雑記

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アイギス「大きな力の話です」

大戦末期、アメリカ合衆国は膨大な資金と人材をつぎ込み、2タイプの原子爆弾を完成させました。ウランを用いた原子爆弾『リトルボーイ』は広島へ、プルトニウムを用いた原子爆弾『ファットマン』は長崎へ投下され、多くの人命と財産を破壊しました。その後、原子爆弾は何回かの改良を受けながら、今日までに地球上に存在する核兵器の数は17000発以上と言われています。今回は、原子爆弾の簡単な原理を説明をしますが、過程の中で幾つかの重要なトピックスを取り扱いません。全て説明をする紙面もありませんし、そんな文章を書き上げたら出版して印税を受け取ることも出来るでしょう。実際、原子の話になるので、非常に難解なのですが、出来るだけ分り易いよう説明になるように努めました。ただ、私個人としては全ての日本人は、原子爆弾についてある一定レベルまで知識として知っておく事が必要だと感じております。また私の知識の関係上、リトルボーイのみの説明になります。



ウランについて考えましょう。ウランという単語は聞いたことがあると思いますが、この地球上にあるウランの殆どがウラン238です。ところで238って何でしょうかねぇ?U-238なんて表記をするとドイツの潜水艦っぽいカッコ良さがありますが、科学的にはキチンとした意味があります。まずウラン原子は原子核に92個の陽子と146個の中性子を持っています。原子核?陽子、中性子って何じゃらほい、となった方がいると思いますが、そういうものが原子の中に詰まっているのです。陽子92個+中性子146個=238、ハイ簡単ですね、ですから名前がウラン238と呼べるわけです。しかし、世の中にはウラン235というヤツがいるのです。ウラン238とウラン235の違いは中性子の数が3つ違うだけです。たった3つ違うだけなのですが、これが原子爆弾に用いるとなると、ウラン235の方が圧倒的に有利な反応をするのです。ここから先、読むのが面倒な方は、これだけ覚えておいて下さい。原子爆弾に使われたのはウラン235。それだけ知っていれば十分です。



ウラン235の原子核に1個の中性子をぶつけます。すると原子核が分裂をして、2つの断片と2つの中性子に分かれます。この時、近くにウラン235があると、また中性子が原子核にぶつかります。これを核分裂と言い、これが連鎖的に行われると大量の原子核の分裂が発生します。これはウランに限らず、プルトニウムの場合もほぼ等しいと考えてよいです。この一連の反応は、よくビリヤードに例えられます。私が中性子ボールを弾いて、原子核ボールに当てると、突如として分裂をするわけです。ビリヤード台の中に沢山のボールがあるとするなら、次から次へ分裂が起こっていくわけです。ぜひ数学が得意な方は何回目の分裂でビリヤード台が埋め尽くされてしまうのか計算をしてみると良いでしょう。何なら建物自体が埋め尽くされる数まで計算をして見てください。本当にあっと言う間に、恐ろしいスピードで埋め尽くされてしまうはずですから。
さて、ウラン235のエネルギーはどのくらいになるのでしょうか?(エネルギーについては皆さんもう知っていますよね?)
大凡ですが1(g)あたり820億(J)、もはやバターだとかTNTと比較しようも無い膨大なエネルギーです。そんなモノが次から次へ分裂して行くということは、破壊的な威力が生まれると言うことなのです。かなり乱暴な説明ですが、これが原子爆弾の原理です。



リトルボーイは簡素な構造をした爆弾でした。爆弾内部には1つの長い円筒があり、その片側にウラン235、もう片側に発射火薬とウラン235が置いてあります。この時のウラン235は臨界質量ではないので、それだけでは至って平常です。ところが、発射火薬が点火されウラン235が物凄い勢いで、片側にあるウラン235と結合をすると、臨界質量を超え、先の核分裂連鎖反応が始まります。この構造は砲身方式と呼ばれ、大戦末期の時点で『確実に動作をする原子爆弾』として投入をされました。一方のプルトニウム型のファットマンは爆縮と呼ばれる設計をしなければならず、これが爆弾の構造を遥かに複雑化させる要因になっていました。こうなってくるとファットマンよりも構造が簡単・シンプルなリトルボーイの方が戦術的に有利のように思えます。しかし、リトルボーイには致命的な欠陥が2つもあり、核兵器の主流にはなりえませんでした。



リトルボーイにはフェイルセーフが存在しませんでした。つまるところ、発射火薬が何らかの要因で点火した場合、必ず核爆発が起きてしまうのです。これは構造的な欠陥であり、あまりにも危険すぎると判断されたためリトルボーイは製造されなくなったと言われています。もう一つの欠陥、もといウラン235があまりにも貴重であったため、製造自体に問題がありました。先にも述べましたが、地球上にあるウランの殆ど、99%以上がウラン238です。ウラン235は地球上に1%もありません。しかも、天然ウランからウラン235を分離するのは極めて困難であり、さらに掻き集めたウラン235を高濃度に濃縮する工程がありました。この作業は一個人や組織が出来るようなものではありません。更に言ってしまうと、ファットマンに用いられたプルトニウムは比較的簡単に製造が可能であり、爆弾の構造が複雑化するものの、大量生産だけを見るのであれば比べるまでもなかったわけです。



Wheatleyを破壊するために何発の核兵器が必要になるのでしょうか。人類は腐るほど核兵器を製造してきましたから、何発だって実験に使用できます。あんまりにも実験しすぎて、これまでに実験で使用された核弾頭数はリトルボーイの3万5千発以上だと言われております。それらの実験を禁止するCTBTも現在、ほぼ形だけの存在となっており、アメリカやロシアに至っては『核爆発してない核実験はOK』という意味不明の言い訳をして臨界前核実験をしまくっています。しかし、ココに来て大量の核兵器を所有する国は、自国の核弾頭の劣化・維持費に頭を抱え始めました。私は、案外、こういった財政面から核軍縮が本格化すると思っています。何も全ての政治家がマヌケなわけではありませんから。そう信じたいところであります。



何だか珍しく真面目な終わり方ですが、Wheatleyの破壊が出来ていません。と言うことで、次回が彼の終焉です。現在、人類が知っている最も破壊的な現象、そして私が選ぶ最もエレガントな破壊によりマヌケは撲滅されることでしょう。では、次回の雑記でお会いしましょう。

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