Papers, Please ショートレビュー

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ゲームレビューは難しいものだ、書き方や表現1つでさえ内容に影響をする。例えば『壊れた巨大宇宙船から脱出を目指すエンジニアが工具を使う』とDeadSpaceをレビューした所で、何1つとして間違ってはいないが、この書き方から実際のプレイを想像するのは難しい。良いレビューと言うのは、アレやコレ、ソレと幾つかのトピックスを丁寧に説明して纏めるから、多くの場合で長文になってしまう。しかし、長ければ素晴らしいというモノでもないのだ。短い文章でも十分にゲームの本質を伝えることも出来るだろう。『ハゲ、暗殺、自由』、『ハゲ、脱獄、暗闇』、『モヒカン、世紀末、ベセスダ』、『CoD、CoD、CoD』、『偽造パスポート!!、帰れ!!、アルストツカに栄光あれ!!』

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プレイヤーは共産主義国アルストツカの入国審査官となり、入国審査に必要な手続き業務を行う。国境検問所には多くの人々が審査を待っているから、1人1人じっくりとパスポートを眺めているような余裕は無い。さっさと提出をされるパスポートを見て、入国許可のスタンプを押すだけの簡単な仕事…なはずだった。しかし、検問所でテロが起こってしまってからは日に日に審査は厳しくなっていく。パスポートの期限チェックは勿論のこと、労働許可証だとか、滞在理由だとかを細かく審査していかないと、給料が減ってしまい、最終的にはゲームオーバーになってしまうのだ。ミス無く効率的。まさに仕事そのもの。

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と、このように書いてしまうとPapers, Pleaseの本質を捉えていないレビューになる。このゲームの面白さは、厳しくなっていく審査基準に、自分が素早く対応していく様を確かに実感できることにある。最初こそヒーヒー言いながらプレイしていたのに、コツさえ掴んでしまうと「はい、このパスポート偽造だから帰って。はい次の人」と機械的な事務処理を行うことの喜びが得られ、それが妙な中毒性を持っている。慣れてくると、顔を見ただけで即入国拒否さえあるのだ。ブラックユーモアたっぷりでいて、骨が太いデザイン。こんな濃い事務作業を密室で淡々と行っているのが最高に笑えるのだ。そして時として他人の人生さえ左右しかねない判断を行うこともある。スタンプ1つで、こんなにも面白いゲームデザインがあるだなんて信じられない。

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Papers, Pleaseのゲームトレイラーを作る人たちは、さぞかし大変だろう。なぜなら、ゲーム部分の殆どがスタンプを押す作業だからだ。それは事実だから否定しようが無い上に、非常に面白みの無い(購買意欲の沸かない)動画になるだろう。
特殊部隊が世界を救う熱いドラマ?ないよ
無謀な冒険家が絶体絶命なシーン?ないね
スーパーカーによる熱狂的なレース?あるわけないだろう
貴方はただの入国審査員だ、そんなロマンチックな爆弾は炸裂することはない。
チェック、チェック、OK、スタンプ押す、これが永遠と続くだけ。
偽造されていないエンターテイメントゆえに、素晴らしいスタンプが押せるわけだ。

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