World Guide to Beer Modern Times red rye

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第86回 【技術革新3】

石油から様々な製品が作られるが、中でも繊維製品の開発を熱心に行っていたのがデュポン社だった。後にナイロンの開発で有名になり、次々と合成樹脂や合成繊維で大儲けをした巨大企業である。この分野では世界最大の企業であり、新製品の開発も巨額だ。ステファニー・クウォレクは優秀な科学者であったものの、女性差別のために社内では疎まれる存在だった。彼女はポリアミドを研究中に偶然にも『いつもと違う失敗作』を造った。奇妙な液体に関心を持った彼女は、それを上司に報告をしたが無視された。また報告をしたが無視された、また報告を・・・クウォレクの熱心な説得に根負けした上司は、その奇妙な液体の研究を許した。すると、これまでにはない奇妙さが次々と発見されていったのだ。この奇妙な液体から作られた繊維は、異常なほど頑丈で、調べてみると鋼鉄の5倍も強靭なことが判明したのである。クウォレクはこの研究を続けて、特許を取得した。その特許はデュポンが買い取り、それ相応の昇進・給料を彼女は手にすることとなった。それ以降、製品化された特殊繊維はケブラーと呼ばれている。ケブラー繊維は、曲がりにくかったため通常の繊維製品に用いられることはまずない。またケブラーは特性上、強い力が加わると、その衝撃で延びる。これらの特性は防弾チョッキにうってつけだった。しかし、肝心の軍隊はケブラーにあまり関心を抱かなかった。銃弾を止める繊維に疑問があったらしく、ケブラー防弾チョッキの採用は見送られた。ところが、ベトナム戦争が終わると、すぐにケブラー繊維の重要性に気が付き、打って変わって膨大な予算が投入されることとなった。それまでの防弾チョッキは金属板を用いた古式のモノであったが、ケブラーなら大幅に軽量化することが可能だ。また鋼鉄以上の強度を持つケーブルが開発可能となったことによる恩恵はとても大きい。特に建築関係ではケブラー繊維が必要不可欠で大活躍をしている。

女性科学者クウォレクが赤色が好きだったかどうかは不明だが、情熱研究家という事で赤色ビールを紹介する。今回はIPAに属するジャンルであるため、味はかなりきつそうだ。

飲んでみよう。
IPAらしくホップが強いため、飲めない人も出てくるラインだ。柑橘系の、特にグレープフルーツのような香りが鼻を刺激し、飲みごたえがある。とにかくホップ味を全面に押し出している。ライ麦らしさは少しあるのだが、それよりホップの方が強く、どこまで行ってもIPAの直線をひた走る。ある意味、予想通りな味なのだが、強烈にきついというわけではなく、どこか優しい。奇妙さはないのだが、堅実に強い土台を感じるビールだった。

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強いビールが好きな方にお勧めです。

次回『技術革新4』

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