Outland ショートレビュー

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仮に貴方が長い期間ゲームをしていない人だとして - どれだけの時間が空いただろうか。3年か、或いは10年間(もしかして物理学者の帰還を待っているのか?)そして今日、運悪く、このコラムを読んでしまったゲーム知らずさん、最近のゲームの事を全く知らない方と想像いたします。ゲーム界隈の近況を知らないと言うのは、ある意味でHL2世代のゲーマーにとっては喜ばしい。グラフィックスは進化したが、デザインはさほど向上していない。開発資金は膨大になったが、アイデアは枯渇している。壮大なBGMは当たり前になったが、創造的な物語は何処にもない。カセットを入れ替える必要も、パスワードをメモする必要も、友人を家に呼んで2コントローラーを手渡す必要も無くなった。今のゲームと昔のゲームを比べるだなんて、技術力に違いがありすぎて無意味かもしれない。でも、何百年、何千年前から不思議と変わらない比較方法があるんだ。

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極めて高い完成度を誇るOutlandは名作STG『斑鳩』のアイデアを2Dアクションゲームへと上手に落とし込んだ作品だ。プレイヤーは青と赤の2属性を使い分けて、次々と待ち受けるトラップを突き進んでいく。画面中に赤弾が埋め尽くされていたとしても、主人公の属性が赤になっていれば、敵の攻撃は無力化される。しかし、敵自体の属性が赤であった場合、自分の属性を異なったものにしなければ、敵は打ち倒せない。画面には赤弾が溢れているが、敵は赤属性、といった状況や、さらに悩ましいパズルシーンはプレイヤーに、状況理解のスキルを要求するだろう。アクションはジャンプを中心にしたものが多く、マップ探索をするシーンは凄まじいセンスが爆発している。連続ジャンプをしつつも、同時に属性を切り替えての攻略…を突破した時、思わずガッツポーズをしてしまった。アクションは攻撃やスキルも古典的ではあるものの、無駄な部分が無く、純粋な2Dアクションに、まだまだ可能性が残されていることを主張している。

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芸術的な点では、満点を与えたいほどだ。行く手を阻む弾幕パターンは、まるでセンスの良い弾幕STGのように美しく、思わず立ち止まってしまうようなシーンも多い。アイデアが満載なパターンも見逃せないが、そこまで追求しているにも関わらず、理不尽な難易度ではない。ボス戦闘も、Outlandらしさが一杯で、「おお!!このギミックは良く考えたなぁ」と感心してしまう。パターンも枯渇している感じはなく、最初から最後まで、初見のエリアに到達した時のワクワクは継続されるのも見事だ。それに加えBGMや独特の色合い、画が実に神話的な纏まりで、しっくりくる。特にボス戦時に流れる音楽は、私が選ぶ2014年ベスト・ミュージックに選びたい。

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このゲームの最大の争点は、その難易度にある。幾つか難所ポイントが用意されているのだが、殆ど強引に突破することが容易にできてしまう。これは後半にいくにつれて体力上限値が増えるために、後半の難所ポイントであればあるほど、攻撃を喰らいつつも前進するプレイが可能なためである。一部の連続ジャンプをするような場面を除けば、恐ろしいほど『適当にプレイ』することが楽であり、攻略するのが楽しくなくなっていく。言い換えれば、このゴリ押し可能な後半面のデザインは、初心者救済とも捉えることが出来るのだが、それにより、せっかく敷き詰められた美しい思想を、土足で破壊しているような感覚に陥った。これは難易度調整のミスと言い切って良いほどの欠点だと感じる。

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ゴリ押しによって台無し、ラスボスがちょっと強い、といったマイナス・ファクターはあるものの、作品のユニークさを1つに集約したことを考えれば、傑作ゲームに分類されるOutland。余程のことが無い限りは、プレイすべきPCゲームである。そして比べてみたらいい、古今東西のエンターテイメント本質を。恐らく、何も変わらないはずだ。

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No title

斑鳩を例に挙げられていますが
斑鳩と同開発会社トレジャーのシルエットミラージュが斑鳩のシステムを使った横ACTだったりします
興味があれば名作ですのでやってみてはいかがでしょう
PC版はありませんが…

Re: No title

> 斑鳩を例に挙げられていますが
> 斑鳩と同開発会社トレジャーのシルエットミラージュが斑鳩のシステムを使った横ACTだったりします
> 興味があれば名作ですのでやってみてはいかがでしょう
> PC版はありませんが…


ゲームアーカイブスで配信されているようなので、時間があればプレイすると思います。
それに限らず、古い良作ゲームタイトルに関する記事は書きたいとは常々に思ってはいるのですが…
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