Replay:Call of Juarez:Gunslinger

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西部開拓時代、Remington Armsは南北戦争が勃発をすると大いに潤った。Model 1858はライバルのColtよりも優れた拳銃であり、品質の高さをウリに市場で存在感を出していたのである。西部開拓時代で成功をすると、次に散弾銃の分野でも大成をした。ハンターから兵士まで幅広いニーズに答え続けたRemingtonは、更に狙撃銃の世界でも名を馳せた。優れた命中精度、堅牢なデザイン、操作性を持つModel 700は世界中で売れに売れた。各国の狙撃兵で、何処の警察でも、腕に自信のあるハンターでさえRemingtonをスタンダードにした。ここ最近、急速に事業が失速をすると、次第に息が続かなくなり、大規模なリストラを敢行。それでも一向に回復の兆しは見えず、ついにアメリカ最古の民間銃器メーカーは2018年3月25日に連邦倒産法第11章(通称チャプター11)を申請。気が付けば生粋のアメリカ銃器メーカーは経営悪化が続いているか、或いは破産している会社しか見当たらなくなった。新たな開拓者はスイスかドイツからやってくると、アメリカ産を端へ端へと追いやったのである。

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西部劇シューターで成功を納め続けているCall of Juarezで、最も完成度が高い作品である。ゲームデザインは非常にアーケード寄りだ。大抵の場合で"今日も調子が良い"で上手い事、プレイヤーを煽ててくれるので、FPSが苦手な方でもプロ並みの射撃精度で悪党を倒していけるのだ。戦闘は常に数で劣るものの、敵に囲まれたってバレットタイムを発動をすれば一気に片付け完了さ。表現も大げさで、主人公サイラス・グリーブが酒場で昔話をする様は、あまりに古典的な映画の1カットだ。だが、解りやすい表現を、物語と戦闘の2つで徹底したお陰で、煩わしさが無い。撃って、進んで、レベルアップしてスキルを獲得して、後は主人公が語る。これ以外は無いし、これ以上も求めない。

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特に素晴らしいのは、西部の香りを残しつつ完成させたシューティング部分である。
殆どの場合 - かつて最高の拳銃会社でさえ、6連発が常識だった時代である。6回引き金を引いただけで、直ぐにリロードを行うのはゲームとしてはストレスが溜まる。しかし、30連発のフルオートライフルを登場をさせたら、それはワイルドウエストとは呼べない代物になってしまう。そこで本作は、各スキルで古風を装いながらも、現代シューターとして楽しめるようなアイデアを詰め込んだ。装弾数が増える、リロード速度改善、体力の向上、強力なバレットタイム。何より"死の予感"なる致命的な一撃を避けるアクションは、何処か優しい射撃戦闘にランダムな緊張感を与えており、例えるのならコーラときついウイスキーを交互に呑むような感覚だ。私はQTE撲滅委員会会長だが、このゲームは例外的に許してやろう。

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特徴的なグラフィックスは、時と場合によっては視認が宜しくない。
しかし、それ以上にダメなのは・・・というか、この記事を読んでいるゲーム開発者がいたら真剣に聞いて欲しい。西部劇のゲームだから無理に決闘シーンを入れなくても我々は許すよ?早撃ちの決闘なんて面白くも無いシーンを入れたいのは解るんだけれども、この要素が酷くゲームテンポを悪くしている。コイツだけじゃない、Red Dead Redemptionも同罪だ。別に西部劇マニアじゃないのだが、この西部を代表するクソミニゲームのお陰で、西部劇ゲームはイマイチになってしまう事も多い。ただ、Gunslingerはマイナス要素よりも目立ったユニークさの方が心に響く。こてこてなサイラスの語り口も、後半はシリアスになって行き、私は結構気に入っている。

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ストーリーなしのアーケードモードは好みが分かれそうだが、本編で物足りない高難易度大好きゲーマーは気に入るだろう。敵・撃つ・高得点を目指せ、以上。やや難しいモードなのだが、プレイをしてみると意外とハマる。それは本作の持つ戦闘デザインを極限まで引き上げてくれたからだ。あまりにも戦闘だけなので、これをガンコン仕様のアーケード筐体で出しても違和感は無いのではないか。逆にもう一つのオマケ”デュエルチャレンジ”早撃ちだけのモードである・・・チャプター11を申請しとけ。

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低価格に見合わぬ高品質な西部劇である。
お気楽なReplay記事も長文化してしまうほどの濃さを持ったゲーム内容を保証しよう。既にクリアしてしまった方はジェントルマンジャックをグラスに入れて、2回目の回想に出かけよう。これぞ不朽の名作である。間違いなく、どの時代でも、誰にとっても - 名作だった・・・

Remington Armsが破産した5日後、Call of Juarez: Gunslingerは"何かしらの"ライセンス切れによる問題で購入が不可能となり、突如として荒野から姿を消した。現在はストアから名が消え、その存在を知るのは既に所有している者だけとなっている。

追記2018年4月29日:Steamにて再販売されていることを確認しました。

関連事項:Replay:Call of Juarez: Bound in Blood

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No title

なるほど、販売停止は銃器メーカーの破産が原因だったのですね
アーケードFPSとしてもウエスタンFPSとしても超一流で素晴らしい出来だったのに宣告無しの突然の退場は大変もったいないですねぇ..

Re: No title

> なるほど、販売停止は銃器メーカーの破産が原因だったのですね
> アーケードFPSとしてもウエスタンFPSとしても超一流で素晴らしい出来だったのに宣告無しの突然の退場は大変もったいないですねぇ..

記事文章に勘違いさせやすい表現があり、申し訳ありません。
Call of Juarez:Gunslingerが販売停止した理由は現在でも明らかにされておらず、恐らく『何かしらのライセンス契約』の更新が難しくなったため、と噂されております。過去にAlan wakeが音楽ライセンス関係で販売停止してしまった例があるように、今回も音楽ライセンスが濃厚のようです。

Remington Armsは法的整理の枠組みを使って経営再建を目指すことを明言しており、チャプター11の適用申請後も事業を続けるようです。よって、今回の破産と本ゲームの販売停止は関係は無いと思われます。


No title

すみません、つい勘違いしてしまいました
実車が登場するゲームとかだとポルシェのライセンスがよく問題になるので実銃が登場するこのゲームもそういうことがあるかもな、と思ってました
音楽ライセンスの話になるとMafiaなどクリアして再販した前例もありますしカムバックしてくれたら嬉しいですね
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