チュートリアルの不在(中編)

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FPSは敵を倒すだけのゲームと結論づけても多くのゲーマーは納得するだろう。
そのため主人公キャラクターに与えられたアクションは多くはない。
大抵は撃つ、狙う、しゃがむ(匍匐)、ジャンプの4アクションさえあればクリアできるようにデザインされています。
よって基本的にチュートリアルで教えることが無いといえるジャンルです。
例えば、Call of Duty 4のチュートリアルは最悪クラスだ。
最初のミッションは映画的なアクションシーンを多用したCoDらしさ溢れるプレイなのだが、何故か次のミッションでチュートリアルをさせる。
順序的にもおかしいが、このチュートリアルの質が残念なため必要性を感じない。
そもそも前のミッションで狙って撃つことが出来たからプレイヤーはクリアできたので、操作を解っている人向けでも分からない人向けでもない。
強いて言えば、会社の上司向けのプレゼンテーション用に制作したのだろう。
全くプレイヤーのことを考えていない。
まだロシアで上官に向かってじゃがいもを投げ散らかしていたCoD2の方が丁寧なチュートリアルだ。
しかし一部のタイトルはチュートリアルがしっかりしていないと非常に困る。

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RedOrchestra2:Heroes of Stalingradはリアル系に属するFPSなのだが、この手のFPSは考え方から変えないとプレイすることは難しいだろう。
RO2では専用のチュートリアルを用意し、プレイヤーに数々の操作を教えてくれる。
ここで重要なのは、このRO2の仕様が複雑な点だ。
まず、このゲームは1発の被弾でも即死する
そしてアクションの総数が他のタイトルに比べて多いのが特徴なため、生き残るには其れ等を知っていないと駄目なのだ。
このゲームではHUDレスが徹底的に行われており、画面上にプレイヤーが有利になるような情報は表示されない。
残弾数からマガジン容量、簡易MAPが表示されないだけでもプレイヤーにとっては異種FPSとなる。
そのためそういった情報を確認するコマンドが存在し、プレイヤーは使いこなさねばならないのである。
ライフルの射撃から残弾確認方法、スナイパーライフルにおけるアイアンサイト射撃、さらにはMG34の銃身交換等、普通のFPSには無い事柄が多いのである。
よってしっかりとしたチュートリアルを設けたのは正解といえるだろう。

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逆に考えるとSerious Samのような純粋なFPSでチュートリアルは邪魔なだけだ。
チュートリアルの目的は『プレイヤーにゲームを理解させる』ことだけであり、理解してもらえるのならある程度は雑な説明でも何とかなる。
目の前から

AHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH

と叫びながら近づいてくる爆弾を持った敵がいたら誰でも射撃する。
それが開発の言うチュートリアルならチュートリアルなのだ。
よってわざわざ眠たくなるようなチュートリアルを設けなくてもFPSは何1つとして問題ない
設けなければならないのは一部のリアル系かそれに準じた作品、特殊なアクションがゲームプレイに大きく影響する特殊なFPSタイトルだけだろう。

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チュートリアルの不在(前編)

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ゲーム作品におけるチュートリアルは、プレイヤーがゲームを円滑に進めるための重要な要素だ。
しかしながらチュートリアルはゲーム開発者とプレイヤーによって熱心に議論されている案件ではない。
そこで今回、私はこのチュートリアルに関する自身の考えと考察をコラムにしてみました。
まず私の疑問は『そのチュートリアルは必要なのか?』という議題にあります。

単純に考えて、チュートリアルとはルールを知っているプレイヤーにとっては不必要な情報です。
例えば、FPS中級者にとってのルール説明なんて退屈すぎてプレイヤーに寝る時間を与えるようなものです。

①敵が居ます
②敵を倒すのが本作のルールです

そんな事を教えてもらうなんて馬鹿げたことですし、大抵の場合だと私はスキップします。
一刻も早くプレイしたいですからね。
これはPCのソフトウエアに非常に良く似た現象なのです。
『このアプリケーションは文章を書けて、なおかつ保存も可能です』
知ってるから買ったんだよ、クソッタレが!!
Microsoft Wordのチュートリアルなんてあっても参照しないし、それに準じた機能を一体どれだけのユーザーが利用したのでしょうか?
極論するとゲーム本編で操作やルールを覚えれば良いだけで、チュートリアルは不在のほうが印象は良くなります。
Headcase Game在籍の開発者Ron Alpertはゲーム開発者から観た意見を述べています。
「最近のゲームは、プレイヤーにステップバイステップのチュートリアルを押しつける傾向があります。
1つ1つの順を追ってゲームの基本的な仕組みを説明し終わるまでは、プレイヤーはゲームを楽しむことができません。これは、ゲームの第一印象における経験的な側面が損なわれてしまう気がします。」

(出典:Game Interface Design)

ここで考えるべきは、『誰が論じているのか』です。
このコラムを書いている管理人"ばりー"は様々なゲームジャンルに手を出すため、大抵のルールは知っていることになります。(勿論、全てのゲームをプレイし終えたゲームマスターではありません)
つまるところ、この記事は不公平なのです。
この考えを突き詰めると、ゲームプレイは上級者だけの遊び場になってしまいます。
どうもこの事柄は幾つかのゲームを分析する必要性がありそうです。

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膨大なデータと操作量が勝負を決するRTSは、チュートリアルの存在が他のゲームよりも大きいです。
なにしろRTSはゲームデザイン自体が大変に難しく、PCゲーム界隈でも最も難しいゲームジャンルに属しているとの意見が一般的なのです。
このジャンルにおいて『知らない』という事柄が1つでもあったとするのなら、それだけで凄まじいハンデとなり得るため、総じて上級者だけのゲームという作品が多いのも事実です。
そこでCompany of Heroesでは2重のチュートリアルによって初心者を助けています
まずRelicは2種類の初心者を考えました。

【RTSって何?全然わからないよ】…このタイプの初心者はジャンル特性から操作、ルールに至るまですべて教える必要性があります。
そこでCoHでは超初心者向けのチュートリアルを内蔵させました。
このチュートリアルは大変に丁寧で、どちらかと言えばRTSを初めて触るプレイヤー向けに作られた感があります。
ここで基本的なことだけを全て教えました
よってチュートリアルなのですが、完了するのには時間が掛かりすぎているという欠点がありました。

【初心者だけどチュートリアルは面倒だぜ】…初心者なのに丁寧なチュートリアルをすっ飛ばしてきたプレイヤーです。
この手のプレイヤーが必ず存在することをRelicは知っていました。
そこで1つのトリックを仕掛けたのです。
まずCoHではメニュー最上段にアメリカ軍キャンペーンがあるため、余程のことがない限りはプレイヤーは最初にアメリカ軍からプレイします
その最初の作戦はオマハビーチ上陸作戦なのですが、このミッションでやや実践的なチュートリアルを盛り込みました。
実はCoHのデザインから言っても、このミッションの自由度は低く設定されており、指示どうりの操作をこなさないとクリアが難しいようになっています。
つまりRelicの主張はこうだ。
「お前は初心者のくせにチュートリアルを飛ばしてきたバカ野郎だが今回だけは助けてやろう。
だいたいのゲーム内容と操作は理解しただろう?だから次のミッションからは甘え無しの展開が多くなるから覚悟しとけよ」

実際の所、アメリカ軍編はゲーム全体から見てもヌルい難易度で、初心者でもなんとかなる局面は多いのが特徴です。
CoHが上手なのは、選択制の超初心者向けチュートリアルと実戦向けのチュートリアルの2つを採用した点にあります。
これによりRTS中級者はアメリカ軍編の1面を我慢さえすれば、ゲーム内容と操作の仕様が分かる仕組みです。
オマハビーチ作戦の質も高く、多少の自由度の低ささえ目をつぶれば退屈さは感じない展開なのもGoodです。
勿論、知っているプレイヤーはいきなりドイツ軍編から始めても問題はありません。
このゲームは徹底的にチュートリアルを飛ばしたいプレイヤーとそうではないプレイヤーの双方にやさしい作りなのです

しかしRTSとは難しいジャンルなのでチュートリアルはあったほうが無難とも考えられます。
ではもっと単純なジャンルだと上手く機能するのでしょうか?

次回

Voxelstein 3Dをプレイ

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Wolfenstein 3Dは最初のFPSであり、かつ何度も何度もリメイクされてきた。
それに伴い様々なWolfensteinモドキも存在している。
だがVoxelstein 3Dはちょっと普通じゃない。
控えめに言っても製作者のKen Silvermanは頭がオカシイ。
でなければ高尚なデザインを持った将来のJohn Romeroか…

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基本的にはWolfenstein 3Dと変わらない。
ただボクセルベースによる完全破壊が可能なため、従来のFPSと考えを変えたほうがいい。
一本道の脱出劇ゲームと思いきや、いきなり鉄格子を破壊する事が可能。
というよりMAP破壊をしないと先に進まない。
最初はナイフしか所持していないが、探索すれば拳銃やダイナマイトを発見することが出来る。
勿論、敵との戦闘もある。

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Minecraftとの最大の相違は、破壊だけに特化されていること。
建設なんてモノは出来ないし、そもそもこのゲームは全体的に作者のセンスが凄まじい。
『ナチスとゾンビは何してもOK』というのがFPSの基本なのだが、明らかにゲーム内に存在するオブジェクト類の選択が…その…病んでいる。
緑色の得体のしれない何かが洗面台にあったり、某殺人鬼が壁紙になっていたりと凄まじいセンス。
このようなゲームはいくら優れていても製品化が難しいだろうし、おそらく作者自身も好き勝手にやるという意志のもとに制作したのだろう。

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自由度に関しても凄まじい。
例えば、鍵のかかったドアがあったとしても問題はない。
時間はかかるがドアを破壊すれば、そこを通過することが出来る。
MAPを破壊しまくれば最短ルートを確保しながらクリアすることが可能なデザインだ。
どうも作者的にもMAP破壊してほしいようだ。

しかしまだ作りが雑な部分も目立つため、β臭がするゲームだ。
なんにせよ、この作者は大物デザイナーになるかゲーム以外の世界で活躍するか…もしくは病院に行くか…
他の人にオススメもし難いゲームだが、アイデアに詰まっている人はプレイしてみてもいいだろう。
奇抜、奇妙な作品、それがVoxelstein 3Dだ。

公式

すぺーすまりーんはつよい ふぇいず7

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ズダダダダダ、ズダダダダダ
Get some!!Get some!!
year,year,I got you motherfucker!!


Anyone who runs, is a Orc.
Anyone who stands still, is a well disciplined Orc.

Suika「Any women or children?」

Sometimes!!

Suika「How can you shoot women and children?」

Easy. You just don't lead them so much.

FUHAHAHAHAHA

Ain't war hell?

HAHAHAHA!!


そんな感じのゲームです。

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またよく解らない施設に突入したスペースマリーン一行。
武器選択に関しては自由度が高く、バランスも整っている印象。
とりあえずハンマーが最強すぎるので、遠距離武器の使用頻度がガタ落ち。
しかし無理に突撃をすると死ねるので、ちょこちょこ使う。
弾薬たっぷりなゲームバランスなので撃ちまくりのほうがいいのか?
雰囲気的にはラストダンジョンっぽいが…

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                          !!

え、ちょっと、ちょっと
この超展開は何なんだ?
後半戦で異世界住民と戦闘とか某有名FPSかよ。

The Art of Dead Space 書評 

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そのスイス人が完璧主義者であった事が大きな原因であった。
新米映画監督リドリー・スコットの悩みは美術部門に掛けた膨大な予算にあった。
当時、映画産業が振るっていたとはいえ、あまりにも金が掛かりすぎていたし自身の意見を曲げぬ美術部門の完璧主義者が20世紀フォックスと対立をしていたからだ。
結果、そのスイス人が解雇されたが、今度は別の問題が起こってしまった。
誰1人としてHans Rudolf Giger(H.R.ギーガー)の後継を努めることが出来なかったからである。
こればっかりはフォックスも困り果ててしまったため、再度Gigerを雇い入れ、ようやく映画『エイリアン』の撮影が開始された。
Gigerのアートは徹底されたモノトーンにある。
黒を基調とした世界と、そこに住まうクリーチャー・デザインは、あまりにも非現実的ながらも不気味な命を感じることが出来る。

この手のアートでもう1人の天才が日本の漫画界にいる。
『BLAME!』、『BIOMEGA』の著者である弐瓶勉は違う世界からやってきた住民なのだろう。
でなければ機械と生命が一体化した幻想的な生態系は描けないのだ。
彼の漫画は基本的に『説明されない』
その生命が何であるかだとか主人公に関しての事柄や、ストーリーに関しても謎が多く存在する。
よってこの人の描く世界観は説明不能の魅力がある。
実はGigerも機械と生命の融合を絵で表現をしていたが、弐瓶勉はさらに感情をキャラクターに与え、そこに魅力的なストーリーを完璧に遂行した。

この2人に共通することは『不可侵なセンス』にある。
Gigerの映画エピソードが物語っているように、2人の創作物は他者では決して真似ができない。
無理に真似をしても、どれ1つとしてエイリアンや巡回査察員にはならないのである。

この不可侵なセンスに1人のエンジニアが入ってきてくれた。
Dead Space初のアートブック『The Art of Dead Space』は同シリーズに於けるキャラクター、ツール、クリーチャー、文化、背景といった多数のアートを掲載している。
キャラクターに関しては主人公Isaacやスーツ関連の絵コンテと説明がなされている。
ツールに関しては細かな設定や絵コンテが掲載、勿論プラズマカッターを構えたIsaacさんも登場。
そしてクリーチャーだ。
Dead Spaceは音響によって各種クリーチャーに独自性を持たせることに成功をしている。
ゲーム中でもドアの向こう側から、奴らの雄叫びが頻繁に聞こえるためにプレイヤーは絶望をする。
キシャー、ウギャー、ハァ…ハァ…、ドスドス
どれもクリーチャーに与えられた固有の音響であり、これがゲームデザインと見事にマッチしていたのである。
このアートブックに掲載されているクリーチャーの中でも一番のお気に入りはHunterだ。
なにしろ不死身属性がある厄介な敵だ。
それが本書では大きな絵とともに現れ、まるでエンジニアに退治されてしまい本の中に閉じ込められてしまったかのような存在感がある。
他のクリーチャーデザインも頗る良い。
骨を強く主張させた造形が多いのがDead Spaceの敵の特徴で、そこに得体のしれない臓器を盛りつけている。
生理的に恐ろしいデザインだ。
ファンにとって嬉しいのは各シリーズの舞台となった場所に関しての情報が多いこと。
例えばMarkerLab,lunar colony,勿論ISHIMURAも完備だ。
アートブックだけあり、Isaacが移動する絵や戦闘するシーンも多く、見ていてワクワクさせられる本になっている。

このThe Art of Dead Spaceを楽しむには全てのシリーズをプレイしている必要性がある。
何せ192ページもある大型本だ。
紙質も重いものが使用されているために重量感はあるし、1枚の絵に魂が篭っている。
こんなファンブックは本当にシリーズが好きでないと読めない。
しかし、コアなファンは喜んでも大丈夫だ。
The Art of Dead Spaceの素晴らしさは私が保証しよう。



Ripley(もしくはエイリアン)、庚造一、Isaac はたして誰が一番なのか?
でもそれは決めることが出来ない。
この憂愁なキャラクター達は、それぞれの不可侵なセンスによって守られている。
だから真似もされないし、されたとしてもオリジナルには絶対に勝てない。
少しズルいキャラクター達だ。

プロフィール

ばりー

Author:ばりー
PCゲームとビールを愛するおっさん
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