Magrunner: Dark Pulse ショートレビュー

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学生時代、私は電磁気が大嫌いだった。
きっかけを作ったのは間違いなくBiot-Savartの法則で、その後に『無限に長い直線電流』とか言われても意味が分からない。無限に長い?そして日本語が1つも無い計算や活用出来そうもない法則を色々と学んだ。
こうしてようやく電気なるモノが、この世の真理の一端を担っていると知った。
その後になって現代科学の中心になっている量子力学や統計力学は電気だとか電子とかの小さな世界での話だから余計に難しい。
そう、解を得るには大抵に『困難な手順』が必要なのだ。

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Magrunnerは序盤からBiot-Savart並の難易度を誇り、幾多のプレイヤーを足止めにする。
Portalのパクリと言えるのは開始してから1時間くらいが限度で、直ぐ様に論理的な思考を要求してくる本作は本当の意味で『手順の大切さ』を教えてくれる。
引き合う力と反発する力という電磁気のような2力を用いて突破していく、その1つ1つのパズルはプレイヤーの思考の斜め上、バラエティー豊かな中盤以降は見た瞬間にOH!!と驚きの言葉と、これから十分に費やされるであろう時間に対しての感謝の言葉になる。
そして予測は確かに当たる。
特に後半戦は一歩一手順一思考ミスっただけで即死する鬼畜ワールドが画面いっぱいに色を与え、それが娯楽にもなっている点が素晴らしい。
最初こそ試行錯誤で突破しても、途中からは本当に幅広くなってくるため人によってはクリア時間に差が出るタイプのゲームといえる。
9時間でクリアをしたものの、体感的には20時間以上の達成感と疲労が伴う。少なくともDoom3より疲れる。

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まるで宝石のようなゲームだが、異様に悪いテンポがキズとなってダイヤの価値を下げている。
1つのパズルを解いても直ぐには次パズルには移行せず、魅力の無いキャラクター達の不必要な会話劇が始まる。
このイラつく進行が中盤終わりまで続き、パズルで良い印象があっても持続がしない。
しかもこのクソッタレなシーケンスがてんこ盛りなのも問題だ。
よって多くのレビュアーはこう書いてしまう。
「パズルの質は非常に高く満足はできる。だが致命的な…」
FPSパズルに必要なのはパズル難易度と流れるようなスピード感なんだ、両立されて無ければ文句の雨が降る。

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私は強く続編を望んでいる。
長所と短所がハッキリとしたタイトルではあるが、近年のFPSには見られない野心を感じさせる。
少々、古臭いデザインもあるのだが、不思議と許せてしまうのも長所が中々に整っているからだ。
もし貴方が映画好きであるのならプレイする価値は全くない、むしろクソゲーだろう。
本作を楽しめるのは、思考することを至高と思えるようなゲーマーか、或いは電磁気マニアか。
どうにしろMagrunnerはオンリーな作品であることは私が保証しよう。

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