冷たいビールは美味しくない論

resize4218.jpg

米国在住のMark Garrison氏がキンキンに冷えたビールについて語る。
毎度の意訳です。

最近飲んだビールの中で最悪だったのは、ブルックリン・ブルワリーのペナントエール55だよ。
そんなことを言ったら、私の友人は仰天するだろう。
私は10年近くこの醸造所の近所に住み、ペナントエールを愛する地ビールの大ファンなんだよ。
だけれども、最近飲んだペナントエールにはいつもの魅力がなかった。
感じられるのは炭酸の泡だけだ。

美味しいビールがどうしてこんなになってんだ? 
ビールが古かったのか、はたまた、つぎ方が悪かったのか? 或いはグラスが汚れていたのか?
いいや、ビールが冷え過ぎていたんだ。

ビールの品揃えは良い店だったのだが、キンキンに冷やしたペナントエールを霜付きジョッキで出してきた。
店側は良かれと思ってやったんだろうが、地ビールをそんな状態で飲むのは無意味だし、罰当たりだよ。
だから私は常温のグラスに変更して待った。
やがてビールは冷えに打ち勝った。
だがこの店で地ビールを初めて飲んだ客だったら、なぜ高い金を払って不味いビールを飲むのかと首をかしげただろう。

適温が4度以下というビールで、飲む価値のある銘柄は存在しない。
ダブルインディア・ペールエールやビタービールなど苦みの強いタイプは、12〜13度が最も美味しい。
なのに地ビールが売りの(品揃えの良い)バーでさえ、氷のように冷やしてビールを出していることが多い。

この習慣は一体なんなんだ?
上質な地ビールは冷やし過ぎると風味が飛んでしまうが、味気ない大量生産品は冷やすことで『あら』が誤魔化せる。
だからバドワイザーやミラーの広告は、霜付きジョッキや雪山、ビキニ姿の美女だらけなんだよ。

飲料コンサルタントのSue Langstaffが、私が飲んだペナントエールが不味かった理由を説明してくれた。
低温では香りの主成分が揮発しない、つまりフルーティーだったりフローラルだったりという、作り手が意図した独特な香りが封じ込められてしまうのだという。
一方で、冷やせば炭酸の刺激が強まるから、味の薄い大量生産品には好都合ってわけさ。
大手は自社製品の風味のなさを自覚しているからこそ、冷たさを強調して売っている。

ワインや蒸留酒の世界では、物によって適温が異なることは常識だ。高級ブランデーをオン・ザ・ロックで注文する客を見たら新米バーテンダーだって、金をドブに捨てていると思うだろう。だがビールに関しては、そうした知識が広まらない。

一部のメーカーは、ビールはとことん冷やすものという先入観を変えようとしている。
彼らは、ピルスナーに代表されるライトなタイプは4〜7度、やや濃厚なアンバーやボックビールは少し温度を上げ、インペリアルスタウトなどのヘビー級は10〜13度で飲むことを勧めている。


しかし習慣はそう簡単に変わらない。
業務用ビールサーバーはたいてい3度前後で機能するよう設計されていて、温度を上げれば炭酸に影響を与えかねず、雑菌が繁殖するリスクも高まる。
種類ごとにサーバーの温度を変えれば、設備投資に金が掛かる。
何より、生ぬるいビールにはまだ消費者が付いてこないだろう。
長く苦しい戦いだ。
だが最近は、多くの醸造所がウェブサイトで飲み頃の温度を公開。瓶ラベルに表示している場合もある。

レストランやバーで霜付きジョッキが出てきたら、常温のグラスに変えてくださいと頼もう。
ワイングラスでもいい。あの丸い形が香りを長持ちさせてくれる。
ビールのために一肌脱ぎたいなら、グラスを変える理由を説明するのも手だ。ジョッキを冷やし過ぎてはいけないと、店側も理解してくれるかもしれない。

 それでも2杯目がまた氷のようだったら? 自制心を奮い立たせ、飲むのをこらえるべし。一時の我慢でビールが生まれ変わるのだから、待つ価値はある。




私も同意です。
Mark Garrison氏の文章からも彼がペナントエール好きなのが理解できるが、その彼に霜付きグラスを出した店は、『無知は罪』という言葉を知らないらしい。
黒ビール(と言っても沢山のスタイルが存在するが)もキンキンに冷やすと死ぬ銘柄しか無い。
ギネスやマーフィーズ、シュヴァルツを愛する人にキンキンに冷えた黒ビールを出したら、にわかというレベルを超えている。
日本では黒ビールが流行っていないので、そういうミスすら見かけないのが救いではある。
ともあれ、
キンキンに冷やして飲むような銘柄はクソしかないし、そういうビールを美味しいと声高に叫ぶ人の舌は間違いなくクs

Grab Me a Warm One

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ばりー

Author:ばりー
PCゲームとビールを愛するおっさん
お気軽にコメントして下さい
なにかあれば返信します

カテゴリ
最新記事
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
リンク
QRコード
QR