Dungeon of the Endless ショートレビュー

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死刑囚を収容した宇宙船が墜落。
運よく助かった船員と死刑囚は、墜落現場からの脱出を試みるが、そこら一帯は不思議な地下遺跡だった。地上を目指す一行は、力を合わせてダンジョンを攻略していくが、次第に資源やリソース問題、そして暗闇がチームを襲う。おまけにモンスターの巣窟もあり、脱出は決して楽なものではない。探索から帰ってこない死刑囚、モンスターの来襲に備えて武装タレットを配備するクルー、次の部屋にあるのは宝箱か罠か。何故か遭難中のTeam Fortress 2メンバーも加わり、チーム一丸となって脱出を目指すが・・・

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安価な割に遊べるゲームである。
プレイヤーは墜落して迷い込んだダンジョンからの脱出を目指すが、ルールが独特でプレイして覚えていく類である。ダンジョンは毎回に自動生成されるが、基本的なルールとしてスタートエリアに鎮座しているクリスタルを、ダンジョン内の何処かにあるゴールエリアに運べば該当エリアをクリアできる。ただし、スタート時点では未探索エリアしかないため、各NPCを未探索エリアに送り込み、状況を把握しなければならない。各エリア到達時に、抽選が行われ、それによって行わなければならない行動が発生する。この部分のルールがやや複雑なのは、各エリアに"電力"を送り込むことで、各種リソースを得る事が可能な建築物を建てる権利を得られるという点にある。リソースは、工業力(何かを建築する力)、科学力(各建築物をアップグレードしたり新規建築物を作る研究費用)、食料(プレイヤーキャラをレベル上げしたり回復したりアイテムを購入する力)の3つに分けられる。ぶっちぎりで重要なのは食料であり、これが尽きるとチームの戦闘能力向上が難しくなり、探索が難航する。しかし、工業力軽視をすると、そもそも食料リソースを得るチャンスを失うことになる上に、防衛施設の建築が出来なくなるため、これも重要。ところが、この建築物はレベルアップ可能で、これを行うのが科学力である。つまるところ、食料>工業力>科学力というリソース順位は、状況によって大きく異なるケースが多く発生するという点においてバランスが良い。

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かなり難しいゲームに属する。
難易度は”とても優しい"か"優しい"の二種しかないが、実際は"難しい"と"苦しんで死ね!!"だろう。リソース管理が難しいが、特に電力の扱いが悩ましく、進めば進むほど電力がカツカツになる。そのため、探索を早めに切り上げてゴールを見つけて、クリスタル運搬の手筈を整えるのが定石だが、先の工業力・科学力・食料の3リソースは新規エリアを発見したターン時でないと得ることが出来ない仕様のため、探索を全くしないと何も得ることが出来ずに次ダンジョンへ進んでしまう。困ったことに、発見したエリアで通電していない場合、次の新規エリアへ進むと抽選によっては敵が大量に発生し、しかも割と敵が強いため、これを無視するとチームが簡単に全滅する。電力がかなり限られているゲームのため、通電させるエリアを選別する戦術が極めて重要で、しかも防衛施設建築のためのリソース管理も大切になっていく。これは後半のダンジョンだとエリア数が多くなるためで、探索する危険性が高まる。こういったシビアなゲーム性を有するため、序盤でも全く気が抜けない。

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ユニークな仲間を使役して、それぞれが得意な作業をさせていく。
戦闘が得意な傭兵からメカニックまで、多くの尖ったNPC達が団結をして様は、その一回限りのゲームプレイながら、一階ごとにドラマを産む。クリスタルをゴールエリアまで運ぶ仲間を、死刑囚たちが護衛する等、毎回にハラハラさせられてしまう。また、2Dグラフィックスも味がある色合いであり、心地良いものがある。実際のプレイフィールとしては、1ターンごとにRTSとタワーディフェンス、その合間に脱出経路を模索するため、操作の忙しいターンとそうでなないときの差が激しい。これが飽きさせない創意工夫として成功をしており、最後の最後まで考えさせられた。ただし、このシステムの欠点としては、後半のダンジョンはエリア数が多く、これが自動生成のエリアとの兼ね合いで"運ゲー"を加速させている。明らかに運が悪いと、探索時の苦労が増大する仕様のため、元から難しいゲームであるにも関わらず、あまり良くない方向性を示唆してしまっているように感じられた。個人的な意見であるが、リソースの無駄としか思えない低性能な建築物が幾つか散見される。超絶なプレイヤーなら上手に設置できるのだろうが・・・脳筋!!死刑囚は時に見捨て、クルーも気づいたら死んでいるよ!!というような"午後の探索チーム"では使い道が解らなかった。

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やや人を選ぶ。
ゲームシステムとしては纏まっている。バランスも・・・まぁ、練られている。各NPCも個性豊かで面白いし、先に何が待ち受けているのかを考える戦略性は十分で、確かなプレイを感じさせる。しかしながら、一画面の情報量が多く、RTS慣れしていないと厳しいかもしれない。先にも述べたが、難易度が強烈で、良くも悪くも後半は運ゲーである。頑張って11Fまで到達したのに、罠の連続発動で、防衛エリアが壊滅し、電力が断絶したエリアから大量の敵が溢れ、鳴り響く警報と共に壊滅していくチーム。このような惨状は、本作では決して珍しい事ではなく、理不尽な戦況に対応できないプレイヤー側の責任だと言わんばかりである。1プレイでサクサクな快適ゲームを求めるのであれば、手を出すべきではない。逆に古典的なPCゲームを愛し、厳しい制限の中を探索して、しっかりと戦略家を名乗れる自信があるなら、貴方はチームを率いるべきだろう。

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何度も壊滅したが、6時間程度で無事脱出に成功をした。
中層でリソース不足に陥ると、情勢の立て直しは厳しき道である。攻略のポイントは、仲間の性質を理解することで、移動スピードの大小を覚えるだけでも、かなり先へ進めるはずだ。また、電力が重要なため、通電していないエリアへ続く道に防壁を築くことも重要になってくる。通電していないエリアから敵が発生する可能性があるため、常に最悪の事態に備えるのだ。とは言え、そのためのリソースも無限ではない。
このゲームの面白さは、次ターンが最悪の戦況に陥った時の対処法にある。それぞれ異なったプレイになるだろうが、私のチームは、常に先手必勝。「敵が発生したら、全員でぶっ殺しまくれ!!」こんなチームでも何とか脱出できるあたり、Dungeon of the Endlessは良作なのだ。

コラム:取り留めの無いゲーム小話(2019年10月)

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暴力・金・欲望・美女・極道
龍が如くシリーズは息が長く、ゲームファンを名乗るのであれば一作は触れるであろう和製GTAだ。主人公・桐生一馬は神室町なる架空の繁華街に生きるヤクザ(元ヤクザ)だが、海外製オープンワールドゲームとは異なり、MAPのスケールが小さい代わりに、作り込みが非常に細かい事が魅力の一つだろう。神室町のモデルとなった歌舞伎町のような空気が詰まっていて、"東洋一のヤバい一帯"が見事に描かれている。実際に歌舞伎町に行った方が、神室町を見回してみると、明らかに"まんまな一角"が多く見られる。特に都内最大級のラブホテル街と名高い歌舞伎町2丁目は、同作品のウリの一つであるキャバ嬢との交流イベント等で似たようなエリアが幾つかある。また、新宿ゴールデン街なる酒飲み地区や歌舞伎町1丁目といった華やかな夜の総本山も此処である。何度か歌舞伎町に行ったことがあるのですが、夜の歌舞伎町は、本当にアジア一の別格さがあり、あの街で闊歩する絶世の美女、明らかに強そうなオッサン、近寄ってはいけない外人、吐いている兄ちゃん等、欲望の上に詐欺と大金、暴力が生産されているような危険地区である。実際に行くのは・・・まぁ、人生で一度や二度なら貴重な経験かもしれませんが、入り浸るには大金が必要でしょうし、兎にも角にもリアルな危険が伴う。そういう場所は非常に魅力的ですが、それをゲーム内で表現している点が、他のオープンワールドとは異なる。リバティシティーやニューボルドーにも繁華街は存在するが、桐生が生きる神室町はそれを超える治安の悪さである。人間というのは中々に悪への好奇心が尽きないもので、誰もが大金持ちになって美女とイチャイチャして、何もかもを見下したいと考えます。龍が如くでも、お金持ちで筋肉ムキムキの魅力的なワルが大量に登場をしますが、たいてい殺されます。このゲームはヤクザがミニ四駆ではしゃいだり、武闘派ヤクザが幼女とカラオケでキモイ声を出したりして盛り上げてくれますが、本筋ではぶっ殺され、ぶっ殺しの連続です。そういう不思議さが神室町が架空であって欲しい理由でもあり、現実に存在していてもおかしくはない地区を構築しているのかもしれません。

・・・

と、説明したのだが、私が一番に好きな龍が如くシリーズは龍が如く 維新!なので現代のネオン街は出てこない。時代は幕末、現代ではヤクザな桐生ちゃんも土佐の“龍”となって活躍します。この作品はスピンオフながらも、これまでの作品に出てきた悪役やら味方が集合するお祭り的な立ち位置であり、初めて同シリーズをプレイする方は、そのメンツの濃さに吐くと思う。何せ美形剣士で有名な沖田 総司を真島が演じているのでカオスである。(しかも何時も通りに関西弁)ちなみに精神的前作に当たる龍が如く見参!では、宍戸 梅軒もとい真島 五六八として登場し、やはり関西弁で喋る。この真島吾朗というキャラクターは非常に人気があり、恐らくは主人公桐生ちゃんよりも人生を謳歌している感がある。武闘派にも関わらずダンスやカラオケ、コスプレを愛し(?)、主人公と喧嘩する事を目的に近寄ってくるライバル兼味方のような存在だからかもしれない。全作品をプレイしているわけではないので何とも言えないが、初代から登場をしているため、かなりの作品で目にすることになるイカレ組長である。そのようなイカレ組長が沖田を演じているのだから、初登場時には大笑いしてしまった。いつもの兄さんじゃねぇか。
もう一人、濃いキャラクターと言えば龍が如く2に登場をする悪役・郷田龍司も幕末では西郷 隆盛として生きている。こいつも関西弁だが、あまり違和感が無いのが更に笑える。一応、実際の西郷と顔立ちが似ていると言えば似ているので、真島よりは幾分マシ。と、このように誰もが知っている歴史を、同シリーズのチンピラやら組長、金貸しが演じているので、実は始めてプレイする方向けのように思える。この作品はやや戦闘の難易度が高いものの、回復アイテムが多く持てるシリーズなので、ゴリ押しでも何とかなる。初代の発売が2005年と古く、数多く作品がリリースされている同シリーズだが、敢えて推すとすれば私は龍が如く 維新!が良いと思いますよ。

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おいコラ、桐生!!
なんでYakuza 0(龍が如く0の海外版及びSteamでの販売タイトル名)で所持金が20万円ぽっちしか無いんや。さっきあった2000万円はどないしたんやボケ!!カツアゲされた?知らんわ、さっさと公園にいるホームレスに酒を買ってやってシナリオを進めろや。まだ第二章やろうが。っていうか購入してから3か月以上も公園のホームレスと戯れて何がしたんや!!クエスト達成に必要な酒を対象NPCに渡さんとシナリオが進まないと普通解るやろ?ほんでゲーセンでアウトランとスペースハリアー廃人やっとんたんか。まぁ、ゲーム内ミニゲームで、アウトランがプレイできるのは凄い事や。その昔、PS2で"SEGA AGES 2500 シリーズ Vol.13 アウトラン"があったんやが、あれは完全に失敗作やもんな。オリジナル版では画面上に圧倒的な情報量が流れていったモンが、何故かポリゴン化していて余計な小細工が腹立つわ。それよりも一番にやりこんだアウトラン2(OutRun2006:Coast 2 Coast)を早くPCに移植してほしいんや。パッケージ版のアウトラン2は家庭用版も含めプレミアム価格でしか販売しとらんから、さっさとDL販売せぇ。
なんや、その反抗的な目は。そんなにシナリオを進めたくないんか。ボッコにすんぞ、コラ。・・・弱いなアンタ。え?格闘スキル1つも取ってないやんけ・・・マジで溜めた金をカツアゲされて、溜めてはアウトランだけしてたんか。3カ月間も?初期格闘スキルでさえスキルスタート位置から一歩も動かしてない最弱状態やんけ。(※相当に弱いです)武器も持ってないし・・・クリアする気ないやろ。もう、こっち来い。そこの椅子に座れ。そこや、ほら、この記事の最初に戻って。頭が失望してるんや。少しは説教を喰らっとかんといかんな。
そういうわけで、この記事を書き終わり次第、真面目にシナリオを進めようと思いました。

・・・

まぁ、進めないんですけどね
私はオープンワールドゲームであれ何であれ最強キャラを作成するだとか、効率的にクリアを目指すというゲーマーらしいプレイを全くに心がけておりません。一番に酷いプレイで進行をしていたのは、The Elder Scrolls V: Skyrimでホワイトラン(最初に訪れる大都市)で窃盗と投獄を繰り返して、約1ヵ月も攻略が進まなかった記憶がある。その後もロクでもないチンピラ・ドヴァキンを敢行し、スカイリム地方を救うどころか、内戦を激化させ、各都市を壊滅に追いやっていた。勿論、ホワイトランの王族も追放した。こういった非道なプレイ?が正規な進行として認められるオープンワールドゲームは意外にも少なく、大手タイトルであるGTAやRDR系は、警察などに追い回されて面倒なことになる。そういえば、Red Dead Redemption 2 は年内にPC版が発売をするようだが、何れにせよキャンプ内は走れないゴミ仕様を直すmod必須である。私は家庭用RDR2は早々に中断しました。よって、悪い部分を修正可能なPC版は購入するかもしれない。時間があれば、大作ゲームタイトルをがっつり攻略しても良いのかもしれないが、既に桐生ちゃんで手一杯の上に、その極道も全く進められていない状況なので、今年のゲームプレイは期待できそうもない。後は、謎のアップデートを繰り返すKilling Floor 2を記事にするかどうかだが、課金要素で荒れている現状を書いても・・・最終手段は、インストールしたまま絶賛放置中の大作The Witcher 3: Wild Huntがあるが、どう考えても時間が掛かるとしか思えない。オープンワールド系は大好きだが、プレイ時間の確保が出来ないため避けざるを得ないのです。よって今日も桐生ちゃんはスペハリ廃人をせざるを得ず、ずるずると何もない平和な神室町を歩く日々が続くわけです。この状況を打破したとき、私はゲーマーとして一歩前に進める気がします。

2019年・秋のビール王決定戦

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2019年に日本国内で発売された大手ビール各社の季節限定ビール(秋味)の中から最高のビールを決定します。評価基準はたったひとつ。味の濃い奴が正義です。味が丁寧だとか香りが素晴らしいとか、そんな上品な意見は求めておりません。本題に入る前に、なぜ秋口に限定ビールが発売されるのかというと、これは歴史的な事が関係しているのです。例えば、ビール大国ドイツの場合、9月中旬からビールの祭典であるオクトーバーフェストが開催されます。もともと、この祭典で出されるビールは3月に仕込まれるため、別名メルツェンビール(3月のビール)と呼ばれます。冷蔵庫が無かった時代、メルツェンビールは醸造の終わりを意味し、それ以降の月はビールを洞窟や地下、氷などで貯蔵しました。3月に仕込まれて、9月に呑むわけですから、味は濃く、同時にアルコール度数も高めにしないといけなかったわけです。このような考え方はドイツのみならず、ヨーロッパ各国でも同じ考え方であったために、基本的には秋口に発売されるビールは味が濃くなる傾向が強くなったというわけです。よって濃い奴が正義、という評価方法はあながち間違っていないのですよ。

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サントリー・ザ・プレミアム・モルツ 秋香るエール2019
製造会社:サントリー
ビアスタイル:アンバーエール
アルコール度数:6.0%
評価:良い

メーカーが謳っている通りに、香りが素晴らしい。
通常のザ・プレミアム・モルツ自体が小麦とホップだけを使用した本物のビールのため期待はできる。実際に呑んでみると、やや甘い系統に属し、フルーティーさが強調されている。麦芽特有の味は感じられるが、全体としては軽いため、ヘビーではない。美味しいビールではあるが、私の好みではないタイプである。ただし、常時販売しても一定数の購買者は出るはずだ。価格以上に美味しいビールが体感できた。

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キリン 秋味 2019
製造会社:キリン
ビアスタイル:ピルスナー
アルコール度数:6.0%
評価:良くない

麦芽味はするが全体的に薄味。無駄に最後がスッキリしすぎており、かなりの違和感があった。原材料を見て、「そういえば日本のビールは米・コーン・スターチを入れたがるものだったなぁ」と思い出した。私は普段、スタウトビールしか飲まない人なので、こういったまがい物を入れたビールに対しては、あまり好感が持てません。この米・コーン・スターチを入れるビールは、ヨーロッパ基準(特にドイツが厳しい)であれば、ビールとはみなされません。後味をスッキリさせるために、こういった添加物を入れるのですが、これによって味が均一化し、コクが薄れていきます。そのため、味の余韻が弱いビールになっていまいます。缶に麦芽1.3本分と明記されているが、そもそも麦芽100%ではない。量産品としては良いのだろうが、季節限定ビールで麦芽・ホップのみで勝負しないのであれば、価値が無い。

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アサヒ 紅
製造会社:アサヒビール
ビアスタイル:ピルスナー
アルコール:6.5%
評価:美味しいようで美味しくない

麦芽濃厚で、アルコール感は十分にあり、かつ甘めの味わい。キレはかなりある。一口目で済ませるのであれば、かなり美味しいビールに属するが、これも後味の余韻が不自然で、続けて飲むと不快な気分になる。理由はやはり、麦芽・ホップ以外の添加物が、スッキリ味に収束させるために働いているからだろう。魚を主体とする食事には合うが、ビール単品で呑むのであれば、評価は低くなる。なお、今回の企画で最も入手するのが難しかった銘柄である。巷では人気らしく、私の通っている酒屋店では品薄状態であり、このビールのみ撮影した日が他に比べて5日ほど遅い。私の手を煩わせるんじゃない!!

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サッポロ 焙煎生ビール
製造会社: サッポロビール
ビアスタイル:ラガー
アルコール度数:6.0%
評価:良くない

え、何これ?不味。
この個体がハズレ品であった可能性は多分にあるが、炭酸の強さと味の方向性が全く合っていない。炭酸は他よりも少し強めだが、芳香さと後味スッキリさが見事にマッチしておらず、正直、とても美味しくないと感じた。色合いは美しいが・・・残念ながら私には受け入れられない銘柄である。

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琥珀ヱビス
製造会社:サッポロビール
スタイル:アンバーエール
アルコール度数:5.5%
評価:これ以外の選択肢はないだろう

国産の量産品ビールの中では飛びぬけて美味しい。
今回の企画の中では最も自然的に味が重く、純粋な麦芽の旨みとコクが強烈。しかし、上手にバランスを保持しており、変な癖は全くに感じさせない。麦芽とホップのみで製造されたため、その味に余韻がある。かつスッキリはしていないのが宜しい。素朴で美味しいビールと言うのが率直な感想であり、これまでの選定品の立場は無くなるだろう。

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ビール好きの方なら、この結果は予測できたと思います。
一応、他のビールについて擁護をしておきますと、そもそも私は黒ビール好きであり、スタウトと呼ばれる強烈な苦みのある凶悪な黒ビールぐらいしか"ビール"とは認めておりません。スタウトは幾つかの系統がありますが、何れにせよ味が薄いという事はあり得ません。この界隈で最も有名なギネス・スタウトも麦芽(ロースト)とホップしか使用していないため、素朴な凶悪さが前面に出ます。黄色いビールも悪くは無いのですが、日本産のビールはあまりにも均一化しすぎています。昔からドライビールが苦手でしたので、日本産ビールは長い事、見捨てていますし、今後も見捨てます。つまり私は二枚舌ではないですし、明確な中立性がないことを公言していますので、エビス以外はノーサンキューです。強いて言えば、プレミアム・モルツ 秋香るエールは頑張っていますが、好みの問題があり脱落しました。妖怪も寄ってきたことですし、本年の王者は琥珀ヱビスとさせていただきました。

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良いビールだ。
日本食に合わせて製造したのではなく、ただビールだけを目的にしているのが良い。この琥珀に限らず、エビスビールは、その他のバリエーションに関しても小麦とホップのみで勝負をしている。唯一の不満点は、このエビスが黒ビールをリリースしているが、これがスタウトではない点である。残念なことにシュバルツビールであり、ドイツの黒ビールを基調としている。ふふふ、悪いね、スタウト党はシュバルツは飲まない。秋の夜長に新作黒ビールが販売しないのは残念だが、琥珀色のアンバーエールを呑むのであれば、鬼の祝福があるかもしれない。

当ブログが選ぶ秋限定発売ビールで、最も美味しいは琥珀ヱビスになります。

USA 2020 ショートレビュー

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1997年がやってきた。
大陸から薄汚い人民が痰を吐きながら大挙して押し寄せてくる。
犯罪多発!香港が汚れる!そこで香港政庁は あのブルース・リーの親戚、陳を秘密に呼び…人民抹殺計画を依頼した。陳は殺しのプロだ。 12億人民を一人残らず抹殺せよ!しかし、中国では死亡した鄧小平を巨大兵器に改造する研究が着々と進んでいた!


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クソゲー界隈ではタイトル名を出すことすら禁忌である伝説の超不謹慎ゲーム"香港97"はアンダーグランド・ゲームとして1995年に発売されて・・・いない。香港97は政治的、表現的にヤバい要素が多すぎて任天堂の許可を得ずに、非公認で勝手に販売された。流通経路も正規ルートでの販売はされておらず、しかもSFCのタイトルにも関わらず違法な機器によりゲームをプレイするという現代で言うところのマジコン必須のまともな製品では無い。ゲーム内容も超ド級のクソゲーながらも、中国人12億人を虐殺するだの、カナダ大使館が協力しているだの(※協力していない)、訴訟戦争が勃発するレベルの不謹慎さがつまっている。有名になったのは、そのアンダーグランドさが突き抜けており、90年代半ばから2000年代にかけての怪しげな思想と仕様にマッチしていた、或いはゲームオーバー時に本物の死体写真の取り込み画像を使用するという倫理感さえも失った映像に言葉を失ったクソゲーマーが多かったことだろう。そういった禁忌をSteamでリメイク?して販売したのが、USA 2020なのである。

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一応、ゲーム内容について触れておこう。
ゲームは固定STGであり、画面上方から降ってくる敵やトランプ大統領を殺戮していくことで進行していく。ゲーム難易度は凄まじく高く、敵に少しでも触れた時点で即死する。しかも当たり判定がガバガバで、死因が良く解らない。横からスポーツカーも登場をし、これに当たると死亡する。基本的にこれを永遠と繰り返すゲームであり、1円の価値すらないクソゲーの中のクソゲーであり、購入したことを激しく後悔できるという点において、非常に価値の高いクソゲーと言える

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安心の全年齢版であり、下品な表現や政治的に問題のある映像や写真、グロ画像は一切にない。強いて言えば、トランプ大統領の生首が襲ってくることぐらいだが、昨今のクソゲー界隈ではトランプ大統領は必須NPCと化しており、トレンドをきちんと押さえている点は見事だ。それ以外の評価点は一切に無い。

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実績解除モードが搭載しており、放置するだけで4000近い実績が勝手に解除される。
全ての実績が解除できないのも妙にイラつくポイントであり、審査員の心証は悪い。よって逆説的に高評価が与えられるクソゲーであり、貴方がクソゲーマニアなら優先度は極めて高い。

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買うな!!

NieR:Automata レビュー

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発売 2017年
プラットフォーム PC、 PlayStation 4、Xbox One
開発 プラチナゲームズ

人間は考える葦である
ブレーズ・パスカルは数学者であり、物理学者であり、哲学者であった。彼が他の哲学者と異なっていたのは、科学が優先された思想から神について考察している点で、それは彼の著書である"パンセ"に書かれている。パスカルは抽象的なフレーズを使っているため、人間が葦だの何だの~一文は前後を読まないと解らない。恐らくパスカルは、物理学で何れ宇宙の真相を表現できると考えていたのかもしれない。しかし、宇宙が人間を破壊したとしても、宇宙そのものは考えることが出来ない。それがそこに存在するだけで、人間とは違う。我々は十分に思考する能力を持っているのだから、弱いが強いと自覚すべきである。だって我々は宇宙を理解できるかもしれないから。パスカルは神学者でもあったため、彼の言う宇宙は神を示唆している。よって、パスカルは神は尊い存在だが、人間も偉大なんだ、と考えた。この方向性は、後に登場をする哲学者フリードリヒ・ニーチェも人間の強さを主軸にしている。パスカルは多岐に渡り業績を残したが、39歳でこの世を去った。NieR:Automataにも同名の哲学者が登場するが、今にして想えば自分たちで考えて行動できた時点で彼も考える葦である。

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アクションスピードが速いため、最初は操作に戸惑う

【概要】
2010年発売に家庭用で発売をされたNieR Replicant、NieR Gestaltの続編。前作との関係は多少はあるものの、時代設定が大きく異なり、遥か未来の地球を舞台にしている。そのためか前作をプレイしていなくても問題にはならない事が開発者から公言されていた。発売前から話題が集まった作品であり、発売後も失速することなく、2019年時点で400万本も売れた大ヒット作となった。ゲームとしては3Dアクションゲームの体裁であるが、ゲーム中で意図的に2Dシューティングをさせたり、2Dでの移動になったりと、一遍通りな3Dゲームにはなってはいない。オープンフィールド形式を採用しており、シームレスでエリア間の移動が可能だが、最初から全てのエリアに行けるわけではなく、周回状況やシナリオ進行によって行けるエリアが増えていく。変わった仕様として、周回することが前提のゲームシナリオを採用しており、よほどの特殊な進行をしない限りは3週目で終了し、その後、ある条件を満たした場合に真EDが解放される。厄介な問題としては、1週目であったとしても、ゲーム開始10分でEDを迎えることも可能な仕様であり、それに付随して多くのEDが用意されている。本稿では便宜上、1週目をきちんと終えたAルートを1週目、2週目をきちんと終えたBルートを2週目、3週目をきちんと終えたC/Dルートを3週目とし、それ以外のEDや真EDについなどの内容については極力にネタバレをしない方針。また、各種EDについても一切に考察は行わないが、各周回でゲーム性が異なるため、周回ごとに分けてレビューをする。

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序盤から敵数はそこそこ多い

【アンドロイドたちの戦い】
舞台はエイリアンに侵略され、月面に追いやられた人類が、地球奪還のために送り込んだアンドロイドたちの戦いを描いている。戦況は長い期間、膠着状況に陥っており、それを打開するために精鋭部隊ヨルハが地球に送り込まれる。エイリアン側も機械生命体なるロボット軍団で対抗をしている。プレイヤーはヨルハ部隊所属の2B、9Sを操作し、現地で苦戦しているレジスタンス部隊を助けることが目的。面白いのが、アンドロイド側の個体差で、序盤から個性豊かなアンドロイドたちが登場をする。各アンドロイドたちは確実に感情を保有しているが、それを表現することが禁止されており、これが後に伏線になるなど、近年のゲーム作品でもトップクラスに伏線が多い。当初、私も伏線に関しては、相当に注意して進めたが、それでも先の展開が読めない事が多く、その点で面白かった。また、登場アンドロイドの個性の濃さは見事でメインパッケージに描かれている2Bは顕著に出ている。、その奇抜な服装で軽やかに戦闘をこなす女性アンドロイド、そのアンバランスさが逆に世界観に溶け込んでおり、非常に人気の高いキャラクターとなった。また、彼女の御供である9Sも十分にプレイヤーの心を掴む要素が多く、この2体のやりとりは心温めるシーンが多い。何気ないフィールド間の移動でも、唐突に会話が入ることが多く、総じてNPC間の会話量は多い方なのではないか。後に詳しく評価をするが、全体を通してみると、2Bの操作量は1/4ほどしかなく、1/2は9Sを操作する事となり、残りはA2の操作量という感じで、決して2Bだけのゲームにはなっていない。この部分は意外性はあったものの、純粋なアクション面で見ると、失敗だと思われる。2BやA2は戦闘能力が非常に高く、操作していて気分が良いが、非戦闘型の9Sは色々とテンポが悪く、物語性を重視したキャラ特性があるとはいえ、あまりに戦闘能力が不遇な印象である。ただし、9Sは戦闘が得意ではなく、それを護衛する形で2Bが随伴していることも意味があるので、何とも難しい部分ではある。個人的には、2BとA2のパートをもう少し増やして、バランスを平均的にしたほうが良いと感じた。

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2Bと9Sは仲良しコンビ。いつも一緒に行動をする

【戦争のための道具】
接近戦主体のアクションゲームとしては簡単な部類に入る。
理由は4点あり、まず常時射撃状態にある随伴支援ユニット・ポッドが非常に優秀で、遠距離の敵から近距離までを迎撃してくれる。弾薬制限などは一切になく、常にバルカン砲やミサイル、レーザーで支援行動を取ってくれるので、自然とDPSは高くなる。また指定されたアイテムを集めることで強化が可能。ポッドに専用スキルを付随する事も可能で、基本的にポッドが攻撃し続けることが攻略のカギとなる。ポッド自体が無敵状態なことも便利であり、敵に接近しての射撃も強力。このポッドがゲーム内で面白い役割を演じており、各アンドロイドに専用のポッドが一体付随してくる。そのため、個性豊かな操作キャラの掛け合いにポッドが入ってくることも多々あり、やはり会話シーンの品質は高い。2つ目は、操作するアンドロイドにチップを埋め込むことが可能で、これが事実上の"スキル"となる。敵を倒したりイベントを達成して得られる経験値でレベルアップをしても、得られるスキルは一切にない。プレイヤーを強化するには、レベル上げと同時に、チップを集める必要性があり、これを各所で入手することで攻撃や防御、移動スピードを大幅に向上させることが可能。ただし、このチップは何でもかんでも挿入することは不可能で、設定されたチップのコストが、アンドロイドのチップ容量内に納まるようにしなければならない。基本的に強力な能力が付随されているチップほど高コストな傾向にあるが、逆に低コストで強力なチップも多くあり、収集要素はかなりある。また、チップ同士を強化することも可能なため、スキルの組み合わせ幅は非常に広い。チップそのものは敵を倒したりすれば簡単に入手可能で、この点で渋っているゲームバランスではない。そのため、割とストレスなく強化はできて楽しかった。3つ目は、回避行動が異様に強いことで、敵に囲まれても回避を繰り返せば抜けられることも多い。チップと関係した事だが、高性能な回避行動と、チップ性能『敵からダメージをもらった瞬間に~秒無敵になる』を組み合わせると死ぬ要素がなくなる。これに攻撃・撃破時に体力回復のチップ関連をつけておけば、もはや回復アイテムすら不要な無敵ロボットとなり、ラスボスを含めて戦闘には全く困らなかった。最後は、入手できる武器数が多く、その大半が優秀な点であろう。これに関しては、武器の数は多いものの、隠しアイテム扱いな武器が多いために、散策をする必要性が高い。ただし、初期武器でも改良をすれば、かなりの強さになるため、武器集めを一切にしなくても"楽にクリア"が出来るようになっている。
この4点が全て凶悪で、適当に操作をしていてもスタイリッシュなアクションが可能となっている点で、素晴らしいと感じた。基本的には低難易度なゲームであるが、高難易度モードも用意されており、物足りないプレイヤーは意図的に難易度を上げても良いが、あまり考えられていない高難易度バランスのため、お勧めできない。

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スタイリッシュ2Bさん

【1週目(Aルート)】
NewGameから開始すると、主人公が2Bの1週目(Aルート)となる。最初のレジスタンスキャンプに行くまでセーブ不可という仕様のため、ここで死ぬとEDが始まってしまう問題がある。この仕様は嫌らしいもので、流石に不親切である。セーブが可能なパートまで進めると、2B&9Sのコンビによる本格的なNieR:Automataが始まるわけだ。1週目は、比較的に明るいムードで進行をし、強力な戦闘能力を誇る2Bが敵をバッタバッタと倒していく爽快感がとても面白い。また初見だと、MAPのロケーションが豊富なため、行く先々で驚かされることも多い。何とっても、2Bと9Sの雰囲気が良く、見ていて癒される。純粋にみると、最前線で出会った戦闘用アンドロイドと偵察用アンドロイドが協力をして事態を収拾してく"一時的な仕事の関係"なはずなのだが、どうみても人間らしさ一杯に溢れた2体である。好奇心の塊である9Sは事あるごとに、2Bの気を引こうとするが、中々に上手くいかない様は、まるで弟と姉のようにも見えるし、年の離れた恋人か親子のようにも見える。この部分での作り込みは良く出来ていて、会話にしろイベントにしろ上質だった。操作的にも戦闘が得意な2Bであるために、スタイリッシュさが全面に出ており、物語と戦闘の2点で満足が出来る。中盤から、この戦争に関する重大な真実が判明し、エイリアン側の事情が明らかになるなど、気になる要素も増えていくのも1週目の特徴である。凡そ10時間程度のプレイ時間であるが、その品質やシステム面での珍しさもあり、1週目の評価は非常に高い。

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モーションがかっこいい!!

【2週目(Bルート)】

操作キャラは9Sとなり、2Bと初めて出会った場所からスタート。ここから1週目のEDと同じ道を辿ることとなるため、全く新鮮味が無い周回パートとなる。一部シーンで、9Sから見た2Bが、或いは2Bと別行動をする9Sが挿入されるものの、印象としては薄い。更に問題なのが、2Bと比較をすると、戦闘能力が劣る点である。2Bは主武器を2つ同時に扱えるため、攻撃コンボが多く、それが爽快感に繋がっていた。しかし、偵察用アンドロイドである9Sは1つの主武器とハッキングで攻略を進めていくこととなる。このハッキングは、敵や一部NPC、又は宝箱などをハックする事で、自分に有利な状況を作ることが出来る。ただし、ハッキングに成功するためには、毎回にミニゲームであるシューティングをし、コアを破壊しなければならない。この作業が非常に多く、ダレるというのが2週目における最大の問題である。シューティングはハッキング以外にもイベントとして存在はするのだが、このミニゲームよりも大分マシで、接近戦や射撃を使い分ける要素があるのだが、ハッキングにはそれが無い。兎にも角にも変化に乏しいミニゲームであり、敵の配置パターンも面白みに欠ける。このハッキングは9Sの重要な能力でもあるので、やたら推されており、2週目から3週目までほぼ強制的に付き合う羽目になるのもどうかと思う。どうやら開発会社としては、最初から最後までシューティングをさせたいらしく、初回から強制的に"やらされている感"が強烈で、それが面白さに繋がっていないのも問題だ。正直、この考え方は受け入れられなかった。

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ハッキングが面倒なうえに数が多いのでゲンナリする

【3週目(C/Dルート)】

非常に衝撃的な展開が続くため、初めから終わりまで目が離せなかった
物語としては、1週目&2週目が終わった直後、戦況がアンドロイド側に傾いた場面からスタートする。長い事、機械生命体との戦争に明け暮れ、一進一退の攻防であった戦況が大きく動く。更に新キャラクターである逃亡アンドロイドA2がプレイヤーとして登場する。全体を通じて、このA2というキャラの立ち位置が非常に絶妙で、ヨルハ部隊に所属をするエリートながら、過去の戦闘でのトラブルから脱走行為をし、逆にヨルハに命を狙われる側として描かれる。そのためか1週目、2週目では2Bと9Sからの追撃を受けつつも、最終的にはヨルハの追撃を振り切ったところで終わる。3週目では、謎多きA2から見た戦争が描かれており、彼女自身にも多くのフォーカスが当たる。これまでの主人公である2Bや9Sと異なり、心情の変化が多く、かなり哲学的な内容を含むストーリー展開となっているのが印象的だった。特に面白いのが、機械生命体に対して異常に嫌悪を抱く一方で、敵対するはずの機械生命体側にも"反戦派"が存在することを知ってからの展開が面白かった。立ち位置がとても複雑で、機械生命体のパスカルの提案を受け入れ、徐々に機械生命体側に立って戦うシーンが増えていく過程が何とも言えぬ慈悲を感じさせる。また2B以上の戦闘能力を誇る脳筋キャラで、動かしていて楽しいのも良かった。A2パートはシューティングも無く、ひたすらに接近戦だけに注力されており、本来のNieR:Automataらしさは、むしろA2にあったように思える。2Bや9Sは、あまりにシューティング・パートが多く、巨大ボスとのイベントもそれで済ましてしまうというアクションゲームとしては考えられないほど、盛り上げ方が分かっていない状況が多すぎるためである。それに比べれば、3週目は余計な部分が少なく、アクションと物語の両立が出来ていた。なお、この周回は、かなり特殊で、とある条件を満たすことで真EDへと繋げることが可能。

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機械生命体を憎むA2だが、ある個体との出会いが彼女の運命を変えていく

【否定:本MAPの構造】
率直に言えば、3Dアクションゲームとしては落第だが、オープンワールド形式を世界観と音楽性で上乗せしたため、目的地への移動経路が面倒ながらも、ぎりぎり面目が保たれた。本作は幾つかのエリアが分けられており、そこそこに広いフィールドを歩くことになる。しかしながら、ファストトラベル・ポイントが不便な位置にあるか、或いはフィールドの広さに対して数が少ない問題あり。また、変に立体的な部分もあり、MAPインターフェイスの視認性が狂っているとしか思えないほどクソな仕様。一部のクエストでは、あまりに面倒な立体構造を進む羽目になり、ゴールが上か下かが解り辛いため、無駄な迷子も多分にあった。これに2D移動が加わったりするので、余計にイライラ迷子を誘発させやすい。更にクエストそのものにも大きな問題が。各所にいるNPCからクエストを受注し、完遂することで報酬をもらう形式であるが、クエスト達成後、受注位置まで帰還しないと報酬を得ることが出来ない。これが非常に問題で、クエストを達成しても、帰還する位置が非常に遠いことが多く、ファストトラベルポイントの位置の悪さもあり、かなり面倒さが出てくる。この部分で我慢が可能かどうかは、この世界観をどれだけ気に入るかに大きく依存する。私が驚いたのは、キャラのモーションの多さである。本作はロケーションが多く、例えば小川が流れているポイントで長時間キャラを放置すると、それに見合ったアニメーションを取る。このような場所における各反応は見ていて楽しく、かつ2Bと9Sのパートであれば掛け合いもあるので芸の細かさは見事である。また、基本的に単独行動が多いA2でも、ポッドとの夫婦漫才?があり、長時間の移動でも何かしらの小イベントは挿入される仕組みがある。このため、オープンワールドにおける純粋なアクションはキレが悪いものの、それと同じくらいの世界観が埋め合わせしており、プラスマイナス・ゼロのようなゲームとなっている。唯一の救いは、上下移動に於ける運動性能の高さであり、ジャンプ移動は驚くほど高性能なため、上移動に何してはストレスが少ない。また、移動アクションの一つである回避行動が尋常ではないほど凶悪で、ほぼ無敵に近い。このため、移動中に敵に接敵しても、即攻撃後、回避を繰り返すだけで強烈なダメージを与えることも可能だ。基本的に、攻撃モーションや移動スキルが即出しの性能に近いため、オープンワールドゲームにありがちな"帰還中に敵に絡まれてウザイ"は感じない。むしろ、敵を無視できるだけの移動スピードが初期で備わっている時点で、相当にマラソンが捗る。ちなみに2Bのダッシュは独特で、前傾姿勢で砂漠を走る様は、あの衣装の相まって正にアンドロイド的。

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素早いダッシュや回避行動が即時に発動可能である。

【エラーな演出】
初回から演出が素晴らしく、機械らしさたっぷりなUIやムービーが目白押しだった。主人公たちを強化するチップも、重要チップを抜くと強制死亡するなど、拘った細工がある。それに加え、主人公たちのHPが尽きて死亡する事への解釈が見事で、体が壊れても自身の記憶データがサーバー上にアップロードされている限りは体を入れ替えづつければ良いという世界観である。そのためか、アンドロイドでありながら感情がある主人公たちが死に対して怯えることなく、作戦を遂行するためなら自爆も厭わないという凄まじい展開がある。先にシューティング部分の悪口を言ったが、純粋にSTGとしては評価が低いものの、演出だけは頑張っている印象。これが局所で納まってくれれば評価は上がったのだが。3週目で主人公2Bにおいて、このアンドロイド的な演出と死に対する部分が重なるイベントシーンがあり、これが本作品で最も強烈な演出だった。既に発売から十分に時間が経過したので言うが、この作品は途中から信じられないほど絶望的なストーリー展開を迎える。この2Bシーンもさることながら、その前のヨルハ本部基地の惨状も凄まじいことになっており、3週目は本当に怒涛の展開。また、最終決戦前のスピード感満載のアクションパートも悪いものではなく、異なるルートで真実に到達したアンドロイドたちの決断は、まるで映画のように見ごたえがあった。それと付随して各キャラクターの声優の演技が大変に良い。特に9Sの演技は、ちょっと普通じゃない印象で、声のハリや振るわせ方が印象に残る。私は設定で日本語にしていたので、海外声優版は不明だが、少なくとも2Bは"日本語の声"が良く合っているし、総じて綺麗で聞きやすい日本語である。口数が少ないA2にしても、怒りながらの「黙れ!!」から「意外とイイ奴だな」に至るまで、キレ芸と優しい性格の両立が上手だった。また敵キャラクターのアダム&イブの演技も良く、個人的には敵側の一面ももう少しだけ見せてほしかったくらいである。総じて、演出面や芸の多さに関しては誰もが納得できるのではないだろうか。

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ゲームであることを最大限に生かした視覚的な演出が多い

【ある物語、それぞれの結末】
多くの点で非常に優れたストーリー性を持っている。
まず3週目が衝撃的すぎる上に、シリーズ特有の悩ましい最後の選択も用意されており、着地地点をプレイヤーに選ばせているものの、安直な選択肢にしていない部分が高評価である。ただし、一部シーンにおいて、猟奇的なシーンがあり、ここが人を大きく選ぶポイントだと思う。念を押しておくと、このゲームにはアンドロイドか機械生命体しか出てこないので、"殺人"は一切に行われない。人類の命令に従うアンドロイド達が、エイリアンの命令に従う機械生命体を破壊したり、逆に破壊されたりを繰り返しているだけだ。ところが、個性豊かさが出てしまっているアンドロイドが多いので、まるで人間のように見えてしまう。この点が、結末としては哀れみを与えており、かなり捻くれた猟奇性を際立たせている。全年齢向けの作品で無いことは明記されているので購入する層は限られているが、大人から見ても各NPCが迎えるEDは衝撃的な内容が多く、ゲームならではの演出も相まって国内ゲームでは随一の品質に仕上がっている。問題は、真EDの到達条件であり、これが人によってはかなりの苦痛。条件を書いてしまうと重大なネタバレになるので伏せさせていただくが、意地悪にも程がある。3週目まで頑張ってプレイしたのだから、その後の状況くらいはもっと簡単に見せてほしいというのが本音である。私の場合、この真EDの到達が最も苦戦したポイントであり、やはり難易度の調整があまりにチグハグすぎて開いた口が塞がらないどころか、嘔吐寸前である。この真ED到達条件で激怒するゲーマーは一定数いるものの、ネット上では好意的な意見も多く、ゲームが得意な方からすれば許容範囲内のようだ。私は許さないけどね!!

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探索をするうちに真実へと到達するが・・・

【悲しみに音楽を添えて】
以前に別記事にて本作の音楽については紹介をしているが、ゲーム内で使用されるBGMについては非常に高い評価を受けている。変わった点としては、ヴォーカル入りの音楽が大変に多く、歌詞有りの音楽が通常状態で挿入される。音楽数も多く、その一つ一つが世界観の構築に寄与しており、何時まで聞いていても心地よかった。傾向としてはヒーリング的な音楽や落ち着いた曲が多いが、逆に戦闘曲やボス戦闘時の音楽はオーケストラ風で、かなり壮大な音楽性。開発会社の発言から、相当に音楽に関しては力を入れたようで、その言葉通りに一貫して高い芸術性を誇った。個人的には、最終状況に向かうA2の戦闘時の音楽がお気に入りで、スピード感とオーケストラがマッチしていた。ついでにグラフィックスに関しても述べておこう。PC版は解像度などのオプションがあるものの、全体としてはPCへの最適化が十分になされなかったため、フレームレートの落ち込みや遠景の書き込みが甘い点が目立った。ただし、この2点はユーザーメイドのMODを導入することで解決しており、PCゲームに慣れた方ならPC版の利点を最大限に生かすことが可能。私は家庭用も購入しているが、此方は比較的に安定をしているので、仮に家庭用かPC版で迷っている方が居たら、家庭用版を購入することをお勧めする。なお、2019年現在、PC版はNieR:Automata Game of the YoRHa Editionとなっており、全DLC入りの完全版しか販売されていない模様。こDLCは闘技場の解放と、その報酬が追加されたVerなので、特にデメリットは無いのだが、通常版に比べて大きなメリットがあるかと言われれば・・・2Bの衣装を変更したい方は期待しても良いかも知れない。

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終盤のハイスピードな展開は巧み

【製造目的と生存理由】
近年、ここまで強いテーマ性を持たせたゲーム作品というのも珍しい。
1つのテーマを深く掘り下げたという作品でというよりかは、"様々な負の感情"を抱いた機械たちの終焉を振り下げている。各アンドロイドたちの心の変化具合も説得力があり、特に自分たちの製造目的を知ってしまった9Sは本作において真の主人公として扱われている。人間は考える葦であるという部分もゲーム的にはテーマに沿ったものであり、そのためにわざわざパスカルという名の機械生命体を登場させたのだろう。こういった哲学は含んでいたのだが、世界観に対する詳細な情報はプレイヤーに与えられなかったため、多くの考察が必要な物語性とも言える。物語的には世界やシステムがどうなっているのかは少しは判明をするのだが、その多くが謎に包まれたまま終わる。恐らく、9Sが最も真実に近づいた主人公であったために、プレイヤー側は9Sが知ったこと以上の情報は得ることが出来ずに"同じような扱い"でしか世界を垣間見ることが出来なかった。私としては、この作品自体が不思議な世界であったがために、何から何まで説明されない点で逆に好印象である。また、本作の2Bに関しては、彼女自身が深いテーマ性を固有で持っていることが、衰えぬキャラ人気の秘訣なのかもしれない。様々なゲームをプレイしてきたが、ここまで心が強い女性キャラクターというのは見たことが無く、その美貌と合わさって看板キャラとしてぴったりだった。

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慈愛に生きて死ぬか、目的を果たして破滅するか

【評価】

アクションRPGとしては傑出した作品であるが、酷いシューティング要素が大きく影を落とす。そのシューティングの回数が多い2週目をもっとコンパクトにすべきであり、周回が前提のゲームにしては不要な要素も目立つ。しかし、その世界観や音楽性、通常難易度であれば難しい操作なしに誰でもスタイリッシュなアクション可能にしており、ストレスは少なかった。むしろ低難易度で物語を楽しむゲーム性であり、テクニカルな操作入力をアクションゲームに求める層には物足りなかもしれない。UIは出来が悪い印象で、改善の余地がある。やはり物語が重視されているだけあり、キャラから世界に至るまで練り込みは徹底されており、この点で類を見ないゲーム作品である。余程、アクションゲームが嫌いでなければ、一度は触るべきゲーム作品であり、満足度は高い。

90点

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