World Guide to Beer シメイ ブルー グランドレザーヴ/サミクラウス

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第35回 【Irregular150 / 10】

私はこのビールコラムを始めた時に、幾つかのルールを決めていた。

1."私"が飲んだことを証明するために2枚目の写真には必ず"萃香"を入れる事。
1枚目の写真、いつもタイトル下にある写真はもしかしたらネット上から拾ってきた写真かもしれない…
そう疑われてしまうと説得力が無くなる。
木の丸テーブルに、青のカーテンなんて状況はあまりにもありきたりなバックだ。
しかし、2枚目の写真に萃香が同銘柄と写っていれば、限りなく"私"が飲んだ証明になる。
事実、萃香が現実のビールと同時に写っている写真は、この『午後のPCゲーム』以外存在していない。
よってこれからも萃香は続投させる考えがあるのだが、付け根のアタリが急速に壊れかけてきている現状が有り、代役を探している。
と言っても、ゲームが主体の当ブログで『酒とゲームが主体のキャラクター』なんて都合の良い代役が居るはずもなく困っています。
誰か萃香の代わりになる良い代役がいたら教えて下さい。

2.自分が飲んだ銘柄しか評価しない。
当たり前のように思うかもしれないが、世の中にはこのルールが守られていない、又は最初から守る気すら無い情報が溢れている。
以前、とある有名人が書いたビール本を読んだ時に強く感じた。
その内容は、テンプレートだらけの文字に、ビールを飲んだ感想も『オイシイ』の一言だけ。
本には数種類の全く異なる味があるにも関わらず、どの銘柄も『オイシイ』としか書かれていない。
コクとかキレとかは不明で、いきなり結論有りきな本だったのだ。
後に知ったのだが、その著者がビールを商売する会社と深い関係があり、本の内容も『皆に自社の扱っている銘柄だけを買わせる』という強い主張が込められていたようにも思える。
出版社や関連会社も利益を得るために必死なのは解るし、私自身も『悪いこと』だとは全然思わない。
資本主義社会なのだから、そういったマーケティングは重要なのだろう。
ただ、私は、その著者を全く信じないことにしている
どれもこれも『オイシイ』なんていう人は、絶対に飲んでいない。
キレを重視する人が黒ビールに高評化したり、高アルコールビール好きがノンアルコールビールに対して好印象を持つなんて、自称ビール専門家が聞いて呆れる。
(中には凄い変態的な趣向を持つ方もいるが、それはかなり限られた少数派である)
折角なので宣言しておくが、私はアサヒスーパードライが大嫌いである。
アレはクソマズイ炭酸水をビール風にしただけの失敗作だ。
スーパードライがオイシイとか言っている人は、舌がクs

3.意味不明な銘柄は極力扱わない。
このテーマは今回の2銘柄を扱わないための措置である。
そもそも、何故今回に限って、同時に2銘柄を紹介するのか?という疑問にも繋がることになるので答えよう。
まず、世界には生産者が『これはビールです』と言っておきながら『ビール?』なモノが存在する。
偽物とか粗悪品とか、そういう次元の話ではない。
この話をするとビールの定義になり、それはビールの種類分けの話へとつながっていく。
コレはブログを書く人からすると、絶対に避けたいコラムだ
ややこしい話に、訳の分からん単語、不明瞭な歴史、誰が何処で何時、それを売ったのか売らなかったのか、人によっても見解が異なるトピックス…
その発端を作りかねないのが、私の言う意味不明な銘柄だ。
今回の2銘柄は、そういったテーマには繋がらないと思われるものを意図的に選出し、メンドクサイので1つのコラムにブチ込んだ。
これ以降、余程のことがない限りは『私が飲めるビール』を扱う。
今回だけ例外なコラムとして読んでいただきたい。

断っておくが、今回の2銘柄は飲まない
つまり私はルールを破ったことになるが、それも今回だけだ。
多少破ってでも、取り上げるべき2銘柄と思うし、感慨深いビールであることは間違いない。



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シメイブルーは既に当ブログで扱った事がある。(該当記事はコチラから)
よって特に説明することは無い。
ちなみにシメイ3色は過去に全て扱っている。

のだが、シメイ ブルー グランドレザーヴは少々の説明が必要だ。
「ここの管理人がイレギュラー扱いしている銘柄なのだから、よっぽどなんだろう」
そう思ってくれたのなら大変に光栄だが、残念ながらシメイ ブルー グランドレザーヴ自体に大した価値はない。
シメイ ブルー グランドレザーヴはシメイブルーの750ml入りの商品名である。
よって中身は普通のシメイブルーだし、グランドレザーヴも探せば手に入る。
普通のビールなのだ。

シメイシリーズの中でもブルーは非常に変わったキャラクターを持っていたため、特に高い評価を受けている。
実はこの銘柄は限定品であったのだが、あまりにも味が良かったために常時生産に切り替えられた経緯がある。
さらにブルー自体も他のシメイと仕様が異なっており、この銘柄のみヴィンテージが存在する。
年月が経てば立つほど味は変化すると言われ、長期熟成させたシメイブルーは驚くほど美味しいと言われている。
ただし、寝かせる条件は『それなりのモノ』であり、なんでもかんでも生産年数が古ければ良いというわけでない。
人にもよるのだが、生産されてから『それなりの条件』で5年間寝かせるとベストな味になるらしい。
つまり値が張るのである。
しかしながら、今回紹介するシメイ ブルー グランドレザーヴは2012年に生産された品であるためにヴィンテージではない。
中身も普通のブルー、ヴィンテージでもない、有名人のサインもない。
では、なぜイレギュラーなのか?
極論するとビール瓶自体に価値がある

このグランドレザーブはスクールモン修道院がビール生産をして150周年を記念して生産された超限定品であり、極少数のみ販売された。
通常のグランドレザーブとの違いはパッケージであり、前面に大きく『2012』と書かれた特別仕様。
同時期にレッドの特別仕様品も発売したが、大人の事情で手に入らなかった。
ただし、生産数はブルーの方が圧倒的にレアであり、しかもシメイを代表する銘柄であったため人気があった。
当たり前だが、飲むために購入した銘柄ではない。
つまり、飲まないのにも関わらずビールを買ったことになり、私のポリシーと反することになる。
しかも、ブルーは過去記事で扱っているために2重のイレギュラーが重なってしまっている。
今回、このような形式でなかったら一生紹介されなくっただろうし、ずっと冷蔵庫の隅で陽の目も浴びずに放置されるだけの存在がコイツである。

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サミクラウスは、キワモノビール界の頂点に君臨した銘柄である。
マニア泣かせの銘柄として知られ、多くのコレクターを寄せ付けなかった。
このサミクラウスは、その誕生した瞬間から名は知られていた。
1836年創業のヒューリマン醸造所はスイスに本社を置くビールメーカー。
高アルコールビールとしてのキャラクターで一躍脚光を浴び、そのアルコール度数は驚愕の14%
ワインと同等かそれ以上のアルコール度数を誇るビールは極めて少数であり、キワモノビールでは避けては通ることが出来ない。
しかし、サミクラウスの本質は高いアルコール度数ではない。
この銘柄が異常銘柄扱いされているのは、あまりにも飲む条件が厳しすぎる点にある

サミクラウスも又、ヴィンテージ推奨の銘柄なのだが、ブルーが5年ならばコイツは10年である。
桁が1つ違うのがサミクラウスだ。
この常識離れした条件を無視して飲むことも出来るのだが、それが本質的でないことは常識だ。
「サミクラウスを飲んだ」と叫ぶためには最低でも10年掛かり、それ以外の回答は意味を持たないのである。
しかし、この条件が可愛く思える『絶望的な条件』がサミクラウスには存在する。
それは生産された年の問題だ。

この写真のサミクラウスの入手難易度は、『私が思ったよりは高くはなかった』。
確かにコンビニやそこらの百貨店で常時売っている品ではないものの、探せば日本国でも手に入るのである。
だが、1997年以前に生産されたオリジナル・サミクラウスともなると入手難易度は最高レベルにまで跳ね上がる。
1997年にヒューリマンは買収されてしまい、これ以降のサミクラウスは製造レシピが異なってしまっている。
市場には97年以前の本物の非常識ビールと、97年以降の常識的な異常ビールの2つが存在し、我々が望むのは『よりイカれた銘柄』なのである。

今となっては言い訳になってしまうが、私の言い分も聞いてほしい。
私は自分の持つ全ての能力を使用し、オリジナルの入手に全力を注いだ。
しかし、探せば探すほどに、状況は明らかになっていった。
本当に地球上で販売されていたのか?と思うほどに品が無い、というより存在していた形跡がないと言った方が正しい位に絶望的な状況が続いた。
そして解ったことは、このオリジナルは私の能力を遥かに超える品であり『潔く諦める』という結論を認めるのに、潔くなれなかったこと。
だから2011年に製造されたサミクラウスを購入したのである。
ここまで私を突き放した銘柄は今の所、コイツだけである。



シメイ ブルー グランドレザーヴに関しては、5年後に結論をだそうとは思っている。
それは、シメイブルーの5年という事実に対して、このまま記念品として終わるのか、飲むのかの判断を行うという事である。
今の所は、飲む気はないが、難しい判断を5年後の『誰かさん』にしてもらうことで問題の先送りにした。

サミクラウスに関しては、感謝していることが1つある。
この銘柄を夢中になって探している最中に、偶然にもメサイアが手に入ったのである。
これも超レアな品であったが、元々は入手する気は無く、行動を起こすのも遅すぎたくらいである。
だが、私の元に来てくれた。
十分すぎる結果だ。
だから私は今後、サミクラウスには一切に関わらない
君達は、実に好都合だ。
なにせ、オリジナルを追い求めるライバルが1人減ったのだから、行動派のビールマニアの皆さん方が手に入れる確率は少しだけ上がったことになる。
そしてまた一人、一人と脱落していき、最後に残った人はオリジナルを手に入れられたのだろうか?
いや、きっと手に入れたはずだ。
そう信じたい。

明日、私のサミクラウスが冷蔵庫から消えても、特に何も感じない。
きっと私は飲む資格がなかったのだ。
サミクラウスとは、そういう飲み物だ。



次回からはキチンとした通常コラムに戻ります。
次回『麻薬製造教師とストリートのボス』

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