ゲームになった映画たち 完全版 書評

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子供の頃に見た映画で記憶に残っているのは、『ゴジラvsデストロイア』である。キャッチコピーは「ゴジラ死す」という衝撃的なモノで、あの無敵の怪獣王が死ぬはすがないと映画館に行って見たら、本当に死んだので衝撃を受けた。この後もシリーズは続くこととなるが、ファンの間でも評価の高い作品が多かった『平成ゴジラシリーズ』は事実上の完結をすることとなった。当事、ゴジラが社会的に人気が高かったのは、時代によるトコロも大きい。ゴジラvsデストロイアが公開された1995年はPC業界では新OSが世界を巻き込み、ギャルもいたし、Mr.Childrenだとかスピッツといった正真正銘の音楽が街中を闊歩していた。この期間は時代遅れなのか、最先端なのか、よく分らない商品も多かった気がする。そんな中を、クソ強い怪獣が暴れて、新たな相手を倒しきる王道物語は、古典的正論そのものだった。今、私は映画を見ない。見るべき作品も、知るべき名作も、流行りも分らなくなってしまった。ああ、そういえばもう一度みたい映画があったな。ほら、あれだよ、エリオット少年が宇宙人を匿うやつ。その作品は大ヒットしたんじゃなかったかな。で、ゲーム化したんだよ

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シネマゲーム・・・知る人ぞ知るクソゲーの宝庫であり、それ以上に『よく分らない作品』が非常に多く、ゲーマーの間でも支持をしているのは一部だけだと思われる。私自身もシネマゲームは管轄外で、なるべくなら避けたいジャンルでもある。このジャンルが厄介なのは、原作映画を知った上で、ゲーム部分も楽しまなければならない事にある。大事なのは、原作を限りなく愛していなければ購入まで至らないと言う点、更に原作を知り尽くしていなければ各シーンでの楽しみ方も分らない。例えるのなら、フランス語で放送されている笑点だ、フランス語と日本的な笑いの2つを事前に知っておく必要があり、それは敷居が高いように思える。ところが、本書は巧みに纏め上げてくれたのである。
まず情報量がイカレている。P254にも及ぶ圧倒的なシネマゲームの紹介、暴力的とさえ思えるクソゲーですら平然と紹介する無差別さ。スターウオーズやエイリアンといった有名なタイトルから、シャッターアイランドとかいうマイナー映画まで網羅。しかも文章を読む限り、マジでE.T.をプレイしたり、ゲームハードやら発売時期、映画ジャンルおかまいなしに、次から次へと批評しまくっている。その殆どがマイナーゲームだが、どうやって収集をしたのだろうか?この本を製作したチームは強烈なファンというか、好き者というか、まぁ、普通とはいえないシネマゲーム愛を感じる。

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勿論、ゴジラ・ゲームも掲載されている。しかし、ページ割の関係からか、全ての作品を紹介できなかったらしい。しかも謎のバンダイ推し。違うだろ!!ゴジラゲームと言ったらアルファシステム開発のゴジラ 怪獣大決戦だろうが!!あの作品を紹介しないだなんて、この大馬鹿野朗!!とツッコミを入れたら、次のページではガメラ・ゲームを熱く紹介し、マルサの女(なんだ、その映画は?)は良ゲーだと褒める。この流れが250ページも勢い衰えることなく続くものだから、読んでいる途中で嘔吐しそうになった。本書から感じるのは「誰得なんだ、この濃い情報は?」という空気感である。例えば、P111に掲載されている「バカルー・バンザイの8次元ギャラクシー」批評なんて、何回読んでも何ゲーで何の映画か分らない。ピーター・ウェラーがゲーム化されていたと興奮して書かれているが、一般人からしたら、愛が深すぎて危険な文章である。その他にも原作映画を知っていないと置いてけぼりになるような文章が多く、ゲーマー寄りではなく映画ファンのためのバイブルである。

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本書を書くにあたって、その情報やリスト集めに10年間が費やされた旨があるが、確かに10年の重みを感じさせる研究本である。少なくとも、この手のマニア本は、買う人が相当に限られている上に、下手な記事を書くとあっと言う間に「にわか」扱いされる。著者のジャンクハンター吉田氏が、そういった扱いをされていないのは、一重に本書があるからだと思う。こんなシネマゲーム愛に塗れた本を出したのだから、この方は世界屈指の呆r・・・素晴しいゲーマーだと私は思う。ただ、何度も言うように、映画寄りな文章なので、私のような映画知らず人には、やや厳しいものがある。ただ、後半から始まる「映画化されたゲーム」の紹介ページは本当に面白く、ゲームを知っている人ほど楽しめる記事になっている。Doomが映画化されているのは始めて知ったし、Farcryとかは逆にレンタルしたいほどだ。(Farcryを映像化するなんて無理があるんじゃないか?)

結論をすると、この本の使い道は2つしかない。

1:我こそは真のシネマ愛を語る者だと、井の中の蛙となっている人。貴方の知識はホンモノかな?

2:図書館。職員さん、この本は大変に貴重な資料です。直に保護してあげてください



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