Replay:DeadSpace series

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秀逸なレベルデザインを持ったBIO HAZARDは、あまりにも多くの功績と定義を創りだした。
サバイバルホラー第一作目が優れていた…というよりも完成されすぎていた。
オリジナルが優れていたことは喜ばしいことである。
FPSの世界だとQuakeが該当する。
FPSが恵まれていたのはQuakeの直ぐ後にHalf-Lifeという過去の定義を書き換えるタイトルが現れたことにある。
確かにQuakeは完成されているタイトルだ。
しかし天下は長く続かなかった。
だからこそ方程式の書き換えが頻繁に行われ、実に色合い豊かなデザインが生まれたのだ。

サバイバルホラーというジャンルにはそれが無かった

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DeadSpaceの批判意見として有名なのは主人公アイザックの異常すぎる戦闘能力が挙げられる。
彼は軍人でもないし、特殊な能力に目覚めた人間でも、まして特殊部隊出身のコックさんでもない。
一介のエンジニアだ。
しかも中年だし、イケメンというわけでもない。
むしろハゲが進行中の冴えない男、それがアイザックなのだ。
ただしサバイバルホラー史上最強にイカしたキャラクターであることは間違いない。
BIO HAZARDは少ないアイテムを遣り繰りしながら(とは言ってもBIO HAZARD4はアイテムが大量にあるが)脱出を目指すデザインだ。
プレイヤーに『苦労』させ、それをサバイバルとしている。
楽なサバイバルなんて有りはしないのだから正しい行いだ。
よってサバイバルホラーは似たり寄ったりなタイトルが氾濫した。

主人公が弱いのが定義であると考えたからだ

そこにメスを入れた最初の作品がDeadSpace、そして主人公のアイザックなのだ。
強い武器、機能満載のエンジニアスーツでネクロモーフを虐殺していく。
弾数なんて気にしなくていい。
回復ドリンクなんて余りすぎて最終的にはショップで売り飛ばさせる程だ。
サバイバルなのにストレスフリー。
それこそが次のサバイバルホラーに求められていた事を、実に見事な暴力シーンとグロテスクで覆い、かつ細かなデザインにも気配りをした。
しかし表現に力を入れすぎてしまったために、ゲームをしない人達の琴線に触れてしまった
結果、日本を含め発禁になってしまった。

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プレイ自体はアクションゲームが苦手な人でもクリアできるように工夫が施されている。
英語が出来なかったとしても、目的地を指し示すインジケーターがとびっきりに優れているので問題はないだろう。
ただし、サバイバルはしてもらう。
このゲームが一番優れているポイントは、あまりにも主人公が置かれた状況が絶望的すぎることにある
酸素が少なくなってきた宇宙船、得体のしれない元人間は襲い掛かってくる。
しかも死体から死体に作用するので、ゲーム中に倒れている死体は動く出す可能性があるのだ。
コレが非常に上手く機能している。
仲間は役に立たないし、船内に生き残った人達も
「人間の進化の先に~」とか「元あるべき場所に返そう」だとか言ってるので電波野郎しかいない。
助けも来ない。
酸素もない。
意味不明なクソッタレ野郎とグロテスク100点満点の動く死体でISHIMURAは満員御礼なのだ。

最高のサバイバルをしてるじゃないか!!

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続編のDeadSpace2も上手なサバイバルを演出している。
重要な点は、最初からアイザックが強力な事だ。
この続編は明らかに前作ユーザーのためだけに制作された感が漂う。
過去の壮絶なストーリーも引きずっているし、アクションだって変わっていない。
仮に、弱いアイザックがストーリーを進めていくと強力になっていくスタイルだったとしたら、ファンは怒り狂っただろう。

弱いアイザックなんて彼じゃない、絶望を己の力だけで突き進むのが彼なんだ、と声高に叫んだはずだ。

私を含め、DeadSpaceファンが全く批判しないのは、全てに於いてアイザックが中心にいてくれたからである。
もうBIO HAZARDが示したテキストは古い。
BIO HAZARDはQuakeであり、DeadSpaceは遅れてやってきたHalf-Life、そう位置づけるのが正しい。
彼こそサバイバルホラーの救世主だ。
ここから変化する色合いを楽しもうじゃないか!!



最新作が来年初頭に発売される。
トレイラーには彼が写り、そして得体のしれない巨大な敵と戦闘をしていた。
まぁ、彼なら問題はないだろう。
明らかに強力に進化していたのも見受けられた。
そろそろ彼は死ぬべきだ。
このシリースはアイザックによって支えられてきた。
彼でなかったら新時代のサバイバルホラーは夜明けを迎えられなかったし、ずっと古いテキストを参考にしたパクリゲームで市場はウンザリしていただろう。
私は"彼"にそうなって欲しくはないのである。
テキスト化された"彼"が活躍するシリーズなんて見たくはない。
アイザックが退場するということは、終わりではなく再誕に繋げて欲しい思っている。
DeadSpaceがGears of WarやHaloのようになっていくのは誰も見たくはないはずだ。

アイザック、君だからこそシリーズは最高になってくれた。
君がいてくれたから安心したサバイバルだったよ。
君だったから安心しきってしまったんだ。
これ以上、私に言わせるのは酷だろう。

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Dead Space レビュー

Dead Space 2 レビュー

PlayStation 2の日本国内での出荷が完了


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2012年12月28日、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のPlayStation 2本体紹介ページにて、プレイステーション2の日本国内での出荷が本日で完了したことが告知された。これにより新品は市場に残っているもののみとなる。



発売された年が2000年なので、実に12年間も市場を席巻していた家庭用ゲーム機のPlayStation 2。
その歴史が今日で終わったことになる。
全世界での累計販売台数は1億5000万台以上とも言われている偉大なハードであるが、実は私個人としては不満があった。
まずハード自体がデカかった
私が所有していたPS2は2000年に発売された最初期のモノで、サイズも大きいし騒音もした。
思い出すのが、コントローラーが10分で使い物にならなくなった事で、今でも笑い話に使用させてもらうほど最高にクレイジーなエピソードだ。(その後コントローラーを4本も買い直すことになった)
ただし、本体は壊れなかった。今でも動く。

『Gran Turismo 3 A-spec』というタイトルを知っているだろうか?
別に知らなくても良いし、プレイしろ!!なんて言わない。
発売したのが2001年だし、コレ以上に面白いレーシングゲームなんて今ワゴンセールでも買える。
しかもLamborghini Diabloのメーカー名も無いし、グラフィックスだって11年前の汚いゲームだ。
だが、プレイしなかったらレースゲーム全般はしなかっただろう。
とても考えられないね…
とにかく偉大なシリーズ最高傑作はPS2で発売された。しかし、その続編も良いゲームで…



少し話は逸れるが、現行機(PS3、Xbox360)のゲームは昔に比べて遥かに優れたソフトが多い。
KING'S FIELD ⅣよりDemon's Soulsの方が優れている、当たり前だ。
Gran Turismo 4よりForza Motorsport 4、コレも事実だ。
だが我々PCゲーマーは知っている。
Demon's Souls、Forza、Gears of War、Haloより優れたタイトルを。
ソレラは一体何を参考にして創られたのか?一体誰のインスピレーションだったのか?
私がわざわざ説明するまでもない。
そもそも此処は『午後のPCゲーム』なので家庭用機について言及するコラムは控えるべきだろう。
ただPCゲームユーザーとして、最高のゲーム機にお別れを言いたかった。

ありがとう
2000年という時代は間違いなく君達の時代だったよ
それが一番重要な点だ


最後のPS2

DEAD SPACEのアイザックさんがフィギュア化するようです

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アメリカ在住のゲーマーが
「おー、じーざす。デッドスペースのアイザックが日本の会社から発売されるんよー」
とか言っていたので、気になって調べてみたら本当にフィギュア化する気らしい。
彼曰く、アイザックのフィギュア化は過去に何度か行われたらしいが品質の問題があり、ファンの間では不満だった模様。
アイザックさんのフィギュアとか誰が喜ぶんですかね?

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画像が小さて申し訳ない。
しかし、なんだ、この圧倒的な品質は!!
この製品を手がけたコトブキヤは品質の面では圧倒的らしく、海外でも多くのファンを喜ばせているようです。
アイザックさん需要が海外であるらしく…と言ってもコアな人だけと思いますが…
私は海外ゲームをプレイする機会が多いので『Deadspace』は知っていますし、2作品ともレビューをするくらい好きなタイトルです。(DeadspaceレビューDeadspace2レビュー)
しかし日本では発禁を食らったグロいゲームですし、日本で有名なタイトルでは無いと思うのだが。
国内でも販売するようなので、きっと日本にもコアなアイザック信者がいるのでしょう。
どうしようかな、若干欲しいような、欲しくないような…

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このアイザックさん、仕様がDeadspace3のスーツのようです。
そう言えば最新作『Deadspace3』の予約が始まったりしていました。
恐らくポーズも最新作の1シーン再現なのでしょう。
関係ありませんが、アイザックさんの職業はエンジニアです
軍人でも特殊部隊上がりのコック長でもありません。
まさかとは思うけど忘れている人はいないよね?

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Deadspace2からイケメン化した作業スーツですが、最新作のスーツ造形も素敵すぎます。
私の友人も買うようです。

「日本人がアイザックをフィギュア化してくれるなんて嬉しいんだぜ」

そんなに感激するようなニュースなのか…

コトブキヤのアイザックさん

クリスマスに贈るヤケクソFPS

クリスマスとは、イエス・キリストの降誕(誕生)を祝う祭

そんな25日に最も程遠いゲームはSerious Samしかない。
と云うことで初めてSerious Sam3のマルチプレイをしてみた。

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日本よ、コレがFPSだ!!

あまりにも難しい難易度で有名なSerious Sam3だが、最終レベルはノーマルでも非常に難しい。
敵の量が多すぎて、ヤケクソゲームとしか言いようがない。
クロアチアのゲーム会社はパフォーマンスを一切に無視して、この最高のヤケクソを演出したため、
真面目なFPSプレイヤーほどSerious Sam3を嫌う傾向にある。

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爆炎で見えないと思うが、奥の渓谷にはあり得ない敵が突撃をしてきている。
10人によるCOOPなのだが、コレでも圧殺されてしまうことがあるのは最高難易度なのだ。
『協力プレイで他のプレイヤーを助けよう』
と考えない方がいい。
自身が生き残るのことだけを考えろ。
一旦敵の波に飲まれたらまず助からない

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シングルプレイに於いて、数多くのプレイヤーの心をへし折った最終シーン。
協力プレイとはいえ、その圧倒的なヤケクソに仲間が次々に爆殺されていく…

このゲームこそ世界で最も12月25日にプレイすべきではないタイトルだ。
ヤケクソ、虐殺、絶望、タコ殴り、悲鳴、爆音、派手な演出なし、平穏なし、アメリカ万歳なし、暴言有り…

俺がてめぇらヘタレエイリアン共を1人残らずティ-バックにしてやるまで、終わりじゃねぇ。
                -サム“シリアス”ストーン- (Serious Sam)

                     メリークリスマス

World Guide to Beer ウエストフレテレン アプト12

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第31回 【世界最後のビール】

まさか自分の人生でWestvleterenが飲めるとは思わなかった。
これは、このビールは、正に人類が生んだ飲み物の終着点に限りなく近い存在である。

今回紹介をするビールは大変にレアな銘柄であり、本ビールコラムの2012年の最後を飾るスペシャルな企画としては最高な存在だ。
知っている人には退屈な内容かも知れないが、書き手が興奮しているだけの記事にはしたくはないので丁寧な説明を長々とさせて頂きます。
よって通常のビールコラムのモットーである『ビール知らない人でも気軽に読める記事』ではなく『マニアックな話を丁寧に、そして興奮しながら読んでいただく』形式です。
少しでも『面倒なコラムそうだな…』と感じたらブラウザを閉じることを推奨します。



この銘柄を説明する前にベルギーのビールの特徴や修道院について今一度復習をしていきましょう。
ヨーロッパ・ベルギーには国内に数多くの修道院が存在し、ビール製造を引っ張ってきた歴史がある。
中でもトラピスト修道会が生産するトラピスト・ビールは特別視されており、本コラムでも幾つかの銘柄を紹介してきた。
しかし、トラピスト修道会とは一体何なのだろうか?
まずはそこから覽ていこうじゃないか。

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パッケージの存在感がヤバイ

トラピスト修道会の起源は17世紀まで遡る。
フランス・ノルマンディー地方にラ・トラップという街があった。
ここにランセという名の修道士が1つの修道院を作ったことが起源とされている。
ベルギーはトラピスト修道会が発足するかなり以前から宗教がビール作りを主導してきた。
理由は様々な点から考察することが可能なので、詳しい話は今度書くとしよう。
仮に宗教という1カテゴリーでトラピスト・ビールを観たのなら新参者という風にも捉えることが出来るのだが、トラピスト修道会の源流は厳律シトー会(Ordo Cisterciensis Strictioris Observantiae)なので1000年以上の歴史がある1派閥だ。
カトリックにおいて厳律シトー会は非常に特殊な立ち位置にある派閥で、一言で表すのなら
『司教の行政干渉を受けない免属修道会の特権を受けている』、つまりメチャクチャ影響力を保持している事になる。
ココらへんの宗教話は私自身が苦手な分野なので、もしかしたら多少の勘違いがあるかもしれない。
要は特殊な派閥に属している方々が特殊なビールを製造しているという認識でOKだ。
さてこのトラピスト・ビールだが、品質に拘り過ぎていたために生産量が少なく諸外国の間でも謎に包まれた存在だったようだ。
又、修道院という体質上、秘匿性が非常に高いこともありベルギー国内でも評価はされていたが謎な部分のほうが大きいという感じではあったらしい。
確実に言えるのは1970年以前のトラピスト・ビールは
『なんだが凄い人達が凄いビールを少量生産しているぜ!!でもナゾだらけなんだぜ!!』
という認識であった。
しかし1つの問題が修道院を悩ませます。
それはトラピスト・ビールの真似をした銘柄が国内に溢れたことである
冷静に考えればコレほど美味しい商売はそうはないでしょう。
なにせネームバリューの大きさは利益に直結します。
困ってしまったトラピスト修道会のオルヴァル修道院は1962年に法的な保護を申請し、それ以降のトラピスト・ビールは国内で大切にされてきました。
それでも諸外国の間ではマニア向けなイメージが強く、まだまだ謎多きビールだったようです。
1976年、『World Guide to Beer』という偉大なビール本が出版されます
著者Michael Jackson(1942 - 2007年)氏の凄い所は、当時世界的に見ても珍しいとされていたベルギービールとベルギー文化を自分の力で調べ、それを纏めたことにあります。
彼の功績はあまりにも大きかったため、ベルギー政府は彼にメルクリウス勲章を授与している。
因みに同姓同名のアメリカ人歌手Michael Joseph Jackson氏とは一切に関係がないのだが、彼がKing of Popと称されたため、ビール界のMichael JacksonはKing of Hopと称されていた。
彼の功績によりベルギービールが世界に躍進していくことに繋がった。
今、私が色んなベルギービールを飲めるのも彼のおかげなのだ。

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箱の横にはラテン語で説明書きがなされている。ラテン語、勉強するかなぁ…

ベルギービールが他国と変わっている点は多い。
最大の理由がベルギー国内でのホップの生産量が限りなく0に近いという事だ。
意外かもしれないが歴史的に見てもビールとホップとの関係は未だに良く解っていない。
随分昔から入れていたという資料もあるらしいが、確定的な資料が見つかっていないために歴史の年代で何処の人達がホップをビールに使用する定義をしたのかは解らない。
一応、ビールの研究家の間ではフライジング司教区の記録からホップ菜園と思われる単語『フムラリウム』が出てくるので855年までにはビールに使用されていたという意見が強い。
(しかし調べてみると768年にヘピン王がホップ菜園について述べていたりするので、私の仮説は700年初期だと納得ができる)
勿論だが、ベルギービール文化の根底にはホップはなかった
次に自由すぎる点である。
ホップを使用しない(もとい生産すらしていない)のでわりかし自由に様々な材料をビールに入れていたらしい。
例えばハーブだったりフルーツだったり、普通ではまず入れないものをビールに使用していた。
特に変わっているのは砂糖を発酵するのに使用していることだ
ここで気をつけねばならないのが、砂糖を発酵に利用したのはベルギー人だけではない。
実は英国も同じ手法を編み出しており、決してベルギー人だけの専売特許ではないのだ。
ただし、英国人は砂糖による発酵を好まなかったようで、その点に関してはベルギー人のほうが進んだ知識があったようである。
この『発酵手段』の多さがベルギービール最大のポイントで、ある意味『発酵大好き民族』とも言える。
どういうわけかは知らないが、ベルギー人はビールにおける低次の発酵を嫌い、2次、3次発酵させまくったほうが良い、と考える傾向にあるらしい。
そのため他国のビールと異なり、味が強烈に濃い銘柄が多く臭いもキている。
その結果、アルコール度数も高い銘柄が多く、わりかし世紀末ビールなのである。
飲めない人には非常に厳しいのもベルギービールの長所であり特徴なのかも知れません。
まぁ、私は大好きなんですけどね。

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ビール6本と専用グラスが2つ付属してきます

話をトラピスト・ビールに戻そう。
世界に7箇所しか無いというトラピスト修道会だが、簡単な特徴を見ていこう。

1.シメイ(スクールモン修道院)
トラピスト・ビールを最初に市販した最古参。
3つの銘柄を生産しているが生産量が多いため、入手は容易だ
過去に3つともコラムにしているので気になる方はビールまとめから第3、7、8回を参照してくれると嬉しいです。
レッドが一番無難だが、キャラクター性で言えばブルー、ホワイト君は再試飲が必要かな。

2.ウェストマール(ウェストマール修道院)
本コラムではトリプルのみを紹介している。
高アルコールビールの代表にして、原点的な扱いを受けることが多い。
味が味なので、人を選びます。
入手難易度は中。
実は探せば見つかる銘柄なので諦めてはいけない。

3.ロシュフォール (サン・レミ修道院)
3銘柄を生産し、コラムではロシュフォール10ロシュフォール8を扱っている。
一言で表すと
味が濃すぎるのが好きな方、かつ高アルコール野郎向けの変態ビール
最強に味がぶっ飛んでいるので、私好みである。
よって2つの記事でも高評価的な書き方をしている。
入手難度は高く、特にロシュフォール6という銘柄は超レア。
探しているが中々見つからないんだよなぁ…

4.オルヴァル(オルヴァル修道院)
一番入手しやすいトラピスト・ビール。
コラムでも書いたが味が時間とともに凄まじく劣化する銘柄。
そのため買うのは簡単だが、本物の味にたどり着くには運か信頼出来る店を確保するかの2択。
直接ベルギーに買いに行くのが一番安心できる方法ではあるが、現実的な意見ではないだろう。
ビール瓶のデザインがゲームに出てきそうな感じで、凄く雰囲気がよい。

5.アヘル(ベネジクトゥス修道院)

アヘル・ブロンドを紹介している。
コラム内でも言っているが、トラピスト・ビールの中では新入り。
恐らく仲間内では最もビールらしいビールという味付けである。
誰にでも愛されるので興味が有るのなら購入候補に入れても間違いはない。
ただし若干だが入手難易度は高く、専門店でも扱っていない事もたまにある銘柄。

6.ラ・トラッペ (コニングスホーヴェン修道院)
とにかくややこしい修道会で、一度理由がありトラピストビールの名称とロゴの使用を取り消されている。
今は再びトラピスト・ビールの生産許可があるため、精力的に生産している模様。
実はまだ飲んだことがないのだが、銘柄自体は確保済み。

7.ウエストフレテレン (シント・シクスタス修道院)
今回紹介するウエストフレテレン アプト12を生産している修道院。

このウエストフレテレンは大変に特殊な銘柄で、通常の方法では買うことが出来ない
銘柄を購入する手段は直接買い付けのみで、しかも販売時期は院前の看板で貼り出されるだけ。
年間の総生産量は500kリットル以下なため、入手難易度は最高レベルになる。
ビール販売に関しても制約が非常に多く、買うにあたり
『転売の禁止、買い占めの禁止』
が徹底されているために一般の市場に出回ることはゼッタイに有り得ない。
ビール製造から販売までをすべて同院が行うため、販売業者による卸売もされない。
シント・シクスタス修道院はトラピストビールの商業的な販売には消極的で「訪れた人にできるだけ買う機会を与える」をモットーとしてためか銘柄としての希少価値が非常に高く、また利益のためのビール増産も一切にしないと言う。
ジョリス修道士曰く
「販売増を目指しての増産はいたしません。醸造に関わる同士を増員することもいたしません。外部からの人間を雇うこともいたしません。」
国際的なビールランキングにおいて最優秀賞を受賞した経緯があり、同院に注目が集まったが未だに態度を変える様子はなく、相変わらず入手不可能な銘柄としての地位がある。
生産量が極めて少ないことと、非常に秘匿性の高い2つがあるためビール好きでも一生飲めない人がいる程、超激レアなのである。
もう手のうちようがない…
そうコレまでは、の話だが…

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管理人はこんな状態でした

2011年に特例が発動された。
この幻のビール、ウエストフレテレンがベルギー国内で限定的ではあるが一般販売されたのだ。
同院の修繕をサポートするための費用と云うことではあったが、セットは2日で完売。
ベルギー国内は混乱の極みに達した。
そして2012年、日本でウエストフレテレンがセット販売されることになった。
日本限定販売される経緯は不明だが、今回も少量のセットの売上が修繕費として賄われる。
このビールセットはウエストフレテレン アプト12が6本と専用グラス2つがつく。
当たり前だが、この機会を逃した場合、貴方が飲める可能性は絶望的だ。
探せばまだ国内で販売しているようではあるが、時間がないので欲しい方は急いで入手した方がいい。

さぁ、さぁ、さあ

飲んでみましょうか
伝説のビール、ウエストフレテレン

色は非常に濃く、沈殿物が多い。
匂いが強烈で、腐った洋なしと若干の何かしらのフルーツ臭が凄まじい。
ヤバイんじゃないか、これ?
口を近づけると甘いアルコール感がビンビンにする。
飲むのが怖いので、私は一旦グラスをテーブルに置き直したほどだ。
しかし、私には恐怖ではなくワクワクしかない。
味は、非常に甘く、かつ苦さが直ぐに威力を発揮するタイプ。
甘さは完熟された洋なしに近いものがあるが、本当に味の濃い甘さで
体感的には砂糖を舐めるよりかも強烈な甘さだ。
苦さも非常に濃い。
ブラックコーヒーとビターチョコレートのような苦さが素晴らしいのだが、苦さが遅れてやってくるため
味の変化が凄まじいレベル。
化学反応式で記述できるんじゃないかというようなハッキリとした変化を感じることが出来るため、非常に舌に残る。
これだけ強烈な甘さと苦さを持つのにバランスが完璧なビールは本当に珍しい。
酸味は殆どないが、喉越しは絶望的に無い。
というよりドロドロした呑口なため、最初から喉越しを求める銘柄でもないだろう。
当たり前だが炭酸も殆ど無い。
あったとしても味が濃すぎるので解らないだろう。
世界一に選ばれたのも分かる。
これだけ、口の中で激しいエンターテイメントをしていれば希少価値があろうがなかろうが関係ないレベルだ。
アルコール度数は10.2%だが、あまり感じられなかった。
コクがあるのでアルコールが上手く溶け込んだのだろう。
端的に表すのなら、そうだなぁ…

世界最後のビール

という印象だろうか。
飲んだ方はなんとなく理解してもらえるのではないだろうか?

Westuleteren12 5 10

私たちは歴史の中で随分と長いこと内戦をしてきました。
戦国時代が終わり、平和な時代が長く長く続いたため文化的な成長や躍進もあったでしょう。
もしかしたら鎖国していたことも大きかったのかも知れません。
外国の侵略も受けませんでしたし、同一民族で長い事、仲良くやってきました。
私達が優れていたのは、文化の保護に関してとりわけ良かったことにあります。
古い寺院や建物、その他芸術的な品や文化は壊されずに生きてきたのです。
正確には、我々の祖先が保護してきたのです。
今、ベルギーの修道院が修繕費で困っているのなら助けるのが日本人としての在り方だと考えます。
こう書くと1人のビール好きが珍しいビールを手に入れたことへの弁明に聞こえるかも知れませんが、別にどう思われようと構いません。
結果的に私はシント・シクスタス修道院に寄付をし、それは同院の役に立ったはずです。
このような素晴らしいビールが飲めるということは1人のビール好きとしてではなく、極東の文化保護憂愁国家国民としての考えがあったからに過ぎません。
同院の長い繁栄を心から願っております。

次回『Guinness must die』

プロフィール

ばりー

Author:ばりー
PCゲームとビールを愛するおっさん
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