コラム:サキーとSake

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日本酒が好きではない。
これだけブログで各国のビールを取り上げているにも関わらず、私は日本酒だけが興味の対象から外れている。全く飲めないというわけではないのだが、甘い酒全般がダメなため苦手という意識がある。辛い日本酒も何度か頂いたことがあったが、言えばスコッチの方が遥かに好きで、やはり蒸留酒にはスモーキーさを求める。日本酒は、あまりに清廉潔白すぎて好みじゃない。そして近年は獺祭をはじめとするフルーティな甘さをウリにする日本酒が流行っている。一度だけ付き合いの関係で獺祭を呑んだことがあったのだが、やはり無理である。美味しくないから日本酒は飲まない、というわけではなく、そのものが苦手な気がしてならない。私の"弾薬庫"も空きスペースが無いため、スコッチやビール類で埋め尽くされており、新たに日本酒を常備することも難しい状況だ。そもそも、日本酒については無知な状況が続いており、保存管理から、その特性に至るまで全く知らない。不得意な分野は語るべきじゃない。だから今まで日本酒は取り上げてこなかったんだ。

・・・

日本酒は似た味が多い・・・気がする。
正直、日本酒で利き酒は不可能に思えて仕方がない。特に大吟醸系の甘さを全面に出した日本酒は、かなり選別が大変なのではないだろうか。それを言うと、ビールにも当てはまるかもしれないが、此方の世界は"甘い"流行は到来していない。むしろビールの利き酒は、その膨大過ぎる種類による困難さの方が議題に挙がりやすい。そのため、ビールの利きをするために最初の段階 - 色である程度の予測をする必要性がある。ビールの色は多彩だ。赤、黄色、白、黒・・・これだけ明確に分かれているというのは、その銘柄のユニークさが味だけではなく色にも反映されている事と等しい。ところが、日本酒は透明だ。中には白濁色もあるが、とにかく透明な銘柄が多い。色でのユニークは期待できない。似た色が多く、甘い日本酒が流行っているとなれば、一体何を基準にソレを美味しいと断定すれば良いのか。これは私の舌に問題がある。私は甘さの程度を分類できないのだから無理を言っちゃいけねぇよ。

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醸し人九平次彼の岸
という高額な日本酒がある。
知人が日本酒通なのだが、この銘柄に出会ってから"彼の岸"以外は飲めなくなったらしい。私がテイスティングしたのは2015年のモノで、保存状態は非常に良いように見えた。一献頂いて、その味に驚いた。友人宅で飲んだので写真が無く申し訳ないのだが、味に酸味があり刺激的である。それでいて、上品な甘さが広がって直ぐに消えてなくなる。後味は無い・・ようで何かがキッカリを足跡を残していく。水に近い印象だが、酸味、甘未ともに一瞬で駆け抜けていくためスピード感がある日本酒だった。個人的に日本酒とは、ダルイ味付けで、次の日に残る悪酒だとばかり思っていてが、それと明らかに異なるタイプだった。生まれて初めて本当に美味しい日本酒だと感じたが、その価格がネックだ。ビール一本で1万円という銘柄は無いと思うが、ウイスキーの世界だと1万円でトンデモナイ銘柄が購入できる。ロイヤルサルート 21年、オールドパー クラシック18年、デュワーズ18年、キルホーマン。そう、1万円も出せばウイスキーに関しては選択肢が山のようにあるのだ。日本酒から酒に入った方であれば、この価格帯は大した問題にはならない。だが、私の場合はそうじゃなかった。九平次彼の岸は見送ることにした。私以外の方が購入したら宜しい。

・・・

機会があって、美味しい日本酒を少量ずつ各銘柄ごとに飲めるイベントに参加した。
この場においても、各銘柄の味が解らない。どれも同じ味のように、どれも同じ甘さ、どれも同じ風体にしか見えない。会場を回ってみたが、九平次は無かった。知らず知らずのうちに、私の基準は決定されていたことに自身が一番に驚いた。特定の銘柄を探すという行為は、間違いなく入手したいという願望の表れである。後に聞いたところだと、九平次は海外の方で高い評価を受けた日本酒で、特にフランスでは相当に人気があるらしい。解る、フランス人が好きそうな味だ。酸味の存在が日本酒らしくなく、むしろ白ワインに近い。フランス人は自国の料理文化を誇る、ワインも大好きだ。だから白ワインに近い日本酒の存在を知った時、フランス人は文化的に活用しようと考えたのだろう。
私のように日本酒が苦手、嫌いな方は、それを修正する必要は無いと思う。受け入れられないのだから、それが真実であり、それ以上の対応はするべきではない。しかし、中には海外ウケの良い日本酒もあって、それを呑むと意味が解る。日本人でもマッカランの美味しさが体感できるのだから、フランス人に日本酒の意味が理解できないはずがない。
海外からの評価が良い日本酒は、私にあっているらしい。だが、日本人が日本酒の評価を海外の人に伺って、そのおススメを購入するというのは何か引っかかる心情である。まぁ、気にせずに米国の友人にお勧めの日本酒を聞いてみた。
「サキー(SAKE)は50ドル以上もするじゃないか!!高くて買えないよ!!」
初めて知ったが、どうやら海外の方がサキーに関してはシリアスな状況らしい。
もう1万円じゃ買えないな。九平次サキーは。※

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海外 - アメリカを例に挙げるとアルコール飲料は安価な場合が多い。
ビールやワインは勿論の事、カクテル飲料も日本に比べればずっと安価だ。それと同時に、海外の酒好きは高額な銘柄を買い漁る。ワイン、ビール、ウイスキーに銘柄1つ1万円以上であったりしても、味に保証があると知っている。特にワインの高額銘柄は国問わず良く知られた存在であり、誰もがモンラッシェを1万円で購入できないことを知っている。サキーが辛いのは、低価格帯の銘柄でも輸送費などが嵩み高額になってしまう事、かつ九平次のような元が高級品であっても、得体が知れないので購入を控えてしまう人が多い事にある。しかも日本価格と比べ、2倍以上の高値で売られており、少なくともリーズナブルではないと聞く。見たことも無い漢字で書かれた銘柄が100ドルで唐突に売られていたら、その味はどうあれ普通は買わない。100ドルで良く知られた高級酒を買うのが人間だ。そもそもにして厄介なのが、漢字である。先のアメリカ友人も困っていたが、漢字をローマ字に変換したとしても意味が解らない事に変わりがない。”MIGAKI 50%”と書かれても、"磨き"について説明してくれる人が居ないので、何かが50%としか理解できないのである。日本酒の輸出額1位(2017年)であるアメリカがこの程度なので、フランスなどは更に困っているのかもしれない。

・・・

アメリカが日本酒を製造し始めたとのニュースは聞いたことがあった。
どれだけのメーカーがあるのか、どれだけの規模なのか等は解らないが、アメリカ本国で日本酒を自前製造しているらしい。アメリカ人が自前で赤ワインを作ると、兎に角アルコール度数が高いパワフルなワインになることで知られている。カルフォルニア州では、そういった赤ワインが大量に製造され、本家フランス人は馬鹿にしていた。ところが、1970年ごろにナパ・ヴァレーのワインが品評会で優勝をすると、一転してアメリカ産の赤ワインは人気になった。こういった成功がある以上、アメリカ人は日本酒の製造を軌道に乗せたら面白い銘柄が出来るのかもしれないと思っている。その銘柄が日本国に入ってきた時、きっと私は購入すると思う。日本人以外で製造されているのだから、似通った味になるはずがない。アメリカ人の口に合わせて白ワイン風になっていたら、間違いなく私でも飲めるはずだ。
アメリカ人がアメリカ人のために作ったサキーが九平次クラスの高品質になる事を祈っている。

※アメリカ人はSakeを"サキー"と発音するため可愛い呼び方になる。

コラム:Gentleman Coke -究極のコークハイ-

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                  ブログ5000拍手記念記事

              "素晴らしい一時の代償は高いものだ"

ウイスキーをコーラで割ったカクテルはコークハイと呼ばれますが、私は大変に苦手で良い思い出がありません。もともと、私はスコッチ党ですから、余計にコークハイなんて無用なわけです。マッカランをコーラで割る人が居たら袋叩きにされますし、する人もいません。何方かと言えばハイボールも好んで呑む方ではありません。言っておくと、私はコーラ自体を飲むことが出来ません。体質的に、甘未を受け付けないために、シロップを口に含むと胃が痛くなり、酷く体調不良になります。もう随分と長い間、ジュースだとか羊羹、ケーキを口にしていません。(恐らく死ぬ間際でさえ拒否する)一部の例外的な食物を抜きにすれば、私は甘味とは程遠い人間でした。今、私が手にしている酒はGentleman Jack、テネシー・ウイスキーの代表的銘柄にしてジャック・ダニエルズの限定生産品。呑めば一発で解る芳香さ、スムースさ、そして別格さ。決してコークハイのような汚い飲み方はされず、今日の今日までストレートで生き残ってきた強者。アメリカのウイスキーは迷う必要が無いのが良い。何を買えば良いかは既に決まっているのだから。アメリカと言えば、コーラ?君は何にも理解をしていないようだな!!

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ジェントルマンジャックは高品質なアメリカン・ウイスキーで有名だ。

勘違いをしている方は多いが、ジャックダニエルはバーボンとは呼ばない。
バーボンは、それが認可される条件に『製造過程においてサトウカエデの木炭を用いて濾過を行う』が無いからだ。テネシー・ウイスキーと認定されるためには、まずバーボンの条件を満たし、かつ木炭の濾過と生産地(テネシー州のみ)をクリアしないと認められない。つまり、テネシー・ウイスキーはバーボンの条件を満たしているが、バーボンはテネシー・ウイスキーの条件を満たしているとは限らない。この部分に拘る通は多く、バーに行くのであれば知っておいて損は無いかもしれない。ジャック ダニエルはテネシー州で作られるウイスキーで、テネシー・ウイスキーの中では最も有名なシリーズだ。私が知る限り、通常品ではテネシーハニー、ゴールド、ブラック、ジェントルマンジャック、シングルバレルの5種類がある。酒店で良く見る最もノーマルなのがジャック ダニエル・ブラックで、これは日本に住んでいたらコンビニでも見かけることがあると思う。逆に高額な銘柄になると一気に品が少なくなり、シングルバレルやゴールドは専門店に行かないとまずお目に掛かれない。値段が値段なだけあり、特にゴールドはウルトラ・フルボディで、アイオワ並みのグラマラスな味わいが楽しめる。今回、用意をしたジェントルマンジャックは、炭濾過(チャコールメローイング)を2度、行っていることが特徴で、これにより飲み口はスムーズながらも、軽くない味わいと芳香さを両立している名酒だ。通常のブラックよりかは高額になるが、明らかにレベルが異なる美味しさがあるために、"紳士"を所有するファンは多いと聞く。実は私も同じクチで、ワイルドターキーやバッファロートレースは常備していないが、必ずジェントルマンジャックは切らさずに常備している。これは高品質な味に加え、価格や立ち位置が"客人用"として非常に優秀な酒だからだ。少なくとも、私の周りにジェントルマンジャックが嫌いと言う者は1人もいない事からも優れた実力者であることは間違いない。(客人がアルコールに強い事が条件になるが・・・)

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これがキュリオスティーコーラです。

今回の目的は、採算度外視の究極のコークハイを作ること。
既に用意をしたウイスキーは高品質なので問題は無いが、ここまで来たらコーラも拘りたいものだ。私はコーラを購入しないので、今回の記事に関しては友人のアドバイスを全面的に受け入れてコーラを購入をした。用意した品はフェンティマンス・キュリオスティーコーラで、友人曰く世界一美味しいコーラとして、通には有名らしい。コーラに世界一美味しいとか、美味しくないとか、そのようなレベルがあるのかどうかは不明であるが、275mlで700円と言うのは、流石にどうかと思う価格設定である。先のジェントルマンジャックが750ml で大凡3000~3500円くらいで購入できる事を考えると、コーラ一本の値段ではない。コークハイを作成する前に、まずはキュリオスティーコーラだけを飲んでみる。感想は、正に駄菓子的なコーラである。思いっきり甘ったるい飲み口ではなく、生姜の後味も中々に清々しい。純粋なコーラとも飲み比べをしてみたが、砂糖の強烈な甘さを感じず、何処か昭和の日向ぼっこのようなイメージがある。落ち着いた甘さで、私は何とか飲めるレベルのジュースだった。ちなみに、純粋なコーラ党からすれば、かなり不味いコーラに分類されるらしく、不人気な側面もあるようだ。確かに炭酸が弱いので、喉越し重視のジュースマニア評価は低いのかもしれない。

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コーラのようでコーラではない気もする。

最高のテネシーウイスキーに世界一のコーラが揃った。
後は混ぜるだけだ。一般的にコークハイにはレモンが必要だが、私はレモン不要論者なので今回は用意していない。また氷はコクボのロックアイスを使用している。コークハイの作り方は簡単だ。まずグラスに氷を適量入れたら、少しだけ混ぜてグラスと氷を馴染ませます。ウイスキーとコーラの比率は1:3が正式なコークハイなので、これに従ってジェントルマンジャックとキュリオスティーコーラを注ぐ。最後に少し混ぜれば完成だ。
ちなみに、コークハイに使用するウイスキーにジェントルマンジャックを選定するのは、酒通からすれば狂った行為である。理由は、コークハイに使用するウイスキーは安価な銘柄を選定するのが常識だからだ。今回は、コーラも最高品質のものを使用しているので、更に狂っている。何度も言うが、今回の記事は完全に採算度外視の『やりたかっただけ』。こんなものをバーで頼んだら3000円は取られてしまうだろう。(それを提供するバーは何処を探しても見当たらないと思うが)

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究極のコークハイ・Gentleman Cokeが完成。

飲んでみよう。
最初に言っておくと、このコークハイは一部の人は飲んだら気に入る味である。通常のコークハイとの大きな違いは、『優しさ』溢れる風味に仕上がっている事である。甘さが無く、ハッキリと言えば生姜臭い。特に後味の生姜風味さは異常で、私自身、こんな飲み物は飲んだことが無い。甘い飲み物が飲めない私でも、飲みやすさと優しさは心地良いもので、コークハイでありながらコークハイっぽくない。ジェントルマンジャックを選んだのは正解だった。喉越しが元よりスムーズなので、口当たりの良さが相乗効果となって清々しい。この味だと、逆にレモンやライムなどの柑橘系は入れない方が良い。当初、懸念していたジェントルマンジャックがコーラに消されてしまう疑惑は、飲んだ瞬間に消えてしまった。これは純粋に、純液に近い別の飲み物となっており、生姜が嫌いでなければ楽しめるカクテルとなっている。個人的な見解だが、この味であれば一杯3000円でも注文をする"物好きな客"は出ると思う。コークハイに3000円?まぁ、普通に考えたら馬鹿げているかもしれないが、これは美味しい。飲み物の値段と味は比例関係にあると言われるが、こういうモノを作ると納得できてしまう。

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武闘派の美女2人とジェントルマンジャック。その対価は決して安くは無い。

2杯目は右にアメリカ美女、左に妖怪美女、真ん中は最高級・八千代切子グラスに最高のテネシーをストレートで。これ以上の贅沢は考えられないだろう。だから、貴方は対価を支払うべきなのだ。お飲み物代2杯分、人外指名料2名分、サービス料込みでお会計30万円。ぼったくり?ここは人外法権なんだ。きっかり支払ってもらうぜ。ここは高くつく場所と知っていて呑んだのだから当然だろう?

きちんと支払える方は次回6000拍手の特別記事でお会いしましょう。払えない方も6000回拍手で会える・・・かもしれません。

ビールの賞味期限はどれくらいなのか

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貴方は貴重なビールを入手したら、直ぐに飲んでしまうクチだろうか?
大方は、ビールを保存するのではないか。大切なビール銘柄は温度管理の行き届いた専用冷蔵庫に行くか、或いはビール部屋に飾られるかもしれない。そのまま忘れ去られて幾年の月日が経過した・・・賞味期限はとうの昔に過ぎてしまった!!どうしよう?今回はビール愛好家の1意見として、お聞きください。

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賞味期限2年前のビールです。今から飲みます。

賞味期限とは、ビールを美味しく飲める目安の期間
であり、安全に食べられる期間である消費期限は基本的にはビールにはない。大手ビールメーカーの賞味期限は9か月であり、この期間内であればメーカーの意図した味でビールが飲めると見て良い。殆どの方が間違っているが、全てのビールは鮮度が命というわけではない。確かに日本のビールはラガーが多いので、喉越しが重要視される。そのため炭酸が重要で、これを活かすために鮮度は新しいほうが良い。ところが、英国を中心としたエール文化はこの限りではない。例えば、当ブログでも紹介をしたシメイ・ブルーは5年間ほど寝かせたものが上物とされ、味が大きく変化する。ただし、これはきちんとした温度管理が行き届いた保存状態が絶対条件だ。全てのビールは直射日光で味が破壊され、高温多湿は衛生状態を悪い方向に進行させる。

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ラ・トラッペと記念撮影をする萃香さん

殆どのビールマニア、コレクターはビールの賞味期限を気にしない。
世界中のビール数寄を魅了している修道院ビールは、ことさらこの傾向が強い。ということで今回はラ・トラッペ・ブロンドの賞味期限2015年10月31日をご用意した。これを飲んだ日にちは2017年10月20日なので、賞味期限は2年も過ぎていることになる。もう少しだけ寝かせておきたかったが、今回の企画のために放出することにした。当たり前だが、これからコレを飲む。

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色がやべぇぜ!!

トラピスト・ビールという名称を使えるのは、世界中で11ヵ所のトラピスト修道院で造られるビールのみである。 昔は全てベルギー国内の修道院のみが認められていたが、このラ・トラッペは唯一のオランダにある修道院で生産されている。私はオランダ語に精通していないので、ビール裏面に書いてある日本語解説に出てくる単語『ラ・トラップ』が正しい表記なのかは解らない。ただし、世界的にはラ・トラッペというのが正しいと思われる。同銘柄を生産するコニングスホーヴェン修道院は、1884年に認定はされていたのだが、人手不足の関係で1996年にはトラピストビールの認定から外れている。しかし、問題が解決をした2005年に復帰したという経緯がある。長い間、ベルギー6か所、オランダ1か所の全7か所をトラピストビールと呼んでいたが、20110年代に入ると、オーストリアのグレゴリウスをはじめ、アメリカ、イタリアでも認定され現在は11か所体勢となっている。いずれ残りのトラピストビールは紹介をしていきたい。まぁ、どうにせよ私の現在所有しているトラピストビールは全て長期保存されているため賞味期限切れしかない。

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シメイブルーに限らず、この手のビールは長期保存で味が変化する。

飲んでみよう!!
・・・といきたいところだが、今回の主題は賞味期限を大幅に過ぎたビールが飲めるかどうかなので味の評価はしない。また、衛生学的にどうなのかという観点は考慮していない。これまで過去最高の賞味期限切れのビールは、賞味期限切れ4年の某スタウトであったが、飲んでも体調不良にはならなかった。これは私の体の場合だということを強く意識して頂きたい。どのようなビールであれ、瓶・缶からの直飲みは推奨できない。一回、グラスに注いでから品質を確かめる必要がある。仮に変な香りや、明らかに異質な色や異物の混入を自身の目で精査することは、徹底してほしい。また、何度も申し上げるが保存管理は『直射日光厳禁、高温多湿NG、埃カビは寄せ付けない、清潔であること』。以上の事を守っても、飲むのが怖いのなら神経質なまでに賞味期限を守って下さい、としかアドバイス出来ない。私の意見を聞いたがために、体調不良になって裁判をされても困る。要は、自分の体性能を見極めて、ビールの程よく飲みましょう、というのが基本にして最も重要なのだ。

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ちなみに、味は大変に美味しかったです。
賞味期限の意味を理解し、完璧な保存場所を確保し、ラ・トラッペを長期保管されている方は安心しても良い。これは期待通りの味を体験してくれる。我々のようなコレクターは、ビールの保存状態が如何に上手かで、その実力が窺い知れる。大切な銘柄を、それに見合った保存場所に保管できないのであれば、それは宝の持ち腐れでしかない。仮にビールの保存環境に自信が無い方は、私に相談してほしい。直ぐに私が引き取ってあげようじゃないか!!ただし、ありきたりな奴は御免だよ。

コラム:In beer there is Freedom

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アメリカ合衆国初代大統領ジョージ・ワシントンはカリスマ性がある軍人、政治家であったことで有名である。彼の価値観は、軍隊で鍛えられた屈強な精神であることは間違いないが、意外なことに農業にも熱心な考えがあった。出生が農場生まれであったことも大きいが、この農場はビールの生産と関係していたために、彼自身も生涯を通じて酒好きであったと言われている。さてワシントンが子供であった頃、コロニアルビールが植民地住民の間で流行をした。これは製造の過程で濾過作業を一切に行わないビールで、ビタミンBや他の栄養分をたっぷりに含んだ飲み物であった。植民地時代の農作業は過酷であったがために、こういった健康飲料は非常に重要で、言わばアメリカ生まれの英国風エールをワシントンも眺めていたのかもしれない。コロニアルビールは初期のアメリカを代表するエールであったが、ラガービールが現れると急速に衰退をしていき、19世紀末ごろには完全に駆逐をされてしまった。その後、1919年に禁酒法が制定されると、アメリカ国内のビール産業は次々と廃業、禁酒法の撤廃がされた1933年には完全に不毛の国家となり果てていた。それでも何とか美味しいビールを作ろうとする人々は少しづつ復帰をしてく。しかし古き良きアメリカ文化は、あまりに巨大化した大手会社によって再び酷く踏み荒らされると、実に下らない安売り低品質ガラクタがマーケットに堂々と陳列された。"爽快な炭酸の喉越しビールと脂肪たっぷりのピザを添えて”謳い文句が実現すると、アメリカのビール産業は3流以下の掃き溜めと化した。

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当ブログでも紹介をしたModern Timesは非常に美味しいアメリカビール

世界中のビールが均一化しかけていた。
そのことに一早く危機感を覚えた英国は、自国のエール文化を守るためにマイクロブルーワリー運動を始めた。英国はベルギー、ドイツ、チェコと同列のビール国家であり、ことエールに関しては天下無敵の自負がある。英国民はエール文化を保有し続けたが、この運動がアメリカに波及をした。1970年代後半、サンフランシスコでメイタグが絶滅種アンカー・スチームを復活させると、一気にアメリカ国内は新たな戦場となった。大手会社が熾烈な値下げ合戦を繰り広げているのに対し、彼らのような小さな醸造所は高品質なビール生産に勤しんでいた。1979年に自家醸造が合法化されたのも追い風となり、家族で趣味的にビールを作る者もいれば、巨大な夢と野望を胸に潜ませていた連中が本格参戦をした。特に2000年以降のアメリカ・クラフトビールのパワフルさには常に驚かされる。多様かつ個性が強く、しかも少数生産主義は大手会社を困らせた。安売り目的ではないビールがアメリカで認知され始めると、大手もクラフトビール擬きを発売し、市場の均一化を図ったが、何せ敵が多すぎる。世界中から優秀なビール生産者が自由に生産をしているのだ。情熱とアイデアを持ち込むと、多くの国民は彼らを支持した。クラフト・ビールは決して安くないが、確かに美味しいと。

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ユニークな最新ビールを求め続けるのであれば、アメリカに行き着く

アメリカのクラフトビール界隈は、かなり熾烈な競争が続いている。
ライバル全員がぶっ飛んで優秀なのだから、面白くない銘柄は直ぐに駆逐されてしまう。アメリカ・クラフトビールは一言で言い表すのなら、『無差別級』だろう。やりたい放題にも程がある。例えば、アメリカのIPA(インディアペールエール)は凄まじく強烈で、開発国の英国を超える製品も数多い。ただでさえ苦味が強いIPAをダブルやインペリアル化するなど、狂人じみた魔改造を繰り返しており、IBU(苦み数値)が100クラスは珍しくない。通常の日本ビールのIBUが10~15だということを考えれば、この数値がいかに規格外なのかはお分かりになると思う。ちなみに私は苦味に対する耐性は高いのだが、流石にIBU100は飲み込めなかった。ここまでくると、味の好き嫌いではなく、飲み手の能力に強く依存する部分が大きい。こういった銘柄は探せば探すほどに、アメリカに集中をしている。

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全米NO.1 クラフトビールであるBLUE MOONも、近いうちに紹介をする予定です

もしかしたら、私の敵が当ブログを見ているかもしれない。
だから、私が現在狙っている銘柄は教えられないよ。でも、恐らく貴方と私は同じビールを狙っている。そう、アメリカ人でなければ作りようがなかったハイパービールを入手しようとしているのだろう?日本国内のライバルは何としてもハイパービールを自分のコレクションにしようと躍起だ。このビール・ジャンルの特徴は何といっても高いアルコール度数に高いIBU値。アルコール25%を超えるようなビールは世界的に極めて少数で、かつIBUも50越えが当たり前。私がどの銘柄を狙って疾走をしているのかは秘密だが、その高価格には目眩がしてしまうほどだ。こういった光景は、1970年以前のアメリカ・ビール産業では考えられなかった。アメリカのビールと言えば、どれもこれも酷く低品質なのが常識だったからだ。しかし、現在のアメリカは凄まじい二極化戦争に突入をしている。安くて価値が無い、高品質で狂っている、勿論だが我々が狙うのは後者の方だ。

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私自身がアメリカに行く必要性もあるだろう

ここ最近のアメリカ・クラフトビールは『気狂いのホップ大量投入』から離れつつあるように見える。というよりも、連中はホップを限界まで投入をしすぎてIBU値の限界値に辿り着いてしまったため、別の道を模索しているというのが実情らしい。次に彼らが狂うプランは予想が難しい。女子が喜ぶような甘いフルーツビールも、ウィスコンシン州のNew Glarus Brewingの魔の手に落ち、チェリーの気狂い投入による超改造ビールとなって発売をした。また他方では、ケンタッキー・バーボン・バレル・エールのような誰向けが分からにような珍品も多い。(こいつは素晴らしいビールですが)
コロニアルビールが復活するとの知らせは聞いていない。もしかしたら、私が知らないだけで何処かのアメリカ人が復刻中かもしれない。おおよそ英国の古風ビールだと味が予想されるが、飲んでいない私は意見する事が出来ない。しかしながら"今のところは"、ということは確実だろう。ビールコラムでアメリカ産の銘柄が増えてきた背景は、こういった新構築のアメリカビール文化が世界的に注目をされているからなのです。ドイツや英国の高品質ビールを探すのは悪くは無いが、面白いビールを探すのであれば選択肢は一つしかない。アメリカのクラフト・ビールは強烈な勢いで増殖を続けている。

SUSgallery:TITANESS Tumbler Basic line Capri Blue レビュー

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ギリシャ神話に出てくる女神ガイアは大地の神であり、母なる女神としてギリシア各地で篤く崇拝された。夫は天空神ウラノスで、夫が雨を降らせ、妻が大地を形成した。世界を構築した2人は何人かの子供がいた。そのうちの1人が巨神族(ティタン)のクロノスである。天空神ウラノスに次ぐ全宇宙を統べた二番目の神々の王であったクロノスは、他の巨人族を従えてゼウスとの総力戦争を始めた。しかし、結果的には巨人族は大敗をしてしまい、戦争を生き残った巨人族も追放処分となった。そして他の神々が世界を治める構図が出来上がったという。
Titanium(原子番号:22,元素記号:Ti,呼名:チタニウム)はその特異な金属性質から巨人族タイタンに由来している。実際にも名前負けしていない強靭さがある。非常に硬く、かつ軽い事で知られた金属で、天然には土中に酸化チタンとして存在をしている。他にもチタン鉱石やルチルなどの鉱石にも含まれている。言ってしまえば、チタンそのものはさして珍しい金属ではない。しかし、チタン製のゴルフクラブが高価になるのは、チタンの精錬が難しいからだ。つまり原材料費が高価なのではなく、加工するのに手間や高度な技術を要するからに他ならない。そういった金属特性があるため、チタン製のカップは驚くほど高値で、しかも製品数が少ない。

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小鬼は別途用意して下さい。

貴方の所有するゴルフクラブが偽物のチタン製かどうかの判別は実に容易い。研磨盤の砥石を高速でゴルフクラブに当て続ければチタンかアルミ合金か直ぐに解る。本物のチタンは白い火花が散る上に、その頑丈さゆえに破損することはないだろう。偽物は直ぐにダメになってしまう。またチタンの強みは人体に対して、金属アレルギーを起こしにくい事も挙げられる。人工関節のパーツにチタンが用いられるのも、この特性があるためだ。軽い、錆びにくい、頑丈の3点を有するチタンは正に金属界の巨人と言える。さて、チタン製のマグカップは珍しいものの、決して入手が難しいというレベルではない。現にネット通販でも購入することができる時代において、このような嗜好品を見つけ出すのは10分、あるいは10秒以内にでも達成できる。問題となるのは品質である。私が所有している呑み道具は、総じて高品質な連中しかいない。職人による本錫、切子ガラスの美術品も2品持っている。どれも酒好きには堪らない実用的なコレクションで、そのパフォーマンスには満足をしている。はたして君はブログで紹介するだけの実力者かな。

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その強靭さは、強く殴った程度ではびくともしない。

2015年、TITANESS Tumblerは英国王室に贈答され世界的に注目を集めた。その他にも世界各国の首相が集まる食事会にも使用されるなど、相応の扱いをされている。シリーズには色違い・サイズ違いがあるが、私が購入したのは青みのあるCapri Blueだ。容量は400mlで、重量は僅か144g。当ブログではそれなりのカメラを使用して撮影をしているのだが、このCapri Blueの色合いは肉眼と写真との差が出てしまうタイプだ。和紙のような模様の中に、ライトブルーとチタン特有の金属色が織り込まれていて、自然的な表面が美しい。他社のチタン・タンブラーと比較を何度しても、この不可思議な自然身が頭から離れなかったため購入するに至った。他verで気になったのは、Lime Greenだが、お財布の関係から同時に購入は出来なかった。

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底には真空2重の特徴である塞ぎ穴跡がある。

強烈な存在感を放つタンブラーである。切子硝子のような派手さが無いにも関わらず、金属だけでここまで目立つものなのか。そのくせ軽い重量が、良い意味で気持ち悪い。仮に私が「チタンって何?わかんない」状態であれば、この軽さと屈強さのアンバランスっぷりに道理が説明できなかっただろう。幸いなことに、私は金属マニアだし、この金属の真実を知った状態で酒を楽しむ事ができる。しかし、それにしてもTITANESS Tumblerは強気の値段設定だ。このタンブラー1つで、最新鋭のグラフィックボードを超える。GTX1060の寿命は2年くらいのモノだろうが、TITANESS Tumblerは何年間もってくれるだろうか。少なくとも私の寿命より長い事は間違いない。そう考えるのであれば、許容範囲内かもしれない。実際に満足をしているので問題は発生していない。ただ、ちょっと贅沢をしすぎたかな。

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キチンと中を覗けるのは所有者だけ

触った感触、持ち上げた印象はチタンそのもの。飲み口を強く握っても軋み1つしない。仮に研磨盤が用意されても、迷うことなくブチ込める自信がある。この製品の最大の魅力は、飲み口から眺めるタンブラー内にある。光の反射から、青とシルバーの混合色が、まるでプラネタリウムのように広がる。400mlのタンブラーにしたのは、正に『この絶景』があるからに他ならない。近しい表現を用いるのなら、海上から深度を伺うかのような、海底を眺めようにも底が見えない不可思議さ。この中に入れるビールの選定は既に決定をしている。愛するスタウトは、あまり似合わない。青と銀世界に黒は不要。黄色?ゴールデンエールくらいの色合いならば問題ないだろう。もう一案としてはレッドエール。ふふふ、トラピストビールが良いな!!丁度、丁度、オーストリアから素晴らしい奴を仕入れたところだったんだ。だが残念なことに、今回はその写真を掲載をしない。本当の楽しみは、秘密として隠し持っていた方が良い。出し惜しみも、長くブログを続けていくには必要です。ちなみに、今回用意したビールは、グレg・・・

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強さを感じる

金属タンブラーで、これ以上の品質は予想すら出来ない。正に世界の権力者やVIPに喜ばれるだけの存在だ。これだけ強くて、ゼウスに負けたというのが信じられないよ。変に海外に媚びを売っていないデザインも大変に素晴らしい。やはり金属製品と妖怪は日本のものが最高だ。

購入するかどうかの判断は、この記事1つでするべきではない。実際に、手に取って、見て、あれやこれやと考えてみるべきだ。しかし貴方は、これを購入する人間が一定数存在するのも何となく理解をしてもらえると思う。手にすれば理解する、これが巨人の硬さ、軽さ、美しさだ。1つの存在として見事に纏まっている。
プロフィール

ばりー

Author:ばりー
PCゲームとビールを愛するおっさん
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