Metro 2033 レビュー

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発売 2010年
プラットフォーム Xbox360,PC
開発 4A Games

その男は一歩、一歩としっかりとした足取りで地上ゲートへと近づく。
まるでカミソリのように鋭い眼、肩幅は広く長身な男は、自身が優秀であることを十分に証明するだけの軍上級士官服を着こみ、かつそれが表面上だけではなく中身も伴っていたのである。
でなければ、首都モスクワの地上と地下を結ぶゲートの責任者は務まらない。

-2013年.モスクワ 晴れ-
素晴らしい快晴に空襲警報が鳴り響き、首都が混乱した日でさえ確実に軍務を遂行しようとする。
我先にシェルターへと急ぐ市民をしっかりとカウントし、規定数に達したためゲートを閉めようとすると、避難できなかった市民達は暴徒と化した。
制御不能な事態に部下達は四苦八苦し、ゲート前で飛び交う暴力は『眼の前にいる軍人のせいだ!!』に変化をする直前、男はAKを空に向けて発砲した。
完璧なタイミング、的確な判断に市民は驚き、物言わぬ上級仕官が冷酷な責任者であると瞬時に理解した。
次は威嚇射撃ではないぞ、と言葉以外の方法で別の死因に怯える全市民に警告した。
警告が完了した一瞬、ほんの1秒以内、名も知らぬ女性が自身の赤子を男に手渡そうとする。
暴力の渦巻くゲート前まで必死にやって来たであろう若い女性は、赤子の命を見知らぬゲート責任者に預けようとしている。
しかし、男は軍務に忠実な経歴を持っており、ソレが軍規違反であることは知っていた。
赤子を受け取れば軍歴に傷がつくだろうし、何よりも彼は"そういう"性格ではない。
彼は強制的にゲートを閉める冷酷な命令を発し、機械の力でゆっくりと最期の扉が閉まろうとしている。
女性が最期に見た光景は、軍人アレックスが我が子を抱きかかえながら安全な地下シェルターへ一歩一歩とゆっくりと進む様であった。
その数分後、汚れた光が地上を綺麗に焼いた。

-2033年.モスクワ 天候不明-
これは人類が今日を生き抜く事さえ困難になった未来のお話。
Fear the Future,Future is …

        Now


【概要】
ウクライナにある開発会社4A Gamesの処女作。
同社の創立メンバーは、かつて同国に存在したGSGGameWorldに在籍をしていた経歴を持ち、複数人で立ち上げたとの事。
会社が設立してからMetro 2033を発売するまでに長い期間が存在し、何度か延期がアナウンスされていた。
同名小説が原作であり、この原作はロシアで40万部以上の売上に加え、国内で非常に高い評価がなされている。
2007年にはヨーロッパのサイエンス・フィクションの協議会Euroconにて奨励賞を受賞する等、ヨーロッパでの知名度は高く次々に翻訳版が出版をされた。
日本語版は一時期、販売するのかどうか不明だったのだが2010年にようやく発売をしている。
原作者ドミトリー・グルホフスキー自身がPCゲーマーであることから作品のメディアミックス化には慎重であったらしく、所謂『ゲーム化における世界観の崩壊』を恐れていたようである。
経緯は不明だが、4A Gamesスタッフがグルホフスキーを説得し、彼がゲーム制作に強く関わることで本作の製作が進んだ。
原作者曰く、元より小説版を綺麗になぞる事は考えておらず、ゲーム化されたMetroを最初から考えていたようである。
後に詳しく述べるが、確かに小説版とゲームとでは多くの事柄が異なっており、上手く2つのMetroを創作できたとする意見も多い。
発売後、メディア、ユーザーの評価が真っ二つに分かれた作品としても有名で、家庭用ゲーム機ユーザーは総じてスコアが低い一方、PCゲーマーは高い評価を下している。
一般的にはコアゲームに属するタイトルであるため高難易度であることが各評価に大きく影響をしているようである。

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地上は核の影響により放射能汚染が進んでいる

【地下、絶望、死】

プレイヤーに非常に多くの行動制約を設けている珍しいタイトルであり、そこが本作の最大のポイントにもなっている。
まず第一に地下で行動をするシーンが全体の8割を占める稀有な状況にあるということ。
そのため暗闇が異様に多く、視認性は最悪といえる。
この暗すぎる世界は、そのまま難易度に直結してしまうのがFPSであり、近年のハリウッド・シューターの定説から考えても時代から逆行している。
FPSにおける『暗い』が持つデメリットは数知れない。
まず最初に考えられるのは銃を用いた戦闘で、プレイヤーに余計な負担が増すことだ。
スピード感ある撃ち合いが近年FPSの有るべき姿であり、暗いと視認性の悪さから速度の遅い戦闘になりがちである。
実際、2007年以降、この傾向は見られないことからも解る。
またデザイン上、ハリウッド・シューターのような過剰演出は暗闇とそりが合わない。
派手な演出劇場には、それ相応の舞台・状況が必要であり、地下世界を中心に描いてしまうと、それは重要要素である演出を自ら捨てる行いであり、それは売上にも直結する。
視認性の悪さは、迷子誘発をひきおこし、アイテム発見は当然のごとく強く影響を受ける。
昔のFPSをプレイされていた方なら大方で納得されると思うが、FPSに於ける害悪要素は大抵『視認性』が原因であり、迷子FPSなんて物は真っ先に駆逐されるべき障害でもあった。
そこで多くの開発は、スクリプト演出によってプレイヤーをゴール地点まで誘導をし、一本道にするだとか異様に優れたインジケーターを設ける工夫で、丁寧な娯楽を重ねてきた。
中にはインジケーター、常時MAP表示、かつ一本道に加え、ヒント表示機能まであるので購入者が間違いなくEDまで見れるように親切さで埋め尽くされたタイトルも有る。
このデザインにより昔ながらの雑なFPSは見事に破壊され、初心者は皆救済されたのである。
暗いということは初心者を置き去りにし、難易度も異様なほど上昇をし、開発者のセンスを活かしづらい、つまり致命的なデメリットなのである。
とは言え、メリットも少数ながら存在する。
暗いエリアというのは未知情報が多すぎて、プレイヤーが不安を感じる。
そこでの感情は、恐怖であり、これは暗くないと成り立たないことが殆どだろう。
なにせ何も見えない状況ではプレイヤーが圧倒的に不利であり、これを上手く言い換えるのなら一線を越えた『ある種の演出』とも考えても良いはずだ。
メトロは終始、これを上手に利用した。
まず、光源関係を明確にすることで暗い事をプイイヤー有利にした発想にある
このアドバンテージはステルスFPSに多く見られるが、メトロは一歩進んでおり、ステルスへの強制はあまり感じられない。
正面から敵に突っ込んでも難しいがクリアは出来るので、純粋な暗闇ステルスゲームではない事が多くのシーンで実感できる作品となっている。

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暗いことはプレイヤーに多くのデメリットと少数のメリットを与えるが…

【光と暗闇の合間で】

ステルス面でメトロが行ったことは、プレイヤーが現在どの程度の光量を浴びているかを確認させる事で、より一層の没入感を高めたことであろう。
本作はHDレスが徹底されており、あまり画面上に余計な表示はされない。
そのため光量関係を確認するには、腕時計に見て確認しなければならず、他タイトルと比べても一手間必要な点で変わっている。
光量は腕時計上で、赤いと多くの光を浴びている状態、つまり非常に発見されやすい状態であることを示し、反対に緑なら発見はされにくいという状態だ。
面白いのは、光源を破壊してプレイヤーに有利な環境を作り出せる点だ。
例えば、多くの敵がパトロールしているエリアではステルスプレイで進めた方が良いだろう。
そこで光源であるランプを1つ1つ破壊していkれば、そこに暗闇が生まれ、そこがプレイヤーにとってはオアシスとなる。
勿論、敵に接近されすぎると発見されてしまうが、ステルス中のナイフ投擲が強く、暗闇内での主人公は比較的に強い目といえる。
この主人公アルチョムの強さ設定も見事で、通常戦闘では苦戦するような弱さなのだが、環境によっては敵と対等かソレ以上に力があるというデザインも素晴らしい。
ステルスを面白くしている2点目は環境音だ。
ガラス破片を踏めば大きな音が鳴り、敵がすぐさま駆けつけてくる、と書けば感の良い人なら『環境音利用』をすぐさま思い浮かべるだろう。
敵は音に敏感な印象で、特に銃声に対して過敏に反応をし、これもステルスプレイを楽しませるのに一役買っている。
背後からナイフ攻撃や暗闇からの投擲ナイフは凄まじく緊張をするし、暗さを味方につけながらも不安を感じさせるような戦闘シーンは見事だ。
何度も言うが、メトロはステルス色は強いが、ガチガチのステルスFPSではなく、ステルス要素を持ち合わせているタイトルとして捉えたほうが良い。
しかし、ここまでステルスを造り込むゲームも滅多にない。

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眩しい!!

【息をするコスト】

第二の制約は呼吸にある。
メトロでは地上や地下のエリアは放射能に汚染されており、ガスマスクを着用しなければ死ぬ状況が多い
ポイントとなるのはガスマスクを使用するのにフィルターが必要な点であり、このフィルターによる制約は大変に上手な印象。
このガスマスクはフィルター交換で呼吸をする時間が伸ばせるため、長時間ガスマスクをして行動することになる地上戦はフィルターの所持数が大問題となるのだ。
フィルター交換が必要になるとアルチョムが苦しそうに息をし始め、その状態で放置すると死亡をする。
又、フィルターの交換時期は腕時計からも確認できる。
プレイヤーが直面する不安は、この大切なフィルターがどれだけ必要なのか、或いはどれだけ入手できるのかにある
私もプレイ中、このフィルター所持数に関しては常に不安があり、ギリギリで何とかなったのだが、恐らく多くのプレイヤーも私と同じ状況になったと思われる。
この独特の呼吸コストからくる焦りは開発によって計算されていると知った時、私はそのロジックに驚いた。
地上での行動は難易度的にも高く、慎重に移動をしないといけないのだが、それでは長時間分のフィルターが必要になり、場合によってはカンタンに詰む。
しかし、たっぷりとフィルターを用意すれば折角の緊張感も台無しになる。
説明をすると、ガスマスクのフィルターは自身の所持数で、これから入手できるフィルター量が調整される仕組みになっている。
例えば、そのエリアを通過するのに必要なフィルター数が2つだったとしよう。
しかし、プレイヤーは1個しか持っていない、よって何処かでフィルターが手に入るように調整が必ず入る。
NPCがくれるとか、なぜかフィルターが落ちていたりとラッキーが続くようになっているのだが、それは大量に用意されておらず、誰もがギリギリの残量になるのである。
補足をすると、実は調整されないフィルターが各所に存在しているため、所持個数に関わらずたっぷりと持ち運ぶことも可能なのだが、1周目で気づくのは難しい。
さらに地上行動はMAPが秀逸で、フィルター残量からくる焦りから強引では突破できないようなシーンが極めて多く存在する
慎重に、しかし急がせるようなシーン、だが冷静になって考えるとスタッフが見えないトコロで助けている配慮が有るのは優れている点だ。
メトロは難しいと過酷であることを別次元で考えている節があり、それは特にガスマスクに現れているように感じる。

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ガスマスク自体も壊れるが、そのたびに『都合よく』入手できることも多い

【アイテム探し】

フィルターに関しては大甘なメトロだが、弾薬に関しては非常にシビアである
入手できる弾薬量が圧倒的に少なく、しかも敵が硬いことも相まって非常に厳しい進行を余儀なくされる。
先にも述べたが暗いことでアイテムの発見率は低くなりがちなメトロでは、フィルターの事で面食らったプレイヤーが、
「ギリギリだからもう駄目だ!!」
と焦りながらも何となく進める状況に、誤解をしてしまう。
この何とかなりそうな論は、少なくても中盤以降の弾薬に関して言えば、全く存在しておらず、フォーラムでも本作屈指の問題点に挙げられている。
最悪なのが、弾は少ないのに各所で散財させるような戦闘シーンがあり、もう少し優しさを見せても良かったように感じる。
フィルターの時だけ『調整されたギリギリ』を見せておいて、弾薬だけシリアスなのは矛盾しているし、私としても後述するミサイル発射場での戦闘には疑問を感じた。
アイテム関連で考えられる項目としては、MAP探索にもある。
基本的には一本道なのだが、幾つかのシーンでルート選択を求められる
このルート選択は、ゴールまでの道順や難易度が大きく変わる印象で、それによる周回プレイの意義は結構あると感じた。
それに付随しているのが各ルートにおけるアイテム探索で、これをどこまで徹底するのかで雲泥の差が出る。
詳細に調べたわけではないので憶測になってしまうが、メトロに存在する全弾薬総数は『決して少なくない』かもしれない。
それは探索によって得られるチマチマした弾薬量が比較的に多く、徹底した捜索を敢行すれば弾薬は困らないとの声がフォーラムでも見受けられる。
実は私も結構な時間を探索に費やしたため、弾薬は困ったシーンと全く困らないシーンとの差が激しかった。
その内訳は、探索しやすいエリアと探索に困難が伴うエリアとで見事に関係が一致しており、私もそうなのではないかと感じている。
プレイ感覚が解った2周目で実験をしてみたが、確かにゴールまで一直線に向かうプレイをすると弾薬は全くと言っていいほど入手できず、体感的にもクリアが出来ないと強く思った。
さらに困るのは、この世界では弾薬を通貨としているため、独特なアイデアと難易度の兼ね合いが弾薬に重くのしかかっている
弾薬は高性能な戦前ミリタリー弾薬と戦後生産の汚れた弾薬の2種類があり、通貨としての価値が高いのはミリタリー弾薬である。
勿論だが弾薬なので戦闘に転用が可能なのだが、入手量の関係で買い物専用と割り切ったほうが賢い。
この通貨システムはシステムとしては面白いのだが、アイデア倒れな面がある。
せっかく貴重な弾薬を使用して新武器を調達しても、次のエリアで拾えてしまう物も多く、かと言って消費アイテム類は割高である。
買い物をしなかったとしても弾薬不足を招く大きな要因は、銃器の性能の低さにもあるだろう。
兎に角、アサルトライフルが低性能で、はっきり言って弾薬の無駄使い銃器と化している。
少々意地悪なデザインがあり、貴重な弾薬を大量に使用させるシーンが大抵に難所であり、そういう箇所に限ってケチれない難易度である。
つまり通常シーンでの弾薬節約術、或いは探索テクニックがとても大切なのだが、『これから訪れる難所』対策をする初見プレイヤーは少ないのである。
個人的には、メトロは懇切丁寧なゲームではないのでマイナスはしないが、このフイルター甘さと弾薬シビアの差に激しい嫌悪感を持つプレイヤーが存在するのも無理は無いだろう。

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ナイフ一本でのクリアは極めて難しいと思われる

【戦って死ね】
戦闘は人間とミュータントとの戦闘があるが、人間戦闘は良く出来ていると感じる。
光源関係におけるステルスプレイは十分に真価を発揮しているし、被弾が重く設定されているだけあり通常戦闘でも緊迫した空気感が味わえる
基本的には接近戦が多いのだが、これがまたよく出来ているのである。
体力は自動回復するが、この回復速度が異様に遅いことで、1つ1つのダメージが非常に怖い。
一応、回復アイテムもあるが、これがクセのある仕様で回復アイテムを使用してから徐々に回復をするタイプなため、アイテムによるゴリ押しは全く出来ないと思ったほうが良い。
またガスマスク着用時のダメージは、マスクが壊れてしまいフィルターダダ漏れになってしまうペナルティーも発生し、見た目的にも焦らせる。
近年の作品の中ではダントツにダメージを受けるデメリットは大きい
特徴的なのは、低性能な銃器であり、これにより嫌でも接近しないとならない。
緊張感というスケールで測るのなら、1つ1つの銃撃戦は質が高く、リアルシューター好きなら高評価を下せる。
一方、ミュータント戦闘は面白さが感じられない
対人戦闘はステルスと緊張感の両立がなされているのに、ミュータント戦はあまりステルス出来ず、強制化された戦闘は退屈である。
動きも固く、主人公に向かって一直線に突っ込んでくるアホAIと無駄に堅い体力が合わさりイライラさせられた。
後半戦で面白いと感じたミュータント戦闘もあったが、全体を眺めると7割が退屈なミュータントなのは勘弁して欲しい。
もっと動きに多様性を待たせるか、戦闘をする環境を丁寧に整えて欲しかった。

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ステルスは楽しい

【死世界とアルチョム】
原作と同様に、極めて優れた世界観を有した作品である。
核戦争後の世界を舞台にしたアポカリプスなのだが、人類がおかれた状況が酷く絶望的で、アルチョムの旅路には常に悲惨さが漂っていた。
各メトロが自立した国家のように成り立っているので、各文化色も強く、本当に旅をしている気持ちになれるのはスゴイことだ。
また、啀み合う人間の地下世界、死世界の地上を行き来する光景も、大変に心に残る。
オンボロ銃器やバラックは、生活感とともに種族としての終焉感が撒き散らされており、画的な成功は素晴らしさを感じる。
地上は地上で高難易度がさらに拍車をかけて絶望したシーンを見事に描き、慎重に旅をする楽しさも加わる。
この在り方は、小説とゲームとで多くの相違が見られる事が大きな要因と思われる。
例えば、小説版ではアルチョムは比較的にお喋りなキャラクター(ただしお調子者ではない)であったが、ゲーム版では無口である。
また小説版では地上に出るシーンや印象を語るイベントもあるが、ゲームではそういったイベントを体感させる事に注力をしており、よくある原作モノゲームとは異なった品質である。
よって原作では丁寧に説明されていた重要な事柄が、キレイに消滅しているのが問題となった。
あまりにも説明不足なゲームであり、多くのプレイヤーが素晴らしい世界観に『画』で理解をしてもソレ以上は分からないことが多い、というより大半は説明がされなかった。
気になったので私はゲームをクリアした後に、小説を読んだが、原作者の気持ちは痛いほど解る。
ネタバレ無しに説明するのは難しいが、要は体感を文字で説明をしてしまうと、あまりにも野暮な事柄が確実に発生する。
それもメトロに関しては体験主義に徹すると、どうしてもアルチョムの在り方を根底から変える必要性が有り、仮に原作準拠でゲーム化したとするならば失敗した可能性があるのだ。
それならば、プレイヤーにアルチョムの体験をしてもらう事で世界を旅する楽しさだけを伝えたほうが、よりメトロらしいと感じる。
説明不足なのは間違いなくマイナスだが、ここらの兼ね合いは難しい。
あまり言及すべきではない要素かもしれない。

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荒廃した空気が凄まじい体験を与える

【終わる人類主義】
これまで様々な要素を述べたが、本作の長所はグラフィックスと音からなる独特の空気感にある。
グラフィックスは独自の4A Engineであるが、これがまた美しい。
こればっかりは幾つかのSSで見てもらおう。

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廃墟に差し込む光、時代が違えば観光地になったかもしれない

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地下廃墟戦闘シーン

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終盤の某メトロ

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来いよ


概ね好感の持てるグラフィックスだが、処女作でこれだけの力があれば十分だろう。
音も気合が入っており、特に風が地下を這うような不気味な環境音は本当に素晴らしい。

【短所は…】
機能していないショップシステムや単調なクリーチャー戦闘は、まだ許そう。
しかし、後半のミサイル発射基地は難しすぎである
恐らく、詰まるとすれば間違いなくココであり、元より高難易度であるメトロの中でも頭1つ抜けて難しいシーンである。
凄まじい敵量に、恐ろしくアホな味方AIがどうしようもなくクソであり、テストプレイをしたのかどうかさえ疑わしい。
またこのミサイル発射場は探索しても弾薬が少なく、中盤までに節約していなかったプレイヤーは初めからやり直す以外に道がない。
それとオートショットガンがぶっ壊れて強力過ぎる。
使わなければ済む話だが、これもシビアなゲームにしたい趣旨とは大きくかけ離れている。
主にこの2点を大きくマイナスにするが、総じて高難易度なゲームであるため長所も短所も人を選びすぎている印象
この手のコアゲームの宿命だが、開始3分で肌に合わないと感じたら即刻、プレイをしないほうが賢明である。

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何考えているんだよ!?

【-2033年、モスクワ、地上、曇-】
大変に素晴らしい空気感と、幾つかの空回りしているアイデア、シビアな進行は死と隣合わせの体験を描ききり、やや説明不足な後半は、原作を読んでも解りづらい箇所があるので仕方がないか。
プレイはスムーズではないが、決して安い演出や白けるような場面はなかった。
むしろ先へ進みたい気持ちで一杯になる地上戦や魅力的なメトロ文化、荒廃した建物の多くはプラスマイナスで上手く評価が下せないだろう。
個人的にはこのようなゲームは好きだし、もっと増えても良いと感じる。
よって本作は、プレイするに値し、同時にコアゲーマーなら体験すべき地下世界だろう。

89点

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Re: No title

記事を書いていると、客観的に物事を見る能力に欠けてしまうのが私の欠点で御座います。
そういったご指摘をされるのは、私としましては歓迎すべきであります。
むしろ、そういった意見が当ブログに存在するという事は大変に貴重であり励みになります。
有難う。



『強目』は私なりのアルチョムの性質を示唆した言葉です。
最初にアレックスおじさんを『カミソリのような目』と表現をしたので、何かしらの関係を持たせたかったのです。
考えてみれば、分かり難い表現ですし別の意味があったので表現を少しだけ変えました。



実験記事とは、どの記事を指しているのでしょうか?
期待に応えたいのですが、当方には思い当たる記事がございません。


プロフィール

ばりー

Author:ばりー
PCゲームとビールを愛するおっさん
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