Dying Light ショートレビュー

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ここ数年、新たなオープンワールドゲームの発売前夜は盛上がり、話題が絶える事がないものの、発売後に消え去らないタイトルは中々に現れなかった。広いフィールドを用意して、『そこから何が出来ますでしょうか?』大統領がスーパーマンのように空を飛ぶタイトルもあったが、前作と全く同じMAPを使いまわすだなんてセンスがありすぎるよなぁ、Volitionさん。Just Cause 2はMAPが広いのは良いが、無駄なスペースが多すぎる。Far Cry 3はUplayという人類史上最も不必要なアプリをいれなきゃならない。Arkham Knight?マジで言ってるのか、あれだけPCゲーマーを舐めたタイトルも無い。色々と考えたんだけど、選択肢は2つ。黙ってGTA5に必要なHDD容量を確保するか、或いはポーランド産のゾンビゲームに飛び込むか。

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二代目Dead Islandと思うなかれ、Dying Lightの構想は過去のオープンワールドと比較しても異質である。Techlandも広い庭をただ移動するだけでは面白くないと思っていたのだろう、彼らがDead Islandから追加したアクションは、ずばり飛び越える移動である。この救いようのないハラン市内は、雑居ビルから高速道路、バリケード等の障害物が多数用意され、それらを連続して飛び越えていく移動が、アクションの中枢として機能をしている。これはゾンビとの戦闘が難しめに設定されているために、逃げが攻略として成り立っている点にある。特に序盤は戦闘スキル・武器も乏しいので屋根伝いに逃げ移動をしないと、厳しい展開が多い。このゲームの基本は逃げること、それも追ってくるゾンビよりも早く、的確なルートを選んでジャンプ・ジャンプの連続劇場が手に汗握るのだ。

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昼間と夜間では、殆ど別ゲームのような難易度である。昼間なら、ちょっとしたエリア探索やら困っている住人を助ける等のイベント攻略が捗るのだが、夜になると一転して人間側が不利である。ボラタイルという強力なゾンビが沸き不運にも見つかってしまうと、それは狩の始まり。強力な武器を所持していたとしても、物量が違いすぎるため、かなり危険な接近戦闘になることは間違いない。しかも、ボラタイルは異様な高火力パンチを連続して行ってくるので、凄まじいほどボコボコにされる。移動スピードもプレイヤーと同等レベルであり、序盤から終盤まで夜間行動には緊張感がある。この夜間世界が、ゲーム中盤以降の退屈さを遠ざけており、非常に上手な圧迫感である。

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MAPの作り込みがきめ細かく、かつ移動をウリにするだけのセンスを十分に感じさせる。特に高所デザインが巧みで、高低差の入り組んだ過密化した現代都市がそこで機能をしている。私が思い出すのは…恐らく私だけではなくDead Island体験者の記憶に残っているのはAct2『モーズビー市街』の攻略であろう。あのMAPは、大変に複雑な都市MAPでいて、小さな小道が、まるで血管のように張り巡らされているのにも関わらず、欠陥ではない。モーズビー市街のようなごちゃごちゃした美学が、Dying Lightには詰め込まれているので、走り抜ける快感は常にあった。さらに言えば、ハクスラ色を薄くして、純粋なアクションを目指したのは大正解だった。煩わしい宝箱マラソンはしなくともクリアできるし、仮にしたとしてもレア武器は片っ端から壊れる仕様だ。壊れそうになったらさっさとレア武器を捨てて、次なる短い時間の相棒を探す。かなり割り切っているが、このおかけで疾走した展開がEDまで続いた。

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1つのパッケージとして見ると、極めて高い完成度を誇る作品であるのだが、2点だけケチをつけさせてもらう。まず1点目は、日本語版の規制問題。このゲームは、ある期間だけ日本語版での血液表現が赤色ではなかった。この規制問題は、ユーザーから大反発を受け、各レビューサイトで酷評が相次いだ。あまりにも騒動が大きくなって慌てたTechlandが修正をしたため、現在では概ね表現規制は無い。しかし、こういった騒動を予知できない会社だとは思えない。Dead Islandでアレだけやっといて、今回は規制しましたなんて馬鹿も休み休み言えである。2点目はラストシーンがQTEだらけな事。クソにも程がある。QTEがいかに害悪であるかを理解しきれていないようだな、Techland君。私が説教をしてやろう。

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Dead Islandから引き継いだ戦闘に、独特の移動デザインが組み込まれ、それらが邪魔することなく楽しさに直結をしている。オープンワールドとしては高水準であり、かつアクションゲームとして眺めるとセンスがある。ゾンビゲームなのに、溢れんばかりの活力に満ちているのは矛盾だと思うが、それでも傑作であると言えそうだ。貴方が大のゾンビ嫌いでなければプレイすべきだし、ゾンビ嫌いのPCゲーマーは…まぁ、そんな人は居ないだろうから気にする必要もないか。

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