な連中しかいない。職人による本錫、切子ガラスの美術品も2品持っている。どれも酒好きには堪らない実用的なコレクションで、そのパフォーマンスには満足をしている。はたして君はブログで紹介するだけの実力者かな。

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その強靭さは、強く殴った程度ではびくともしない。

2015年、TITANESS Tumblerは英国王室に贈答され世界的に注目を集めた。その他にも世界各国の首相が集まる食事会にも使用されるなど、相応の扱いをされている。シリーズには色違い・サイズ違いがあるが、私が購入したのは青みのあるCapri Blueだ。容量は400mlで、重量は僅か144g。当ブログではそれなりのカメラを使用して撮影をしているのだが、このCapri Blueの色合いは肉眼と写真との差が出てしまうタイプだ。和紙のような模様の中に、ライトブルーとチタン特有の金属色が織り込まれていて、自然的な表面が美しい。他社のチタン・タンブラーと比較を何度しても、この不可思議な自然身が頭から離れなかったため購入するに至った。他verで気になったのは、Lime Greenだが、お財布の関係から同時に購入は出来なかった。

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底には真空2重の特徴である塞ぎ穴跡がある。

強烈な存在感を放つタンブラーである。切子硝子のような派手さが無いにも関わらず、金属だけでここまで目立つものなのか。そのくせ軽い重量が、良い意味で気持ち悪い。仮に私が「チタンって何?わかんない」状態であれば、この軽さと屈強さのアンバランスっぷりに道理が説明できなかっただろう。幸いなことに、私は金属マニアだし、この金属の真実を知った状態で酒を楽しむ事ができる。しかし、それにしてもTITANESS Tumblerは強気の値段設定だ。このタンブラー1つで、最新鋭のグラフィックボードを超える。GTX1060の寿命は2年くらいのモノだろうが、TITANESS Tumblerは何年間もってくれるだろうか。少なくとも私の寿命より長い事は間違いない。そう考えるのであれば、許容範囲内かもしれない。実際に満足をしているので問題は発生していない。ただ、ちょっと贅沢をしすぎたかな。

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キチンと中を覗けるのは所有者だけ

触った感触、持ち上げた印象はチタンそのもの。飲み口を強く握っても軋み1つしない。仮に研磨盤が用意されても、迷うことなくブチ込める自信がある。この製品の最大の魅力は、飲み口から眺めるタンブラー内にある。光の反射から、青とシルバーの混合色が、まるでプラネタリウムのように広がる。400mlのタンブラーにしたのは、正に『この絶景』があるからに他ならない。近しい表現を用いるのなら、海上から深度を伺うかのような、海底を眺めようにも底が見えない不可思議さ。この中に入れるビールの選定は既に決定をしている。愛するスタウトは、あまり似合わない。青と銀世界に黒は不要。黄色?ゴールデンエールくらいの色合いならば問題ないだろう。もう一案としてはレッドエール。ふふふ、トラピストビールが良いな!!丁度、丁度、オーストリアから素晴らしい奴を仕入れたところだったんだ。だが残念なことに、今回はその写真を掲載をしない。本当の楽しみは、秘密として隠し持っていた方が良い。出し惜しみも、長くブログを続けていくには必要です。ちなみに、今回用意したビールは、グレg・・・

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強さを感じる

金属タンブラーで、これ以上の品質は予想すら出来ない。正に世界の権力者やVIPに喜ばれるだけの存在だ。これだけ強くて、ゼウスに負けたというのが信じられないよ。変に海外に媚びを売っていないデザインも大変に素晴らしい。やはり金属製品と妖怪は日本のものが最高だ。

購入するかどうかの判断は、この記事1つでするべきではない。実際に、手に取って、見て、あれやこれやと考えてみるべきだ。しかし貴方は、これを購入する人間が一定数存在するのも何となく理解をしてもらえると思う。手にすれば理解する、これが巨人の硬さ、軽さ、美しさだ。1つの存在として見事に纏まっている。

錫と小鬼 -栄枯盛衰の金属(後編)-

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紅莉栖「錫(Sn)は青銅器時代から現代まで使用されている金属なの。」
萃香「あんまり見かけないけど?」
紅莉栖「日常製品としての用途は少なくなってきたのよ。」
萃香「なんで?」
紅莉栖「高分子化合物(プラスチック )や合金技術の進歩、そしてアルミニウムの生産体制の確立があったからよ」

今では考えられないことですが、アルミニウム(Al)が金や銀よりも高額で取引されている時代がありました。当時、その貴重性から別名『Silver from clay』と呼ばれたほどで、フランス・ナポレオン3世はアルミニウムの特性を非常に気に入っていました。ナポレオン3世は食器にアルミニウムを用いていましたが、1800年代の技術から考えれば、これは大変な作業だったと思えます。皇帝用に製造する事は出来ても、一般家庭までアルミニウム製品を普及させる事は、ほぼ不可能な存在だったのです。しかし、賢い人達が実に見事な方法でアルミニウムの大量生産の方法を考えていたのです。



1800年代後半、アメリカ合衆国の科学者Charles Martin Hallとフランスの科学者Paul Louisが電気分解を用いたアルミニウムの生産方法を確立させました。この方法は現在でもほぼ同じ原理で用いられており、ホール・エルー法と呼ばれています。この方法では、ボーキサイトから酸化アルミニウムを抽出して、氷晶石を混合します。これを大型の電解槽の中で融解させるのです。電解槽の中には2つの電極があり、大凡5(V)で数十万アンペアもの電流が流されています。するとアルミニウムは電極の陰極側に集まっていくため、それを纏めて集めればよいわけです。このホール・エルー法により、人類はアルミニウムを貴重品とせずとも良くなりました。なにせ原料となるボーキサイトはさして貴重な鉱物ではありませんし、大量の電気さえあれば、大量のアルミニウムが好きなだけ生産できるのです。正にナポレオン3世が夢にまで見たアルミニウムの時代がやってきたのです!!…と言いたい所ですが、この時点でもアルミニウムは貴重な金属でした。アルミニウムを日常品まで押し下げるのに必要な電力はどのくらいだったのでしょうか、そもそも安定した送電システムが完成したのは何時頃だったのですか?とてもではありませんが1900年代初頭の電力生産能力では無謀でした。



アルミニウムが日常的に溢れ始めた正確な時期は解りませんが、恐らく1960年以降ではないでしょうか。ついに市場に溢れた最強の金属アルミニウム、あまりにも凄まじいスピードで日常に浸透していきました。なぜならば、アルミニウムほど人類にとって好都合な金属は存在をしないからです。金属元素全体から見ても、軽量であり強靭、錆びることなく耐腐食性に富み、そのうえ大量生産可能なだけの資源があります。(決してテルミット反応をさせてはいけませんよ)それ故に、アルミニウムの用途は非常に幅広く、その全てをリストアップすることは不可能なように思えてしまいます。さて、人類は古くから幾つかの金属を使用してきました。鉄だとか銅だとか…ただ、近年に限って見ると、ここまで爆発的に、かつ熱心に人類に寵愛された金属は間違いなくアルミニウムだけです。言い換えれば、人類の新しい相棒は、全てを兼ね揃えるスーパー金属なのです。錫に勝ち目はありません。



アルミニウムの普及は生活を一変させるほど強力なものでした。日常から転がり落ちた錫には、まだ工業的な役割が残されていますが、どのように足掻いたところでスタンダードに返り咲くことはないでしょう。現在、マレーシアでは良質な錫が採掘されており、世界的にも有名なピューターで作った食器で潤っています。しかし、結局のところ、そういった製品は『好きモノ』だけが購入する世界であり、我々はプラスチックやら合金、アルミニウムに囲まれて生きているのです。

栄枯盛衰の金属 - 随分と生意気なタイトルです。錫にとって、人類に活用されようとされまいと、この元素は存在をししています。ただ、錫は鋳造に向いていたために長い事、使用されてきただけなのです。
たったそれだけ…深いことを考えてはいけません。でも、仮に錫に対して想う事があるとするのであれば、かつての相棒だけあり多くの人の手に渡った稀代の金属ということでしょうか。

前編   
番外編:最も愛された金属

錫と小鬼 -栄枯盛衰の金属(前編)-

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萃香「管理人から金属のコップを貰ったよ!!」
紅莉栖「あら、良かったわねぇ…って錫で出来ているタンブラーじゃない。」
萃香「鈴?」
紅莉栖「錫(Sn)という金属のこと。今では日常で見かけることは少ないの。」

我々の種族は、大変に金属に依存した文明社会を築いています。鉄(Fe)の重要性について語れることは山ほどありますし、銀(Ag)や金(Au)の美しさに心を奪われた方も多いでしょう。しかし、これらの関心は数百年前から熱心に研究されてきた事ではなく、数千年前から我々の祖先は熱心だったのです。さて、今回のビール雑談は、ビールとも深い関係にある…いえ、実は全く関係の無い錫に関して記事を書きます。まぁ、何時ものことですね。本題である錫(Sn)について、皆さんはどの程度の知識がありますでしょうか?恐らく全く聞いた事がないという方はいないと思いますが、良く分らない金属と言うのが大半でしょう。ところが、人類史の初期において錫は大変に重要な位置にいた金属の1つで、この金属に注目しなければ我々はもう少しだけ長く石器時代に付き合わねばならなかった可能性があるのです。なぜならば錫こそが、石器時代を終わらせた要因の1つなのですから。



銅(Cu)は古代の人達にとって、数少なき加工可能な金属でした。そこらへんにありましたし、何より柔らかい特性のおかげで、何でも銅で作ることが出来ました。ところが、銅はあまりにも柔らかすぎる点が弱点でもあります。しかし、銅の特性の2つ目、錫(Sn)と混ぜ合わせると適度な硬さになる事を知りました。これを青銅と呼びます。私の予想ですが、最初に青銅を狙って作ったのではなく、自然に出来上がっていた青銅を得ていたものと思います。青銅は素晴しい性能を誇りました。石器時代は青銅時代へと移り、次なる鉄器時代の土台ともなったと言えます。この頃から表舞台に出てきた錫は、以降においても歴史によく登場をします。私は歴史に疎いのであまり詳しいことは知りませんが、日本では1200~1300年に中国から錫の技術が伝来したらしく、主に貴族用の酒器や茶器に用いられていたようです。それから時代が流れると、庶民の間でも錫製品が見かけるようになりました。最も有名な錫の出番は青銅ですが、むしろ近代では錫をめっきした銅であるブリキや亜鉛を同じく鋼板に被覆したトタンの方が有名かもしれません。



錫を単体で眺めると、この金属がいかに優秀であるかが理解できます。まず美しい - 銀色に光り輝く外見!!ああ、なんと素晴しいのでしょう。銀と比較しても安価ですし、何より加工しやすい。さらに人体に無害ときています。だからこそ、こんなにも長い期間、人類は錫を頼ってきたのです。大昔の人達にとって、鉄、銅、錫は重要な金属だったのです。今でも、この3金属は重要なのですが、どちらかと言えば錫はあまり見かけなくなってきています。いえいえ、探せば錫の食器は見つかるのですが、日常的に見かけることは少なくなりました。見つけたとしても、恐らくはアンチモン(Sb)との合金であるピューターが殆どで、紅莉栖の言うように純度の高い錫は駆逐されてしまったと見て良いでしょう。さて、ここまでは誰に聞いても教えてくれる事柄です。実際、この記事の殆どのソースがWikipediaで調べましたし。ですから、ここからが重要なトピックスです。

『何故、錫は見かけなくなったのか?』

様々な理由が考えられます。最初に考えられる要因は、近代において合金技術が進んだことで、錫に拘らずとも良くなったことです。ステンレス合金だとかジュラルミン、マグネシウム合金等が実社会において次々と表舞台に出てきました。こうした合金に錫の特性が敵うはずもありません。更に高分子化合物の研究・応用が進みプラスチック容器が大量に社会に溢れるようになったことも拍車をかけました。錫で作成されたコップは重量があります。私の所有している高い純度の錫製タンブラーは250g近くあります。プラスチックのコップほど軽くないのです。食器で重いというのは致命的すぎる弱点と言って良く、だんだんと優れた技術が表れると共に錫は行き場所を失っていったのです。

そして、最大のライバルが登場します。その金属の生産方法が確立され、そして大量生産された日。錫は人類の相棒から転がり落ちることになったのです。

(後編)

追加実験.酔っ払った状態でのレースゲームへの影響

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本実験は被験者がアルコール飲料を摂取した状態での認識能力を測るものである。

【概要】
アルコール飲料を摂取した状態でゲームプレイをした時の影響を測る事を目的とする。
実験に使用するゲームを選ぶ基準は以下の条件を満たすものとする。
1.ゲームプレイに他者が介入することで大きく検査結果に影響が出るゲームは除外する。
2.判断能力を最大限に使用すると思われるゲームタイトルであること。
3.タイムアタックなどのセオリーが確立されているルールは除外、又セオリー重視のゲームルールは除外する。
4.被験者がある程度プレイをしているゲームタイトルであること。
5.1ゲーム中に多くの判断能力が問われるシーンがあり、かつランダムな要素があることが望ましい。

条件1~5までを考慮した結果、最適なゲームタイトルは『Need For Speed Rivals』と判断する。
アルコール飲料については被験者がアルコールに強いこともあり、 サントリー ザ・マッカラン 12年 40度とした。

【追加項目】
前回の実験に於いて、被験者が酔っ払っているのかどうかの判断を誤まった可能性がある。そのため、今回は協力者(観測者)を4名まで増やし、被験者が酔っ払ったかどうかのテストを行った後にゲームプレイに移行するものとする。
被験者が酔っているかの判断は、問題集 線形代数(著:矢野 健太郎、 石原 繁)、問題集 微分積分(著:矢野 健太郎、 石原 繁)からランダムに1問出題し、解答を誤答した瞬間、もしくは1問に10分以上思考をした場合を被験者が酔っ払いと判断するものとする。本人の数学習熟度から考えても、平常時に大学初学年レベルの問題をミスするとは考えにくいため、妥当な検査方法と考える。

【実験手順】
手順1.被験者ばりーが1オンス(シングル)のマッカランを飲む。
手順2.直ぐにランダムで出題された問題を解答する。
手順3.解答ミスをしなければ再びマッカランを1オンス飲み、再度問題に取り組む。(ミスをするまで続ける)
手順4.解答ミスをした場合、被験者が車種を選択後、協力者がコースを選択する

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以下の文章から協力者(前回の協力者と全く同じ人物)からの口上纏めであるため、私の文章ではありません。



「嫌な予感はしていたが、全く問題をミスらない。シングル4杯も飲んでも平然と解いていく様は、恐ろしさすら感じた。ところが、5杯目にして初めての長考、特に難しい微分方程式ではないが、ここで10分以上使用したため、本人が酔っ払っていると判断。直ぐにゲームを起動し、本人に車種を選ばせる。ここで困ったのは、我々、協力者全員がNeed For Speed Rivalsというゲームを知らないと言う点である。どのコースを選べば良いのか判断できない上に、当人に選ばせたら有利なコースを選択するに決まっている。とりあえず難易度Hardのコースを適当に選んだ。

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本人が選んだ車はKoenigsegg One:1。最速車の1つらしい。
選ばれたコースは
コース:[Hard] Interstate 04
イベント:レース
全長:10km
本人最速記録:2分25秒


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もの凄いスピードでスタートし、ライバル車を1台鉄くずに変える物騒な走りをする。画面上に沢山の情報が流れているが、酔っ払っているためか視点が定まっていないような素振りを見せている。コントローラーを握る手も弱く、何故か斜めに持ちながらプレイをしている。

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高速道路地帯で派手に追突事故を起こす。吸い込まれるように一般車に激突していたので、単純な操作ミスか前方不注意の類だろう。酒が回っているせいか、ガードレールに擦りながらでないと曲れないらしく、ブレーキングをするタイミングが明らかに遅い。

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雪山地帯に入ったあたりから、挙動が危ない。ふらふらとライバル車の後ろに寄っては、壁に激突をし、その直後に警察車両に体当たりをされゲームオーバー。この結果は意外だった。なぜなら前回も呑んではいたが一発でイベントをクリアしていたからである。
「ちょっと水を飲ませろ、本気出す。」とほざいたので、飲ませてやることにした。3分の休憩後、2回目の挑戦を行う事にした。

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2回目のプレイも殆ど変わっていない。ただ、傍から見ても少し不運な接触事故があった。本人曰く、レース中の不運を自身の腕でカバーするレースゲームらしいので、それを含めての計測でも問題は無いだろう。

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結果:2分56秒
事故回数:2回
(初回プレイ時 クリアできず2回目の挑戦にてゴール)

タイムにして31秒の遅れが出た。

【(当人による)考察】
前回の実験から3年が経過し、ふと思いついて追加実験として称して記事にしましたが、やはり飲酒による判断能力低下はレースゲームだと顕著に出ると判断して良さそうです。ウイスキー5杯も呑めば酔っ払うのは当然なのですが、まさか1回目のプレイでクリア出来ないとは思いませんでした。
現実で飲酒運転をするのは犯罪ですし、危険な行為です。今回はゲームで飲酒運転をする実験ですが、十分な結果だと言えそうです。実際の車はキーを回し、ハンドルを握ってから、ギアを1速、2速と繋げなければなりませんから、手と足を別々に操作しなければ発進する事もままなりません。酔っ払っていたら、発進すら困難が伴うと思われます。協力者が言うには、私はコントローラをまともに持っていなかったらしく、体も斜めになっていたようです。
事故を起こすのはレースゲームの中だけに留めて置くのが賢いでしょう。

関連事項:実験.酔っ払った状態でのレースゲームへの影響

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