ATARI GAME OVER 感想

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1945年、アメリカ・ニューメキシコ州ソコロ。この砂漠地帯で行われた新型爆弾の実験は、後の核兵器の到来を予期するものであった。事実、トリニティ実験から一ヶ月後、原子爆弾は極東に投下された。以降、この地域は、アメリカ軍管轄の軍事技術を実験する場となり、ミサイルやジェットエンジンを試験評価しているという。
1983年、アメリカ・ニューメキシコ州アラモゴード。ATARIは大量に売れ残った恐るべきクソゲーを埋葬した。以降、この地域は『Atari video game burial(ビデオゲームの墓場)』として半ば伝説化している。



映画脚本家Zak Penn氏が、TVゲーム機ATARI 2600用に開発された史上最悪のクソゲー『E.T.』が、本当にアラモゴードに埋められたのかを検証するドキュメンタリー映画である。内容は大まかに3パートに分けることが出来る。

発掘に挑戦する者:Zak Pennは伝説のクソゲーを発掘するために、その道のプロフェッショナルを雇い、詳細な採掘計画を立てる。何せE.Tが埋められたとの情報は都市伝説化している上に、情報が少ない。しかし新聞記事に掲載された写真から採掘ポイントの候補を絞る。そして市に採掘の申請を出す。
我々はクソゲーを掘り起こしたいのです!!
この地域の特殊性や安全性の面から、或いはクソゲー採掘への偏見から許可は中々に下りない。しかし、理解ある市長がついにGoサインを出すと、彼らは重機を広大な砂漠地域に持ち込み、ついに作業を始めた。果たしてE.Tは見つかるのか。

当事者たち:そもそも、何故にE.Tは市場に売り出されることとなったのか。このソフトを開発したHoward Scott WarshawはATARI随一の天才ゲームクリエイターであった。誰もが認める凄腕であった彼は当時の状況を振り返りつつ、その後、ゲーム業界から追放された経緯を語る。またATARI創設者にして「ビデオゲームの父」と称されるNolan Bushnellは、業界や社内の様子を語り、Manny Gerardはワーナー側として、ゲームそのものや契約、経営について説明をする。ゲーム黎明期に活躍した業界人は、E.Tを、ATARIをどのように見たのか。

評論家たち:ある者は冷静にゲーム市場を分析し、学問の立場からE.Tについて考える。また別の者は、デロリアンの助手席に等身大E.Tフュギュアを乗せて、自身もアラモゴードへの巡礼の旅へ。クソゲーとは何なのか、熱狂的なオタクから冷静な知識人が語るクソゲー。そして彼らはE.Tに対して最終評価を下すこととなる。これは史上最悪のクソゲーではなかった、と。

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ゲームに詳しい方なら、誰もが一度は聞いたことがあるであろうE.T。しかし、その実態はあまり詳しく語られることが無く、せいぜいネット上で『クソゲー』という烙印が押された事しか知らない人も多い。このドキュメンタリーでは、ゲーム最初期における混乱と成長を大変に詳しく説明し、時にジョークを織り交ぜながらも、真剣にクソゲーに向き合っている。中でも印象的なのは、採掘現場にWarshawが立ち会うシーンである。彼の人生を大きく狂わせたソフトでありながら、悪態を一切にせず、ただただ見つめる。泣く訳でも怒る訳でもなく、喉から表現できる声が出ずに、それでも実物を眺める元天才クリエイター。そして世界各地から集まったクソゲーマー達は列を為し、喚起の声を上げる。なんだ、なんなのだ、この馬鹿げた集団は!?たかだか埋められたクソゲーが見つかっただけなのに、どうして、こんなにも感動をしているのだろうか。傍から見ると異常な集団であるが、それでも私は彼らを支持する。詳しくは映像を見れば理解できる。かつて彼らは人生を賭け、その結果が現れたのだから、それは凄いことなのだ。

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Warshawは米国ゲーム市場を衰退させた戦犯として追放され、ATARI創設者Nolan Bushnellもワーナーによってゲーム業界から追放されることとなった。このドキュメンタリーでは明確に、最大の戦犯は何であったかについて言及をしており、そして幾つかの衰退要素はE.T発売前からあったことについても語られている。ゲーム市場を衰退させたのはE.Tではなく、他要素が同時に沸き起こった結果、そうなったのである。当事者、採掘者、批評家の3視点で描かれるATARI GAME OVERは素晴しい内容と共に、我々が知っておくべき裏側について真摯に向き合っている。

2014年、アメリカ・ニューメキシコ州アラモゴードで発掘されたE.Tの一部は世界各地にある博物館に寄贈されることとなった。都市伝説から実態のある伝説となった稀代稀なソフト。今のところ、それはE.Tだけに留まっている。

The Stanley Parable レビュー

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発売 2013年
プラットフォーム PC
開発 Galactic Cafe

我々、プレイヤーはゲームを選ぶことが出来る。仮に貴方がゲーム雑誌のライターで無い限りは、或いは広告で金銭を得ようとしなければ、商品を自らの手で選び取り、そしてプレイするかどうかの選択をする事が出来る。当たり前だ、金銭を支払うのは消費者なのだから、ゲーム会社は『自分たちを気に入ってもらえるように』アピールをする。このゲームの開発費は数百億円が投入されただの、2007年から開発しているだの、有名デザイナーが参加している、など等のアピールを馬鹿らしいほど行う。良い印象を持ってもらわなければ、消費者は靡かないから懇切丁寧に。でもWould you kindlyでお願いされる筋合いは無いよ。ここは海底都市じゃないんだ。良くあるオフィスの一室で、一人の男がゲーム開発者に立ち向かう壮大な旅が始まる!!・・・なんじゃ、そら!?

【概要はよく読むこと、いいね】
Galactic Cafe開発の一人称視点アドベンチャーゲームで、大変にゲーム内容が異質なため話題になったタイトルである。元々はHalf-Life2のModからスタートしており、そこから幾つかの要素を加えてリリースされた経緯がある。後述するが、このゲームの問題は、過去に例を見ない自虐セルフパロディだらけの構成に加え、ゲームをプレイする事への本質的な疑問をプレイヤーに投げかけていることにある。ゲーム内に於いてプレイヤーが何かを選択する事への言及をしたタイトルとしてはBioshockがあるが、これはストーリー上の分岐点として描かれるに留まっている。ところが、The Stanley Parableはそれ自体がテーマとなっており、かつゲーム進行を司る語り手が登場をする点で、相当に変わっているタイプのゲームと言える。ゲーム内で出来ることは、一部のイベントを除けば移動だけであり、敵との戦闘などのアクションは殆ど無いと考えてよい。プレイの大部分は語り手がプレイヤーの選択した行動に対する評価や感想を垂れ流しているだけであり、純粋なアクションを楽しみというよりかは、語り手の反応を見て笑う色が相当に強い。現時点で日本語版は販売しておらず、ゲーム内容から言っても英語を聞く力がそれなりに必要。恐らく、ゲーム内容の異質さから考えても、日本の代理店が絡んだり、パッケージ版が発売される可能性は低い。

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誰も居なくなったオフィスを探索するというのが目的だ

【Stanleyは正しい選択を行いました(私に従え)】
プレイヤーが操作するのはオフィスに取り残されてしまったエンジニアであるStanleyで、彼を無人オフィスから脱出させることが当初の目的となっている。Stanleyが喋ることは無く、何かしらの性格付けやキャラクター性は持っていない。これが重要な要素で、プレイヤー自身がStanleyという意味がある。更に重要なのは、Stanleyをゴールまで導いてくれるナビゲーターがいることだ。このナビゲーターに関しては一切に素性が解らず、特に名前は決まっていない模様(ここでは語り手とする)。主にゲーム進行は、何かの選択が用意されている→Stanleyが選ぶ→語り手が評価や感想を言う、流れになっている。これを繰り返していき、複数用意されているEDに到達していく事となる。選択は非常に多く、右ドアか左ドアかという簡単なルート選択から、中にはバグを用いた通常のゲームでは考えられないようなルートも存在している。1つのEDに到達する平均時間は約10分程度だが、これも例外が多すぎるので何ともいえない。初回プレイでは、多くのプレイヤーは10分程度でEDを迎えられる程度くらいに考えておこう。

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選べ

【左ドアに入りました】
右ドアと左ドアの選択をしなければならないシーンが作中にある。が、ここで注目すべきは語り部のセリフで『he entered the door on his left』(彼は左ドアへ入った)、つまりプレイヤーが選ぶ前から勝手に行動を決めていることに在る。事実、正規ルートは左であり、語り手が用意したベストEDの最初の一歩は左ルートから始まる。仮に右ルートに入ると、語り手は「Stanleyは間違えました」程度のコメントだが、何回も正規ルートを外すと次第に怒り始め、本性が現れてくるようになる。このゲームの面白さは、正に語り手を怒らせることにある。と言うのは、語り手は最初のうちは紳士的な態度で接してくれるのだが、間違いを連続する度に口調が悪くなっていく。更に正規ルートから外れていくと、悲観的なったり、プレイヤーに対して文句非難を浴びせたり、と感情豊かに怒ってくれるのである。この語り部を困らせる方法は、かなり多く、むしろ正規ルート以外の間違ったプレイを探すことが醍醐味である。個人的に面白かったのは、プレイヤーが物置倉庫に何回も入ると見せるリアクションで、これは語り手が可哀想になってくるほどの行動である。その結末は自身の目で見て欲しいが、私がこのEDを始めてみた時は大笑いしてしまった。「お前もかよ!!」と的確なツッコミを入れる語り手もセンスがある。

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五月蝿い!!私は好きなようにプレイをするのだ

【Stanley、君は私を怒らせたいのか】
この語り手は、実に興味深い行動を起こしてくれる。この語り手がゲーム開発者の代弁をしていることは明白であり、その一端はプレイヤーの行動に対して、強行的に行われることが多々ある。語り手の目的は、プレイヤーをベストEDに導くことであり、それ以外の行動を取ったプレイヤーには制裁を加えることを良しとしている節がある。さらに付け加えると、語り手はゲームの大部分を掌握しているので、プレイヤーが間違った行動をしても何かしらの対応方法を持ち合わせているのである。例えば、あるエリアでは正しいパスコードを入力しないと先へ進めないシーンがある。ここで語り手は正解のパスワードを丁寧に教えてくれるのだが、プレイヤーがそのコードを入力せずに間違ったパスを入れ続けると痺れを切らして勝手に先へ進めるような段取りをしてしまうのである。これはまだ平和な強硬手段で、時にはプレイヤーの自由を奪う等の、快適性を奪うような事もしてくる。この表面的な紳士口調と、腹黒さを両立させたキャラクター性は大変に評価が出来る。ブラックジョークやメタ発言も多く、解る人には壷にはまるセリフも、他ゲームでは見られない特殊性がある。その一方で、正規ルートを忘れるといった初歩的なミスを犯すこともあり、完璧主義者になりきれていないお茶目さも可愛らしい。

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悪役に徹した語り手はノリノリです

【おい、そっちへ行くな】
全EDの自力到達は非常に難しいレベルである。というのも、幾つかのEDへ進むルート分岐に、ゲーム内のバグ、グリッチを用いたものがあり、これを自力で見つけるのは間違いなく強運が必要。実を言うと、私が自力で到達できたEDは11個ほどで、あとのEDは動画で確認をしたというのが実情である。バグを用いたEDは気づく人はいるのだろうが、チートを用いて見るEDは、そもそも普通のプレイヤーはそこまで考えないというのが率直な感想である。そのため1つや2つのEDを見るのは簡単だが、全ルートED到達は極めて難しいレベルであり、そういった意味ではハードコアといっても良い。さて、複数のEDが用意されているゲームであるが、以下に記述するのが私の好きなED一例である

一部のEDネタバレがあるため注意

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最初は、Museum Endingである。ここでは語り手よりも上位クラスである開発者による解説が行われ、最終的にゲームを中断する事でクリアが出来ることが明かされる。このルートに到達する過程でもESCAPEと書かれた道なりに行くことになるので、一見すると語り手の支配から脱出できたようにも見える。しかし、ゲームクリアが、ポーズメニューから行うというのは、ブラックジョークすぎて本当に開発者がこれを伝えたかったか疑問が残る。ただし、真剣に考えると、プレイヤーがゲームを止めた時点でクリアと言うのは何となくだが解る気もする。

第二はLaunch Pod Ending。このEDではドアの開閉を利用して語り手を部屋に閉じ込めるバグを用いることになる。どうやら語り手はゲーム内の全てのセクションにアクセスできる権限が無いらしく、完全に部屋に閉じ込められ、以降のプレイヤーに干渉できなくなる。道を戻ると、ロケットが用意されており脱出する。その後、ゲームを語る者がいなくなるのでStanleyのその後は解らなくなる。完全に語り手をやっつけたという意味では、プレイヤーの目的を達している。しかし、考えようによっては誰かがロケットへの道を用意し、そのためのバグも修正しなかったわけである。語り手より上位の存在の手の中で躍らされただけかもしれない。

第三はReal Person Ending。数あるEDの中でもゲーム進行とプレイヤーの存在について強く言及がなされており、私の中でも納得が出来る内容であった。つまるところ、いくら語り手が懇切丁寧にプレイヤーを導こうが、邪魔をしてこようが、プレイヤーの入力がなくなってしまった以上、どうすることも出来ないのである。毎回、毎回に間違った選択をして困らせていたプレイヤーが突如として動かなくなった。語り手は考える - どうしたんだ?ははぁーん、そうやってまた私を困らせる気だろう?いいかい、私に立ち向かうなんて無駄なことは止め給え。さぁ、早く右ドアか左ドアに入るか選びなさい。 … … … しかしプレイヤーは何時まで経っても動かない。ゲームを中断するわけでもなく、そのまま動かなくなってしまったプレイヤーに次第に語り手も慌て始める。ここに来るまでの過程が重要で、その直前に完全に怒ってしまった語り手(あまりにもプレイヤーが無能すぎるため)は、ついにプレイヤーに対し激しい非難を始める。ところが、プレイヤーにとっては、その非難自体が理不尽である。そしてプレイヤーはついにStanleyの操作する権限を奪われる。ゲームにはプレイヤーの操作介入がなくなった主人公が1人、語り手は何とかしようとするが、プレイヤーを追い出したのは自分である。

所謂、開発者がプレイヤーを思うがままに出来ると信じ込み、自分たちのエンターテイメントを押し付けたために、誰もプレイする人が居なくなってしまったというBADEndである。(というか、開発者自身がプレイヤーを追い出した)
このEDはやけに印象深く、そして想像を絶する終わり方である。ある意味、一番やってはいけないゲームの終幕かも知れない。

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操作入力の無くなった主人公を永遠と待つはめになってしまった

【どうして無能なプレイヤーしかいないんだ】
大切なことだが、ゲームを遊ぶ上での主役はプレイヤーである。我々が入力をしなければ、展開は訪れない。しかし、このゲームではStanleyが喋れないため、ほぼ語り手が主役級の活躍をする。ゲーム開発者が、プレイヤーの行動に対して説教を繰り返し、時にゲーム進行の妨害を行うような強硬手段に出るとすれば、プレイヤーは従わざるを得ない。開発者が望んでいるのは、バグを見つけて楽しむような輩でもなければ、間違った遊び方をするようなプレイヤーではないと伝えてくる。しかし、The Stanley Parableでは、そういった開発者たちに、『プレイヤーの選択(例えそれが変であっても)を尊重しろ』と訴えている。一部のEDでは、あまりにもプレイヤーが暴れすぎたためにゲーム自体が崩壊してしまうシーンもあったが、そこまでするプレイヤーは現実にはまず居ない。開発とプレイヤーの溝はある一定の距離が必ずあると思うが、あまりにも酷い場合だと、課金システムでプレイヤーを縛ったり、ゲーム品質を根本から勘違いして、売れない責任を消費者のせいにする会社もある。そういった問題提起を、ブラックジョークで塗りたくった本作品の存在意義は非常に高いと感じるが、やはり人を選びすぎている
ゲームは、例えばドリフトでライバルを抜き去ったり、或いは敵キャラを銃で倒す、仲間を増やすといった、欲求を叶えてこそエンターテイメントなのである。そこからエンターテイメントとは何か?と哲学的に示されても、余計な迷惑である。このゲームのレビューが難しいのは、本質的にThe Stanley Parableが楽しさを追求するよりも、楽しさ、選択する事で得られる価値の存在について明らかにしようと努めてしまったことにある。キワモノゲーム好きなら大喜びだが、普通のゲームがしたい人にとっては説教臭くて仕方が無い

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違うゲームが始まっているんですけど

【私を評価しなさい】
あまりにも常軌を逸したゲームデザインであり、ゲーム上級者向けすぎる。ゲームプレイの殆どが語り手のセリフを聞くことであり、そこに楽しみを見出せないと厳しいタイトルである。だたし、語り手のリアクションやセリフは見ていても楽しく、間違ったルートを見つけるのも楽しいことは事実。過去に類似するゲームも無く、世界で唯一つのオンリーワンなゲームである事も確かである。ED総数も多く、1プレイが短くとも総量で考えるのであれば十分な水準といえる。私としてはオリジナリティ溢れるゲームは高く評価をしたい。また、テーマとしてもプレイヤーvs開発者という爆笑もののセンスであり、他会社も易々と真似が出来そうもない。そういうことで、キワモノゲームではあるが、かなり大甘な評価をしてしまったことを許していただきたい。


99点 … … … こんなレビューで満足ですかね、語り手さん。

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World Guide to Beer ライオン ラガー

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第75回 【無題】

ビールコラムを掲載するのは久しぶりである。医者からアルコールを控えるように言われたわけでもなく、ビール保管庫が一杯になったからでも(拡張が必要ではあるが)、ましてやカメラ機器の故障でも人間性の崩壊、壊滅破産無残でもない。ただ、あるビールの入手に失敗し、それがあまりにもショックだったので書く気が全く起きなかったからである。しかも、あろうことか私から『横取り』だ。詳しい経緯は省くが、本当にあと少しのところでやられてしまった。何とかして現地の方とコンタクトを取ったが、ここは極東日本だ。出来ることは限られすぎている。恐らく相手はツワモノだろう。名だたるビールマニアかもしれない。この野郎ォ、許せねェ!!手前のビールじゃあねェ、私が長い事、本当に探し求めていたのに。許されない行為だ。

・・・許した。許すんだ、全てのビールマニアを。君たちは私と同じでビールが好きなのだろう。いいよ、全く怒っていないから大丈夫だよ。しかし、だ。何事も順序がある。私が最初で、他のライバルは2番目に飲みなさい

と、悪いことばかりではなかった。この3ヶ月間、ビール探しに於いては無駄な行動力を発揮し、様々なビールマニアと出会うことになったからだ。世の中は広い、本当に広い。それこそ彼らの行動力、欲望は私ですら驚愕するほど常軌を逸している。ビール保管のために引っ越す方(より環境の良い土地を求めて)、ビールを飲みたいために世界中を旅する方(ニホンゴを忘れてしまうくらいに旅している)、ビールへの理解を深めるために会社を辞め大学に入学し、作物の研究者になってしまった方。こんなのが世界に散らばっているのかと考えるたびに、私がノーマルに思えて仕方が無い。敵は優秀だったのだ。

さて復帰第一発目はスリランカのビール。ライオン・ブリューワリーが生産しているピルスナーで、同国ではメジャーな銘柄なのだという。私はスリランカについて無知なので解りませんが、暑い国らしいので、喉越し重視のタイプと予想をする。

飲んでみよう。
色普通、香り普通、味普通。
なんというか、普通すぎてビックリする。不味いわけではないが、この程度なら国産ビールのほうが上かもしれない。
申し訳ないがリピートはないだろう。

次回は拍手2000回記念の記事を掲載します。半年以上掲載が遅れてしまい申し訳ない。ただ、大変に貴重なビールで、現在市場には出回っていない銘柄を取り上げますのでお楽しみに。

Replay:XCOM:Enemy Within

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           何が起こっているのか整理させてくれ
                     -斑鳩-


                制御不能の高速世界
               -Quantum Redshift-


                お前ら、プロなのか?
                 -Counter Strike-


                  セクトポッド来襲
              -XCOM: Enemy Unknown-


             クリサリドちゃんと港町
         -XCOM:Enemy Within-



その高難易度から多くのプレイヤーが散ったEnemy Unknown、その拡張版であるEnemy Withinもまた、ヤバイさ溢れるシーンが多く、苦戦を強いられることとなった。拡張版という事で、新たな兵科や敵キャラクターの追加、地形の改善やバグの減少など、様々な点において進化が見られるものの、感触はEUそのままである。ただし、ストーリー進行において、幾つかこなさなければならない任務が増えており、これによりゲームテンポは悪くなっている。

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とにかく難しい。開発Firaxis Gamesが前作をクリアした者を対象にリリースした感があり、中盤までの難易度曲線が凄まじい。単純に敵数が多くなっており、それだけでも自軍の被害が増える。それに加えEXALTという新組織との戦闘があり、これもゲンナリするほど出撃させられる。報酬も少なく、自軍の戦力は衰えるばかり・・・そして迎えるXCOM基地襲撃イベント。何も知らない1周目プレイヤーは、ここで開発を怨むのだ。「ふざけんじゃねぇよ、戦力も足りていないのに防衛なんて出来るか!!」
実際、当ブログで攻略記事を掲載していた時、ここだけは本当に心が折れそうになった。慢心できなさに磨きが掛かっている。

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それでも前作をクリアしたプレイヤーは新たな試練を超える喜びに、初めてEUをプレイした自身の体験に重ねる。優れたゲームをプレイし終わった時に感じる『この体験を忘れて、もう一度プレイしたい』という欲求に見事に答えている。あの哀しいまでに敗戦を重ねつつも小さな突破口を見つけていく過程、貧乏ながらも施設が徐々に大きくなっていく様、そして戦況が好転していく段階になると、このシリーズの全てが許せてしまう。しかし、Enemy Withinに関しては、ホバーS.H.I.V.が完全にバランス崩壊を招いており、ロボット無双が始まってしまう。中盤まで難しい作品なので、考える司令官は、とにかく色々な事を試さねばならない。そうするとプレイヤーが行き着く先がロボット部隊の編成であり、あまりにも味気ない攻略になってしまう。個性のあるユニット編成で難所を突破するのが楽しいはずなのに。

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良いゲームである。後半のバランス問題はさておき、ゲーム幅が広がり、ボリュームがある。さらに重要なのはバグが減ったこと。EUはバグまみれで、重要なシーンでフリーズする事もあったが、EWではそういったバグは無いので安心してプレイ出来る。EUクリア者用の拡張版と割り切れば十分な品質であり、Replayも楽しく進行する事が出来た。

Hello commander、全ての司令官はもう一度、世界を救いたまえ。

コラム:歌うニンジャ -PCゲームと洋楽-

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中学生の頃、異性に注目を浴びたいがためにギターを弾き始めた。結局、上手に弾くことは出来なかったが、その過程でBad Religionを知り、ロックに興味を持った時期があった。洋楽好きには説明不要のロック大御所バンドだが、その独特な歌詞もショッキングであり、今思えばロックを知らなければ英語も勉強しなかったように感じる。中でも、Them And UsTen in 2010Hear itは格別に素晴しい。そこからOffspringを聞き始め、未だに大ファンである。All I Wantは歌えるし、Way Down The LineChange The World を知らない人が居たら、それは間違っている!!と、ここまで書くと勘の良いゲーマーなら、往年の名作『CRAZY TAXI』を思い出す事だろう。あのハチャメチャなレースゲームはデザインも飛び抜けていたが、それを支えたロック・ミュージックを忘れてはいけない。悲しいことに、PCゲーム・タイトルでここまで素晴しい作品は私は知らないのだ。それだけ当時のSEGAが凄かったとも言える。

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Call of Duty Black OpsのローンチトレイラーにGimme Shelter(The Rolling Stones)を選んだスタッフは良く解っている。BOはシリーズの中でも異端なタイトルで、お得意の米国賛美にはなっていない。あの反戦的でブラックな歌詞が、実に例外的なBOらしさに味付けをしている。ことベトナム戦中の名曲は数多く、Fortunate Son(Creedence Clearwater Revival)はBattlefield Vietnamに使用されたり、Somebody to Love(Jefferson Airplane)もBFらしいノリで、どこかずれた楽しさにピッタリの選曲だった。今ではリアル路線に走ったBFだが、過去作はこういった素晴しい音楽が作品内に埋め込まれていた。まぁ、ファンの間ではBattlefield Vietnamは黒歴史化しているのが気にしてはいけない。

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Saints Row: The Thirdも強烈な歌に支えられたゲームだったように思える。POWER(Kanye West)のラップは、反社会的な言葉で流れるように、権力や大人的なモノを否定する。Saints Rowも、どこか子供じみた大人ゲームであり、下品だがチープではない社会構造が描かれていた。カーラジオで流れるたびに気分が高揚する曲で、むしろ私なんてSaints Row: The Thirdの思い出の半分は音楽が占めている。(後は火星で死ぬGatと謎プロレスとか)オープンワールドゲームは移動時間が長いため、カーラジオの充実している作品は助かる。その部分ではGTAシリーズも頗る選曲センスがよく、最新作GTAⅤでも満足できた。が、それ以上にヤバイ選曲をしたタイトルがあった、ニンジャである。

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Shadow Warrior(2013年:Flying Wild Hog)は一言でも二言でも言い表せないシーンが多すぎる。街中のニホンゴは何時でも不安定だし、強化画面では中年のオッサンがザゼンをしている。最初にプレイした時、ヤベぇなと感じたのがOPで、主人公が車内でYou Got The Touch(Stan Bush)を流すシーン。ニンジャ(のような職業)がタバコを吸いながら、超ノリノリでPowerとか叫ぶのである。あろうことか、それを全面に推したトレイラーがあり、それだけでも十分に吐ける。濃い、濃すぎるゲーム内容に、Stan Bushをぶち込んでいるので、得体の知れなさに磨きが掛かっているのである。実際、プレイをしてみても、よく出来た良く解らんゲームなので、マッチしているといえばしている。

最近のPCゲームはロック成分が足りていない!!
ニンジャも足りていないが、此方は特に必要としていない。とは言え、私の中ではベストロックなゲームなのです。
プロフィール

ばりー

Author:ばりー
PCゲームとビールを愛するおっさん
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