コラム:広がりすぎた歩道とその世界

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2001年の世界情勢といえば、アメリカ同時多発テロが発生し、怒った星条旗がアフガニスタンに侵攻、IPodがデジタルの力で音楽を変化させ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが開園したかと思えば、東京ディズニーシーも登場した。そしてゲーム史に残る大作、つまるところ街全体をオープンワールドにし、その中で何かが出来る - Grand Theft Auto IIIが発売をし、後のタイトルに大きな影響を与えた。主人公Claudeが歩いたリバティーシティは、広大で、それでいて複数の組織が蠢く。一見すると小奇麗な道角だが、奥に進めばハンドガンと射撃的が置いてあるような危険地帯。GTA3は『いかにもありそうな光景』を、巨大な空間でキチンと表現をした。無害な一般市民や強力な国家暴力という両極端なNPCが主軸を握り、それこそが生きる屍都市リバティーシティの有様に思えて仕方が無かった。

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最高/最低のオープンワールドゲームFarcry2は議論尽きぬ作風だった

広がりすぎた歩道、ただ歩ける面積が広いだけの馬鹿げたタイトルの事だ。ゲーム会社の宣伝文句にするには良いのかもしれないが、実際にプレイをするとなれば移動に膨大な時間が掛かり、それこそ『おさんぽ楽しいな』ゲームに成り下がる。とはいえ、オープンワールドなのだから、畳3畳の広さでとびっきりのエンターテイメントを披露されても白けるだけだ。今考えると、GTA3はフィールドの広さも適切でありながら、いかにも存在をしていそうな社会をどのように表現するかに注力していたようにも見える。Fallout3では各都市ごとにユニークなキャラクターを際立たせていて、更に街の構造も風変わりなものが多い。これも1つの上手な社会の表現方法。でも、まだまだ。文化色が無かったので、どこに行こうが行き着こうが、クエストとアイテムが置いてあるだけ。それを悟られないように雰囲気で覆い隠したんだ、リベットシティだってそうだっただろう?(これはこれで成功をしているけれど)

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とある世界、とある道端、最強の英雄は立ち止まる

The Elder Scrolls V:Skyrimの各地方における豊かな文化色には未だに驚かされる。フィールドが広いだけのゲームじゃない、それぞれの物語、歴史が交差するようにデザインをされているから、その世界における歴史が機能している。これにより、正に架空の世界が『存在する』かのように思えてしまう。このゲームは地方と都市部とでは思想が大幅に異なっており、例えば巨大都市であれば内戦に備え、厳戒態勢が敷かれている。一方の地方は取り残されつつも、現状維持で保っているような感じだ。小さな村にふらりとドヴァキンさん、小さな物語が始まる。農作業をする農民を馬で横切る時、何とも言えない気持ちになり、わざわざ馬から降りて村に寄ったプレイヤーも多いだろう。それはクエストやアイテムを求める行為ではなく、その村の文化に触れたいと感じたからだ。この部分での見えない誘導がThe Elder Scrollsは巧みなので、ついつい無駄足が増えてしまう。

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トラブルの多い3人、それぞれの生き様がドラマ仕立てで進行するGTA5

最高のオープンワールドゲームは、いずれ本格的なワールドシュミレーターと呼ばれるかもしれない。1つの舞台が、刻々と情勢変化をし、それが主人公たちを翻弄する。恐らく、それが表現される社会は、十分に考察された歴史と文化が折り重なるように存在をしていて、退屈な歩道は少ないはずだ。考えただけでも、恐ろしい開発期間と資金が必要となりそうなので、このようなワールドシュミレーターが本当に完成するのかどうかは疑問である。まぁ、しかし、私は未来予想が下手なのでアテには出来ないな。いずれ、いずれ歩道が広いだけのゲームが、「この歩道は、架空だと確かに理解できるが、過去に通過したことがあるかも知れない」と思える道が創造されるかもしれない。

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最高の都市サンアンドレアス州。あれから11年後のサンアンドレアスもまた、過去に通過したことのある都市だった。私にとってはだけれどもね。

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